建築系ラジオ: 2010年12月アーカイブ

2010年12月

出演者:花房佑衣

<ダンボールによる国宝茶室「如庵」の設営を終えて>予告編

2011年1月2日から1月16日にかけて、横浜ハウスクエアにて「ダンボールで再現した国宝茶室、如庵に入ってみよう」が開催されます。この段ボール茶室の設営が、12月22日に行われました。設営に携わったみなさんに、松田達さんがインタビューをしています。7時間かけて完成したという茶室の設営を終えて、それぞれどのような想いを抱いたのでしょうか。

■建築家・山田幸司さんの遺志を受け継ぐ
インタビューはまず、段ボール茶室を設計した建築家・山田幸司さんの研究室にいたお二人から始まります。指示を出す立場でもあり、いくつかの問題にも直面したというお二人が、設営にあたり大変だったこと、また、完成したものを見てどんな風に感じたかを話しています。山田さんの遺志を直接引き継ぐこととなったお二人のお話は、感慨深いものがあります。

■バラエティに富んだ設営者のみなさん
段ボール茶室の設営には、建築を学ぶ中国からの留学生や、建築を専門としていない韓国の留学生も携わっていました。また、急遽設営に参加することになったという学生さんもいて、感想も人それぞれです。自身のバックグラウンドや、現在勉強していることと結びつけて、それぞれ設営を通して思ったこと、考えたことを話しています。そんな様々な想いが完成した段ボール茶室に込められているのだと思うと、どんな風に出来上がったのだろうとわくわくしてきます。

インタビューを聞き、まだ写真でしか見たことのない段ボール茶室を、はやく自分の目で見て体験してみたいという思いがむくむくと膨らみました。新年早々、横浜ハウスクエアに足を運びたくなるのは、きっと私だけではないはず。ぜひ配信をご期待ください!

2011年1月2日から始まるダンボール茶室の展示についての詳細は、こちらをご覧ください。

「ダンボールで再現した如庵に入ってみよう」開催とセミナーのお知らせ

2010年最後を飾るコンテンツは、建築系ラジオ年末アンケート企画第3弾です。多くの方から回答をいただき、ついにこの企画も三回目となりました。今回は建築系ラジオを盛り上げてくれた建築女子のメンバーと、建築系ラジオのコアメンバー・パートナー・スタッフと、建築系ラジオを陰で支えている人たちをメインに、今年一年の建築系ラジオを振り返ります。(大木翔太)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b):上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その3)

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大西麻貴香野あゆみ上篠美里植松千明島矢愛子近藤洋輔彦坂尚嘉川勝真一榎本真希南後由和平山善雄倉方俊輔(順不同)
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大西麻貴(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 テン年代の建築を考える(全体討議・第7回)
前田紀貞さんの愛のある叱咤激励に、建築への気持ちを新たにしました。

第2位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
本や、書店に興味があるので、普段聞くことの出来ない話ばかりでとてもおもしろかったです。

第3位 信州大学 鍋田莉江さんと東京カテドラルでデート
カテドラルに入った瞬間、音と共に空間を感じられたのが素晴らしい。

第4位 南泰裕のアーキソフィア(シリーズ)
丁寧で、わかりやすくて、考えさせられます。南さんの声も好きです。

第5位 声に出して読みたい建築論(シリーズ)
大学での勉強会を思い出しました。参加する学生が、予習をしてからのぞむともっと面白くなると思います。


大西麻貴(おおにし・まき)
1983年愛知県生まれ。2006年京都大学工学部卒業。2008年東京大学大学院建築学専攻修了。同年より同大学院博士課程藤井明研究室所属。大西麻貴+百田有希共同主宰。作品=「夢の中の洞窟」(MOT×Bloomberg PUBLIC 'SPACE'  PROJECT 2009) http://oaharchi.exblog.jp/

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香野あゆみ(建築系ラジオスタッフ)


第1位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
私は直接この収録現場で皆さんのお話を聞くことができました。深いところまで話題は進み、盛り上がりました。皆さんの本に対しての愛情をとても感じることができたと思います。私は単純に何故本を読むのかと考えたときに、知識を増やすためだとか、非現実の世界に飛び込むためだとか、人それぞれ違うと思いますが、私は寝る前に本を読むことですぐに眠れるなどといったリラックス効果も生まれてくるのではないかと思います。そのためにはやっぱり私は電子書籍よりも紙で読みたいな等色々考えさせられました。本を読む時間をもっと大切にしていきたいと思います。

第2位 「失敗」をめぐって (全3回)
人は失敗を繰り返して成長していくもの。そうわかってはいるものの、やっぱり失敗して人に迷惑をかけてしまったら、本当に落ち込みます。これを聞くとそんな悩みをみんなで共有している気がしてきて、ちょっと安心しちゃったりします。

第3位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点
隣の大学ではどんなことをやっているのだろうと気になることがよくあります。自分の大学にはない面白そうな課題や授業のことを聞くと、ますます自分も頑張らなくてはと喝が入ります。大学の垣根を越えてお互いが感化される場を作り、また全国の離れた学生たちを繋げてくれる建築系ラジオはとても大きな存在だと思います。

第4位 韓国の建築と日本建築の相対化を考える

第5位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
日本を飛び出して建築を見に行くことはなかなかできません。また、留学したい!願望の強い方はついついこのコンテンツを聞いてしまうのではないでしょうか。なかなか触れる機会のない海外の大学で行われている教育方法のことを聞くと、世界は広い...と思わず言ってしまいそうになります。留学して活躍している方のお話を聞き、もっと世界を知りたい、もっと世界を体験してみたいと思いました。


香野あゆみ(こうの・あゆみ)
1989年福岡県生まれ。北九州市立大学建築デザイン学科所属。知らない人としゃべるのが好き。イタリアが好き。

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上篠美里(建築系ラジオスタッフ)


