コメント:「美術系ラジオ」の感想です。-[Lab]- - 建築系ラジオ
出演者:武智仁志

いつも楽しい話題をありがとうございます!美術系ラジオの方が白熱した感があって、聞いていて次回の配信が気になります。彦坂さんの美術界に対する嘆きが伝わってくるようです。

■「美術館の中で語ること」について
26Dの配信で話題となった現在の美術館のあり方は、言われてみれば、たしかに不自然ですね。なんの疑問も持っていませんでした。美術館という入れ物の中で芸術を楽しむ態度の常識は、静かに見て回るだけの環境ばかりですね。作家が作品の背景として想定しているものも、すべて真白にして並べられているだけの場所になってしまっています。

僕の場合ですと、サラリーマンとして他者にオンブして生きて来たせいか、「美術館を貸し切りにして収録しましょう」という発想しかありません。しかし、五十嵐さんは、展覧会の宣伝になるしよかろうと、真っ向ガチンコで勝負しようとしています。この戦う姿勢は、既存の美術館のあり方を、既存のまま改革できるものであり、芸術に関わってくる人の意識と展示空間のあり方を変える可能性を秘めていると思います。

子供と美術館に行くと、子供なのではしゃいだり、大声で話したりするのは普通の事なのに、それを制している自分がいます。でも、はしゃいでいる子供と芸術作品を楽しんでもいいんですよね。子供が作品をみてどう感じたか、実物を目前にしながら語り合う方が、記憶に強く残るし、美術館という場所にわざわざ出向く意味があると思います。インターネットで見る映像とはリアルさが違うという利点をもっと生かすべきですね。

また、家族だけではなく、ぜんぜん知らない他者とその場で会話することで盛り上がったり、居酒屋のようなシチュエーションもありな気がしてきました。パブリックな空間に直接的には無関係な人達が集まっているにも関わらず、お互いなんの関係性も持てないまま、ただ作品とだけ対峙する空間というのは勿体ないですね。。。しかも、わざわざ美術館に出向いても、他者の頭で作品がよく見えないということが、よくあります。特に都会の美術館はそうなのでしょうか、2007年に「東京都美術館」に行ったときは酷かったです。

美術が変れば美術館建築が変るのか、建築が変れば美術が変るのか、現在の美術館を常識として認識してしまっている僕は、「美術館の中で語る」という一言で、新しい美術館のあり方の想像を膨らませるのが楽しくなってきました(微笑)。

ますます美術系ラジオから耳が離せません。

(思ひ出のコメントー初出:2009.4.21)

・関連項目
26D: 美術系ラジオ企画編ー美術と建築のコラージュに向かって
(2010年7月31日公開)

連載紹介

建築系ラジオのリスナーによる感想コーナーです。 気になってるけど、まだ聞いていないコンテンツの概要を知りたい場合に参考でどうぞ。感想文のリクエストがあれば、お答えいたします(笑)。
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