第1位 建築系ラジオカードコンペをめぐる討議(全3回)

第2位 書物の現在と未来[5/7]──幅允孝「空間を本で演出する意味とは?」(全体討議・全7回)

第3位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第4位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)

第5位 ノルウェー人留学生Jostein君へのインタビュー



上條美里(かみじょう・みさと)
1989年福岡生まれ。北九州市立大学国際環境工学部建築デザイン学科所属。夕方とフラミンゴが好きです。

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植松千明(建築女子・knot! メンバー)

いつも楽しく建築系ラジオを聞かせていただいています。また、何回か出演させていただき、本当にありがとうございます。建築系ラジオを通して、さまざまな人と出会え、とてもすてきな経験をたくさんさせていただきました。地方で学んでいる私にとって建築系ラジオは、情報源でもあり、モチベーションを保つためのツールです。身近に学生団体を主催している方や建築を学ぶ女の子が少ないので、学生団体や女の子たちのコメントは、とても励みになりました。これからも、さまざまな企画を楽しみにしています。建築以外の多くの方に聞いていただけたらなと思います。今回、気になっている何点かについてコメントをさせていただきました。

第1位 学生時代にやっておくべきこと(全体討議・全5回・r4
非常に参考になる収録でした。就職活動をするか、大学院の進学をするかという問題は一度考える問題です。この収録はとても心に響くものがありました。何度か聞いてしまったくらいです。なかなか、地方にいると進路の情報も少ない中、このような経験談を聞けるという場があることがものすごく助かりました。これからも、このような企画を楽しみにしています!

第2位  土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)

「土木と建築」
私事になってしまうのですが、私自身、土木と建築とが一緒の学科に所属をしています。ですが、土木のことはほとんどなにもわかりません。しかし、この夏に八潮ワークショップという、5大学で共同設計を行うWSに参加し、公園の基本設計を行いました。参加校のなかの土木学科の茨木大の寺内研究室がいます。設計を行っている際の扱うスケールや視点が建築学科の学生とは違っていて、とても新鮮でした。そのような経験があったので、土木系ラジオにとても興味を持ちました。また、寺内研究室の方から、土木系の学科では意匠論の研究に対して、まだまだ理解が少ないという話を聞いたことがあります。都市において、「ものを創る」といった点で同じものである両者が、改めて互いを理解する事でこのような企画で、少しでも建築、土木両者の穴埋めを期待したいという話も伺いました。両者の接点や差異、またはさまざまな可能性を知る機会ができたのを私自身嬉しく思いました。これからもコラボ企画を期待したいです。

第3位  自由と拘束、自律と他律をめぐって(信州大学設計製図講評会にて)

坂牛先生の収録1「自由と拘束、自律と他律をめぐって」
我がボスの収録を外すわけにはいきません!信州大学は、坂牛先生がいらっしゃってから、先生を筆頭に意匠設計の土壌をつくりあげてきました。意匠設計の勉強する土壌がほとんどないところから、代々の先輩たちが築き上げて来た環境の中で勉強をしています。なので、信州大学は、2年生からM2のみんながとても仲がいいです。その様子と坂牛先生が私たちの個性をのばしてくれる教育が信州大学講評会の収録から伺えると思います。私の自慢の学校の様子をぜひこれからはいる後輩たちをはじめ、意匠研が少ない学校の人たちなど、多くの人に聞いていただけたらと思います!これからも、多くの学校の様子を紹介していただきたいです!また、この収録をきっかけに信州大学の全体のモチベーションはとてもあがったと感じています。建築系ラジオのみなさんには、本当に感謝をしています。ありがとうございました。

第4位  スタッフ討議──大学間の差異と共通点

スタッフ特集「学校間の差異と共通点」
何気ないスタッフの会話が、新鮮でいいなと感じました。学生の活動の収録を聞くたびにとてもモチベーションがあがります。他大学との交流する機会が増え、気軽に他大学のことを知ることができるようになった今、自分の大学の良さやアイデンティティーを改めて考えるいい機会なのではないかと感じました。また、収録でも述べられている共通点がなにかの原動力になればいいなと思いました。

第5位  twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)


第6位  坂牛卓インタヴュー 建築の規則を超えてr4

坂牛先生の収録2「建築の規則を超えて」
坂牛先生の著書、『建築の規則』は、信州大学のデザイン論の教科書でもあり、私の一番好きな建築の本です。建築の規則を読んでからまたこの収録を聞くと、とても新鮮に感じると思います。ぜひ、信州大学の意匠設計を育て上げている先生の話を多くの方に聞いていただきたいです!本の出版を記念しての収録や本にまつわる回の配信は、いつも非常に楽しみにしています。やはり、著者の生の声が聞けるというのは、建築系ラジオの一つの魅力であると感じています。

第7位  建築家をあきらめろ!建築学科卒、だけど仕事は建築以外。(全体討議・全6回)


第8位  声のオープンハウス 1 隈研吾建築都市設計事務所《下関市川棚温泉交流センター》 r4

「想像する楽しさ」 声だけのオープンハウス
一般の方って、どこかで建築家の建てた家って奇抜でどこか住みづらいみたいなイメージを持っているのではないでしょうか。でも、現役の建築家がどのようなことを考えて家を建てているのか。建築系ラジオのよさは、生の声を聞きながら自分で想像できることではないでしょうか。想像してみて、実際に見てみる。そのときに、今まで想像もしなかった建築との新たな出会いがあるのではないかな、と思います。私自身がしたいというのもありますが、多くの方に、そんな出会いをしていただけたらいいなと思いました。

第9位 建築家になる方法(シリーズ・Lab


第10位 カリスマ建築ガールズ(シリーズ・Lab



植松千明(うえまつ・ちあき)
信州大学工学部社会開発工学科建築コース坂牛研究室4年。建築女子、knot!所属。趣味:美術館巡り、映画鑑賞。

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島矢愛子(建築女子メンバー)

まず、選んだ理由として、普段から建築以外にそれを取りまく分野/出来事との繫がりが気になっていてそのような観点から選びました。

第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
Twitter上で自らをメディア化し、自身の建築論「批判的工学主義」や「超線形プロセス論」用いた建築教育を展開していく藤村龍至氏。この収録を聞くまでは藤村さんがいかなる人であり、いかなる建築論を提示しているのかよく分からず、謎の建築家でした。でも、実際に公開収録へ行き、藤村さんの提唱する建築論を聞いて共感した覚えがあります。

第2位  twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
身近な「twitter」に関しての公開収録のラジオです。タイトルは一見堅そうですが、twitter著名人による始めるきっかけやtwitterを通してのつながりなど。ほとんど個人の経験から語られているのでへんな理屈っぽさなしに聞く事が出来ました。

第3位  土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)
美術系、都市系に続き出来た土木系ラジオ。土木も他の系と同様に、建築との関係を切っても切れないと思う中で、実際に土木の実情は全く聞いた事がなくすごく新鮮でした。西村さんが前向きに「土木」を変えようとしている熱い語り口が印象に残ります。

第4位  「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
南洋堂のN+ギャラリーで行われた日本の学生が海外に留学した成果を展示する展覧会。すごく行きたいのに行けなかった展示ですが、海外からスカイプによる作品説明が行われたりと、ラジオを聞くだけでも展示を見るだけでは分からない主催者側や出展者の意図を垣間見る事が出来ました。

第5位  Archi-TV2010総括──26時間を振り返って(全3回)
Archi-TV2010には私自身レビュアーとして参加させて頂きました。私はArchi-TVに元々抱いていた疑問があり、今年のArchi-TVを体験してもこの疑問は払拭されないままでした。この収録で運営側の学生と話してみてArchi-TVに対してどのような事を考えて企画を進めていったのかが明らかになりました。


島矢愛子(しまや・あいこ)
1987年生まれ。日本大学理工学部建築学科4年。Archi-TV2010 RealTimeReview!!!レビュアー。twitterアカウント @aiko0412

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近藤洋輔(建築系ラジオスタッフ)


第1位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
はじめて生で見た討論なので印象がとても強い。コアメンバーも多く参加し、討論もかなり白熱していて、それぞれの性格が表れているような気がする。また、その後も「松田達展」として発展していくことで高いレベルの建築論が語られている。

第2位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
出演者は、西村浩さん、山崎亮さん、コアメンバーの倉方俊輔さんの3人と比較的少ないのだが、話は次々と発展していく。内容はランドスケープの話題が中心で、地元の人がどう感じるか、何を求めているかなど建築の根源的な目的と、受け入れられた時の喜びを思い起こさせてくれる。

第3位 南研究室・建築デザインレビュー(シリーズ)
学生必見のコンテンツである。私もラジオを聞きながら雑誌を見ている。ついパラパラと見過ごしてしまう記事にもスポットライトが当てられていて新しい発見がある。a+u2月号のアフリカのMMA Architectの回が印象的だ。

第4位 ヴェネツィア・ビエンナーレ─おすすめの展示は?
収録したファイルを現地から送信し、直後に配信した。建築系ラジオのパワーと可能性を再発見する回であった。

第5位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
こんな話は他で聞くことができない。まさにもう一つの建築資料集成で、内容が濃くてレアなコンテンツであった。

私にとっての建築系ラジオ
─建築系ラジオスタッフ以前─
建築系ラジオを聞きはじめたのは2010年6月頃であった。以前から知ってはいたが聞いていなかった。それを聞き始めるようになったのは、建築について知りたいという欲求と、同世代の建築学生はどういう活動をしているのだろうという不安がきっかけである。そうして私はリスナーになった。私にとって建築系ラジオは小説のようなものであった。日々配信されるコンテンツを聞いていくうちに「登場人物」が増えていく。建築系ラジオではツアーが開催されており、そこでの収録も配信されている。私からしたら小説の中の「できごと」であり、物語は重層化されていき、聞いていてわくわくした。そうして建築系ラジオに魅了されて暇さえあれば聞くという状況が続いた。そんな中、衝撃を受けるできごとがおこる。建築系ラジオコアメンバー山田幸司氏の訃報である。配信を聞き進めるにつれて、話し振りなどからその人の性格を推察することができた。会ったり、話したことの無い音声の中の人物であったとしても、とてもさびしい思いをしたことを覚えている。また、不思議な感じがした。自分が聞いたのは配信後かなり時間がたっていたのに、リアルタイムで起こっている事のようにさえ感じられた。中心人物を亡くした後も建築系ラジオは続いていく。

─建築系ラジオスタッフになって─
新しくできた建築系ラジオポータルサイトでスタッフ募集の告知を見かける。私は2日間くらい迷った末メールを送った。これは自分にとってかなり大きな行動であったと振り返ることができる。その直後、松田達さんの展覧会があり、その後の飲み会にも参加した。そこで見る建築系ラジオメンバーの討論はかなり迫力があって感動した。その後、ミーティングや、建築ツアーなどに参加するようになり、私にとって建築系ラジオはライフワークになっている。


近藤洋輔(こんどう・ようすけ)
1990年愛知県生まれ。静岡文化芸術大学空間造形学科所属。趣味は食事、知らない街を散歩すること。

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彦坂尚嘉(建築系ラジオパートナー)


第1位 上村松園展(東京国立近代美術館)建築系美術ラジオ・第3回)
国立近代美術館の上村松園展を見て、藤原えりみさん、糸崎公朗さんらを交えての座談会で、非常にすぐれた美術批評になっていた座談会。評価の高い上村松園を、多角的に論じて、非常に新鮮な収録でした。

第2位  45B:建築系美術ラジオ「新春の集い」建築系美術ラジオ・全4回・Lab
2006年と2008年に開かれた彦坂さんと南さんによる「建築と美術のあいだ」展に併せて開かれたシンポジウム記録を、とりあえずは出版するつもりでゲラまで作成した白濱雅也さん。現在この原稿が(株)彩流社から出版されることになって、編集がはじまっています。その原稿をもちよって、まだ出版社が決まらない段階で開催されて編集会議です。出版の本質をめぐって、本質的な話が展開している良い座談会でした。

第3位 高橋堅さんの「BRASS CLINIC」を訪れる建築系美術ラジオ
『新建築』2010年3月号「リノヴェーション」特集に掲載された「BRASS CLINIC」を設計者の高橋堅さんにご案内いただいて、浦安の病院を見学した放送。真鍮と漆喰塗りの壁、12mm厚のガラス板とモルタルの床で構成された病院です。きれいな建築で、鑑賞構造をもった建築をろんじていて、良い収録になっています。

第4位 バーネット・ニューマン展(川村記念美術館)建築系美術ラジオ・第3回)
バーネットニューマンの美術展を見て直後に論じ合った番組で、批評番組としてすぐれていました。参加してくれた若い人たちの批評眼が新鮮で面白かったです。

第5位 35A:建築系ラジオ緊急謝罪会見「『こたつ問題』欠席裁判」 Lab
こたつ問題そのものが、よくも悪くも今日の建築界のイメージコンペの問題を切り出して、スリリングな展開になった重要な番組シリーズでした。批判もありましたが建築系ラジオの存在と威力をしました良い番組と言えると思います。この放送が伏線になって山田幸司さんの死につながったともいえる、第一期建築系ラジオの頂点だと思います。


彦坂尚嘉(ひこさか・なおよし)
946年東京生まれ。美術家、美術史批評家、ギャラリスト。1970年多摩美術大学絵画科油彩中退。文化庁在外研修員としてペンシルバニア大学大学院に留学。現在、立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。第1回リスボン建築トリエンナーレ出品。著書=『反覆/新興芸術の位相』(田畑書店、1974)、『彦坂尚嘉のエクリチュール』(三和書籍、2008年)、共著=『リノベーションの現場』(彰国社、2005年)、『空想・皇居美術館』(朝日新聞社出版、2010年出版予定)

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川勝真一(建築系ラジオパートナー)


第1位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第2位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」(全2回)

第3位 藤原徹平×西村浩「下関市川棚温泉交流センターのプロセスから」(全5回)

第4位 せんだいスクール・オブ・デザイン06──小野田泰明先生インタビュー「都市のコンベンション機能」



川勝真一(かわかつ・しんいち)
1983年生まれ。建築家、リサーチャー、RAD代表。京都工芸繊維大学大学院建築設計学専攻修了。2007年に建築的領域の可能性をリサーチするプロジェクトRAD(Research for Architectural Domain)設立。また2008年にプロジェクトスペースradlab.を設立。2009年より、レクチャープログラム「QueryCruise」、建築ギャラリー「rep」などを企画、運営。

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榎本真希(建築系ラジオスタッフ)


第1位 カリスマガールと建築デート(シリーズ)

第2位 南研究室・建築デザインレビュー(シリーズ)

第3位 建築系ラジオカードコンペをめぐる討議(全3回)




榎本真希(えのもと・まき)
1989年新潟県柏崎市生まれ。長岡造形大学建築・環境デザイン学科/建築コース所属。常に研究室にこもっています。構造について研究中。

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南後由和(建築系ラジオパートナー)


 * 編集部注記:南後由和さんから、下記は特に順位なしで、配信順に挙げてある旨の連絡頂きましたので、当初第1位から第5位の表記だったものを、箇条書き表示に変更してあります。どうぞご了承下さい。 

「状態としての建築──際の操作性」(『Review House Vol.2』所収)レビュー
『JA』70号(「風景の解像力──30代建築家のオムニバス」)および同誌の連動企画である展覧会(INAX:GINZA、2008年6月28日〜7月5日)についての拙稿レビューを取り上げていただいたので。この場をお借りして、簡単にリプライさせていただきます。『JA』誌上における8名の建築家の選定意図など、メディアの編集の恣意性を看過すべきでないという点、また東京芸大出身の4名のみに焦点を当ててゼロ年代の建築家の傾向を代理表象させてしまっている点への五十嵐太郎さんらからの指摘と批判はごもっともで、それらの前提条件の操作について言及すべきでした。裏話的な言い訳をさせてもらうと、『Review House』はインディペンデントな雑誌で、「編集部と書き手のやり取りに時間をかけ」るところが特色のひとつです(『Review House』HPより)。初稿では8名全員の建築家についてレビューを書いていたのですが、見開き2ページという分量ということで、1名の建築家につき一言紹介する程度の広く浅い内容になっていました。そこで、対象とする建築家や切り口を絞ってほしいという依頼を編集部から受けました。そのため、芸大出身の若手建築家の台頭が近年の特徴のひとつだという点に着目し、乱暴であることは承知のうえで、4名に絞ったという経緯があります。また、以前はあまり書いたり議論したことがない建築家の仕事について言及してみたいという思いもありました。『JA』の編集意図や恣意性について触れるべきだと思いつつも、自分のレビューに同様の問題があることを自覚していたので難しかったというわけです。及ばなかった点は他にもあると思いますが、いずれにせよ、建築専門誌ではない媒体での拙稿に注目していただき、ありがとうございました。レビューがさらにレビューされ、とても勉強になりました。

ウィリアム・ケントリッジ展
東京国立近代美術館の展覧会を見てとてもよかったので、建築系ラジオの方々がどう思われたかの感想が気になりました。ご近所の井戸端会議に遠隔から聞き耳を立てているような感じがして面白いです。

植田実氏も語る。建築メディアは本当に信用できるのか?われわれは何を拠り所に建築を考えるべきなのか?
建築ジャーナリズムを牽引されてきた編集のプロである植田さんが建築系ラジオという新たなメディアにどのような感想を持たれるのかに注目しました。学生など若手の書き手にも開かれた『都市住宅』の編集をされていた植田さんと、多くの学生スタッフが関わっている建築系ラジオには共鳴するところがあるのではないかと感じました。

藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全7回)
シンポジウムなどではなかなか見ることができない舌戦が見物、いや聴き物。藤村龍至さんとは批判的工学主義についてともに議論してきたので、同席できなかったのが悔やまれます。

U-30 Under30 Architects exhibition 出展者インタビューr4・シリーズ)[1][2][3]
残念ながら展覧会に行くことができなかったので、様子を垣間見たいなと。30歳以下の関西を中心とする若手建築家の「生の声」を速報する、これも全国各地で展開する建築系ラジオならではの魅力だと思います。


南後由和(なんご・よしかず)
1979年大阪府生まれ。社会学、都市・建築論。東京大学大学院学際情報学府博士課程を経て、同大学院情報学環助教。桑沢デザイン研究所、駒澤大学、法政大学、早稲田大学非常勤講師。共著書=『都市空間の地理学』(ミネルヴァ書房、2006年)『路上のエスノグラフィ』(せりか書房、2007年)Atelier Bow-Wow: Behaviorology(Rizzoli、2010)など。論文=「コンスタントのニューバビロン×建築界(1)(2)」「有名性と『界』の形成──建築家の事例分析に向けて」など。

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平山善雄(建築系ラジオスタッフ)


第1位 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab

第2位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第3位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」(全2回)

第4位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編

第5位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデートシリーズ


温度の伝染するラジオ
ふらっと参加した建築系フォーラム2010(広島国際大学Scale主催)にて、松田達さん、北川啓介さんとはじめてお会いし、そのまま朝までご一緒させていただきスタッフになることになったのが約一年前。その場で収録も行われ、オープンで熱気を帯びたラジオの雰囲気にすっかり感化されたのでした。毎日配信されるコンテンツは、抽象的な議論から、具体性を伴った実務的な話題、さらには癒し系コンテンツまで多岐に渡り、欲張りな建築胃袋を満たし、一筋縄ではいかない日々の設計活動へのガソリンを注いでくれます。ランキングでは、1.笑いたいとき、2・3.まじめに建築について考えたいとき、4.建築的未知の領域に踏み込みたいとき、5.建築を案内する男の振る舞いについて学びたいとき(笑)という印象に残った4つのラジオ欲によって選出してみました。


平山善雄(ひらやま・よしお)
1983年広島生まれ。2008年九州大学大学院竹下研究室卒。東京でのアトリエ事務所勤務を経て、現在福岡の設計事務所勤務。趣味、ウェブ上を徘徊して最新MP3を漁り、懐の許す限り本を買い、お酒を飲みたい。

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倉方俊輔(建築系ラジオコアメンバー)

遠巻きに聴いていた建築系ラジオに、ぐっと参加させていただいた2010年でした。同時に4月から、福岡県北九州市の小倉にある西日本工業大学に赴任しました。そんなこともあって東京とか、東京以外のこととか、メディアの可能性とか、あれこれ考えた1年でしたね。コアメンバーとして加わるにあたって、自分なりに「建築系ラジオ」って何だろうと考えました。そして、それは「今まで現れていなかった声を顕在化させる」ことではないかと。その前に、前提としては、建築系ラジオって、「共通認識」や「使命」と遠いところにあるのが面白いところだと思うんですよ。「共通認識」を強要するピラミッド型の組織でもないし、「使命」を持って何かを遂行するマニフェスト型でもない。だからこそ、それぞれが自由に、好きなことで動いて、強度のあるコンテンツも生まれる。全体として、社会に貢献していなくもない。そうした現象を可能にしている最少の共通認識と、結果としての最大の使命が「今まで現れていなかった声を顕在化させる」ことではないかと自分は捉えています。もちろん「今まで現れていなかった」というのは、目指すべき可能性の極であって、「現れにくかった」と言った方が適当かもしれませんが、実はそうしたことはけっこう多いはずです。例えば・・・耳通りの良い建前ではない《本音》、堅苦しい語りではないけど時に真実を突く《冗談》、なんだかんだ言ってメディアが集中している東京ではない《東京以外》、見られる容体ではなく(でありながら)行動する主体としての《女子》、名前を知っている大学の卒業であれば全体から見たら少数派の「エリート」です!ということで《エリート以外》・・・実はマジョリティなのに小さくさせられている声って、周りにたくさんあると思うんですよね。インターネット等の発達で、誰でも発信できるようにはなった。でも、相変わらず、そうした区分のほとんどは続いているように見えます。社会ってそういうものだし、だから良い所もあるんですけど・・ただ言えるのは、新たなメディア装置が生まれたからと言って、そうした状況がオートマティックに変革するわけではないということでしょう。その点、建築系ラジオには志がある。いや、違うな。志なんか無いや(笑)。コアメンバーからして、みんな適当だし、そもそもの始まりからして、酒飲み話を放送したら楽しいんじゃないかと五十嵐さんと山田さんが意気投合したということだし、建築系ラジオの理念とは何だなんて話は、した試しがない。でも、上に述べたような性格というのは共通しているように見受けられるのです。そして、コアメンバーもスタッフも、それぞれが思いを抱いて、勝手に貢献する熱意を持っている。だから、私も新たな声を、このメディアを使って、できるだけ流せたらと。自分とは異なる視点や情報に接すること、息抜きになること、自分が一人ではないと思えること、それは各人が次の建築を生み出す基盤にもなると信じるからです。

第1位 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab
とにかく面白い。スター建築家事務所の光と影をさらっと笑いで包み込む。この1年間、ここに山田さんがいてくれたらと思うことは、一度や二度ではありませんでした。ほんとは世間に満ちあふれているのに現れない声を引き出せる、山田幸司という人間が希有な才能の持ち主だったことを改めて思わされます。

第2位 カリスマガールと建築デート(シリーズ)
解放すべき声は、まず自分の中にあるのでは?ということで、山田さんの「カリスマガール」の言葉を引き継いで企ててたのが「建築デート」のコーナー。しかし、やってみたら、心理的にたいへん。次に何を言われるか分からない、ということがこれほど緊張するものとは。0.数秒の間やイントネーションのほうが、雄弁に語ったりしますから。でも、そういう活字外の情報(しかも気をとられる視覚情報が無いので余計に)が、建築系ラジオの面白さだったりしますよね。全体討議の会で特に思います。あと、収録の時には気づかなかった周囲の音から、場の雰囲気が感じ取れて一興です。この出たとこ勝負に付き合ってくれている女子に感謝!女の子の方が勇気あると思う。見習わなくては。
 
第3位 DESIGINING2010展公式トークイベント「TRANSMISSION/トランスミッション」(全4回)
井手健一郎さんらが毎年福岡で開催しているデザインイベント「DESIGING」のトークイベントに参加したので、当日に思い立って収録させてもらいました。井手健一郎さん、末光弘和さん、平瀬有人さん、藤村龍至さん、藤原徹平さん、加藤孝司さんというメンバーが福岡・大名に集結。福岡県に赴任して早々の4月末だったので、思い出深いです。観衆の皆さんの雰囲気がとても良くて、こういう場が東京以外で持てること、それに皆が触れられるのが現在だなあと。「せんだいスクール・オブ・デザイン」のシリーズも勉強になるレクチャーで、今後さらに期待されます。

第4位 建築系ラジオ忘年会withスタッフ──2010年の建築系ラジオを振り返る(全2回)
各地のスタッフの協力無しに、今年の建築系ラジオはありえませんでした。さまざまな大学から集まっていること、東京以外が目立つ(というか他のメディアが東京に偏りすぎている)こと、女子の活躍が特徴で、これも時代を映しているのでしょう。建築系ラジオのスタッフの躍進は2010年の大きな出来事です。2011年にはますます大きな役割を果たすに違いない。楽しみ。

第5位 土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)
シリーズ「建築」を超えろ!で山崎亮さん、藤原徹平さんと対話された西村浩さんらが、新たに「土木系ラジオ」をスタートさせました。発足を記念した建築系ラジオとのディスカッション。今まで現れていなかった声を顕在化させる。そんな静かな変革は土木の分野にも拡がっているようです。


倉方俊輔(くらかた・しゅんすけ)
1971年生まれ。建築史家。西日本工業大学デザイン学部建築学科准教授。著書=『吉阪隆正とル・コルビュジエ』(王国社)、共著=『東京建築ガイドマップ―明治大正昭和』(エクスナレッジ)、『吉阪隆正の迷宮』(TOTO出版)、『伊東忠太を知っていますか』(王国社)など
http://kntkyk.blog24.fc2.com/
http://twitter.com/kurakata

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<回答者一覧>(その3)

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大西麻貴香野あゆみ上篠美里植松千明島矢愛子近藤洋輔彦坂尚嘉川勝真一榎本真希後由和平山善雄倉方俊輔(順不同)
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アンケートの第三回目の回答公開、いかがでしたでしょうか。「このコンテンツはこういった見方もあるのか」、「このコンテンツはよく聞いていなかった。もう一度聞いてみよう」などなど、新しい発見があるのが、このアンケートの面白さだと思います。皆さんもお気に入りのコンテンツを探してみてください。では、次回もお楽しみに。そして、よいお年を。来年も建築系ラジオをよろしくお願いします。


収録日時:2010年12月19日
収録場所:渋谷某居酒屋
収録時間:9分59秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:4.7MB
PLAY 出演者:片田江由佳+花房由衣+百田圭廣+加藤麻由子+南泰裕+松田達

建築系ラジオ忘年会と称し建築系ラジオの2011年について討議いたしました。後半となる今回は、建築系ラジオ第3期となる2011年の展開についてスタッフと建築系ラジオの関係をテーマにお話しいただきました。40人を超えるスタッフを中心に、「伊東豊雄から高校生まで」様々な方々が関わるプラットフォームとしての建築系ラジオはどのようなメディアとして成長することができるのでしょうか。スタッフながら2011年も建築系ラジオの活動から目が離せない予感すらいたしました。(尾崎龍一)

・出演者プロフィール
片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

花房由衣(はなふさ・ゆい)
1987年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部所属。趣味、妄想、ぶらりひとり旅。建築ライターを目指してます。

百田圭廣(ももだ・よしひろ)
1987年山口県光市生まれ。広島国際大学社会環境科建築創造学科卒業後、広島国際大学工学研究科 建築・環境科専攻 建築・都市空間論研究室在籍。広島建築系学生団体scaleのメンバー。趣味は、お菓子作り。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、 LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。
出演者:武智仁志

山田さんが、あがり症だとは!!
ラジオから受ける印象では、まさかそんなことがあろうとは思いもよりませんでした。

それにしても、村上さんの鮮やかな分析、相変わらずの切れ味ですね。
医者か弁護士か建築家かで進路に悩んだというエピソードが思い出されます。瞬時に分析できる能力は建築活動にも多いに役立っていることでしょう。しかも、緊張されないと言います。しかも、声が良い。

実は、僕もあがり症です・・・。
文章では、ペチャクチャとよくしゃべりますが、人前だと、足がガクガク、目はうつろ、息苦しくなって、心臓がバクバクします。しかも、声が震えてきます(笑)。下唇がブルブル。そして、顔がタコのように真っ赤になります。どうしようもないくらいの、あがり症です。これは、遺伝でもあります。山田さんは、声が震えないので、まだ重症ではないですね。

村上さんの分析を聞いて、僕も当てはまることに気が付きました。必要以上に気にするんですよね。周りはどんな風にみているのだろうと気にしてます。気にしすぎて被害妄想気味です。山田さんとのあがり症の根源の違いを見てみると、僕は、山田さんのように、突然のハプニングに耐えることができません。

高校生の時にエレキギターをチューニングしていて、引っ張りすぎて弦が切れて、左手中指の第一関節の丁度、隙間のところに切れた弦が刺さったことがあります(笑)。丁度、関節のど真ん中だったせいか、痛みがあまり感じられなかったので、「見てみて、刺さった!」と自慢げに周りのメンバーに見せました(笑)。弦を引っ張ったら、なかなか硬くて抜けにくかったので焦りましたが、山田さんのように痛い目にあったにも関わらず、黙って処置することはできませんでした。さすが、男、山田幸司。男は黙って耐えるべきなんですね(笑)!

痛い目にあった時の対応方法は違うのですが、同じあがり症です・・・。僕も、「お選択」が必要です。そうですよね、他人の目を気にしても仕方がないですね。普段、マスコミの情報に囲まれて、それに頼って生活しているということも理由の一つでしょうか。あっ、いや、人のせいにしても・・・。遺伝だし(笑)。

あー、でも、良く効くおまじないってないのでしょうか。僕もいつか卒業すると思うのですけど、卒業プレゼンは尋常じゃない程に緊張するんでしょうね・・・。あー、他人の目が気になります。お〜、想像するだけで緊張してきました。ブルブル(笑)。その時は、山田さん、見守っていてください。いや、お会いしたこともないのに見守っていただこうというのはガツガツしてますね・・・。あがり症の山田さんにみられていると考えると余計にあがりそうですね・・・。
だれか〜、良く効くおまじないを、ぜひっ!

・関連項目
48C: 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」
収録日時:2010年12月19日
収録場所:渋谷某居酒屋
収録時間:26分58秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:12.6MB
PLAY 出演者:片田江由佳+花房由衣+百田圭廣+加藤麻由子+南泰裕+松田達

建築系ラジオ忘年会と称し建築系ラジオの2011年について討議いたしました。前半となる今回はポータルサイトが開始した今年の建築系ラジオの活動について振り返るところから始まります。今年よりスタッフを募集し、今では全国各地40人を超えるスタッフが建築系ラジオに関わっています。移りゆくメディア環境の中、2011年の建築系ラジオはメディアとしてどのような活動ができるのでしょうか。「建築系ラジオアンケート」を合わせてご覧いただくことで2010年の活動がより知っていただけると思います。(尾崎龍一)

・出演者プロフィール
片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

花房由衣(はなふさ・ゆい)
1987年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部所属。趣味、妄想、ぶらりひとり旅。建築ライターを目指してます。

百田圭廣(ももだ・よしひろ)
1987年山口県光市生まれ。広島国際大学社会環境科建築創造学科卒業後、広島国際大学工学研究科 建築・環境科専攻 建築・都市空間論研究室在籍。広島建築系学生団体scaleのメンバー。趣味は、お菓子作り。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、 LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

建築系ラジオスタッフ募集のお知らせ
建築系ラジオでは、新しくスタッフを募集しています。現在、日本全国の建築学生を始め、設計事務所の若い所員や、建築以外を専門としている学生も建築系ラジオのスタッフに参加しています。所属、学年、居住地などは問いません。もし興味をお持ちの方がいたら、ぜひお気軽に下記のメールアドレスにご質問など頂ければ幸いです。

建築系ラジオ事務局info@architectural-radio.net

*

FAQ:よくある質問について、下記にお答えします。

Q1. スタッフはどういう活動をしていますか?その仕事は大変ですか?
A1. スタッフの活動ですが、現在40人強のスタッフで、収録された音声ファイルの編集、記事執筆、校正、公開、広報、企画、デザイン、ウェブ構築、アーカイブ制作、イベント運営まで、様々な作業を分担して行っています。誰もが大学や仕事と兼ねて作業を行っており、それぞれのモチベーションと忙しさにあわせて、またやってみたいこととその得意分野に出来る限り応じて、作業を分担することとしています。皆さんの希望を聞いて、担当なども持ってもらうことになります。もちろん、毎日配信を続けるのは簡単なことではなく、内部で行き交っている情報量に驚くかもしれません。しかし、スタッフに加わって頂くことで、それらを含め、建築に関連する、様々な密度の高い経験と学習を、ともにしていけるのではないかと思っています。また様々なイベントのお知らせなども連絡がいきますよ。

Q2. スタッフになると何かいいことがありますか?
A2. 将来的に設計をやりたい人、構造を目指している人、編集や広報、そしてキュレーターに興味を持つ人、ここには様々な人たちが集まっています。建築系ラジオのスタッフとしての様々な経験が、それぞれの目指す方向にとって、大きなプラスとなってほしいと思っています。 そして、ここは出会いの場でもあると思っています。日本全国の大学や専門学校、高専、そして設計事務所の若いスタッフなど、多くの人が集まっています。ツアーなど様々な企画もあります。強制ではなく、参加出来るチャンスに参加して、そこでそれぞれの世界を広げていってもらえれば、よいのではと思っています。また、積極的にスタッフが出演する番組も発信していく予定です。恥ずかしいと思わずに、自分でもしゃべりましょう!

Q3. 地方からの参加も可能ですか?
A3. 地方都市在住のスタッフはむしろ多いです。そしてコアメンバーやパートナーも、五十嵐さんは仙台に、倉方さんは小倉に、北川さんは名古屋に、山崎さんは大阪に、RADは京都にと地方都市を拠点としています。ネットを介したコミュニケーションによって、これだけのことができるのだということを実感してもらえればと思います。これも一種の実験です。そして、活動を続けていくうちに、次第にイベントやツアーなどで日本全国の仲間と出会っていくことができます。面白くないですか? スタッフのプロフィールリストを御覧ください。様々な地域から参加してもらっていることがわかると思います。

Q4. スタッフを続けられなくなったときはどうしたらよいですか?
A4. それぞれの人が、それぞれの事情を持っていると思います。もちろん、続けられる時までで構いません。僕たちは緩いネットワークを状況に応じて少しずつ変化させつつ、コミュニケーションをとっています。いつやめても、またいつ再び加わっても、問題はありません。ここでの経験が、その人にとって少しでもプラスになれば、それは建築系ラジオにとっても、嬉しいことです。

Q5. 建築のことをあまり知らないですけど、参加できますか?
A5. 僕たちは、一つのメディアを多くの人との関わりのなかで動かしていくということをやっています。そこには、想像以上に様々な出来事が発生します。むしろ、建築以外の様々な知識を持っている人の経験も必要としています。ともに活動していくなかで、建築について少しずつ知っていただければと思いますし、また得意分野などがあれば、ぜひその知識を僕たちに分けてもらえればと思っています。

関連項目
下記の番組にて、スタッフが建築系ラジオについて直接しゃべっています。興味を持たれましたら、ぜひお聴きください。

収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:27分05秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:13MB
PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催で行われた公開収録イベント「建築家をあきらめろ!」の第6回です。今回は、パネリストの西村佳哲さん、林厚見さん、田中陽明さんの3名がこれまで話をされたことをふまえて、学生が今後自分がどういう方向に向かって進んでいくかを答えていきます。そして、建築と他の職業との関係や建築を学ぶ定義を語っていきます。(百田圭廣)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨
収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:16分33秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:7.9MB
PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催で行われた公開収録イベント「建築家をあきらめろ!」の第5回です。今携わっている仕事に建築がどのように活きているか、いかに関係しているかという質問に、パネリストの西村佳哲さん、林厚見さん、田中陽明さんの3名が答えます。また、建築を学んだことの強み、弱みについても、それぞれの経験に基づいた興味深い答えが出されます。(花房佑衣)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨
収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:15分37秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:7.5MB PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催で行われた公開収録イベント「建築家をあきらめろ!」の第4回です。イベントの第2部の初めに、会場で質問を募りました。そこでゲスト学生の加藤麻由子さんから「建築家の定義とは?」という問いが挙がりました。その質問に、パネリストの西村佳哲さん、林厚見さん、田中陽明さんの3名が、なぜそう思うようになったかというエピソードも含め、それぞれ答えていきます。(花房佑衣)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨

前回様々な方々にご協力をいただき実現した、様々な方々にこの一年で印象に残った建築系ラジオのイベントやコンテンツを選んでいただく、アンケート企画の第2回です。前回は、多くの方に共通して選ばれるものから、個人から強い思い入れを受けているものまで、いろいろなコンテンツやイベントが挙げられました。今回もポータルサイト、Lab、r4と、さまざまな発信元から、多様なコンテンツが挙げられています。さて、今回は建築系ラジオに対する、回答者の方々のどのような感想や想いに触れることができるのでしょうか。(関口達也)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b):上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その2)

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南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
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南泰裕(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第2位 豊田高専SD研究部インタビュー──高専ってどんなところ?
第3位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
第4位 金壽根《空間社屋》を訪れる──金壽根の活動と韓国初の建築雑誌『空間』をめぐって
第5位 伊東豊雄インタビュー「現代建築の向かう先」
第6位 テン年代の建築を考える(全体討議・第7回)

コメント
自身が担当しているコーナー(アーキソフィア、南研究室・建築デザインレビュー)を除き、建築系ラジオならではの収録を選んだ。
建築系ラジオは、生放送ではないものの、大幅な編集を行わない準ライブ的な収録をベースとしている。だから、公開収録はいつもどこかしら、予期せぬハプニング性を帯びている。それが参加する人たちにとっての醍醐味となり、リスナーにもわくわくした感じを与え、生きた建築活動の現在をダイレクトに伝えている。1の北川さんのラブホテルデート編や、6の前田紀貞さんとの「テン年代の建築を考える」は、そうしたハプニング性がもっとも良く表現されているものの一つ。特に、北川さんのラブホテルデート編は、まるで推理小説を読み進めていくかのような、スリリングな臨場感があり、聴いている者をドキドキさせ続ける。この収録は、北川さんの詳細なリサーチにより、渋谷・円山町の生成過程自体が詳しく解説されており、優れたアーバン・エスノグラフィにもなっている。これらの収録自体が、チャンス・オペレーション的な偶発性による、ひとつのアート作品のようにすら、感じ取られる。
2は、こうしたラジオ活動がなければ、まず接点がなかったであろう、工業高等専門学校のみなさんとの対話が、新鮮。
3は、書物への応援番組をやってみようとの趣旨から企画されたもので、ブックディレクターの幅さんや、ジュンク堂書店員の阪根さんの出演が、ユニークな点を提供して下さった。今後のメディアの行方を占う、興味深い収録となった。
4は、通常では入ることができない貴重な建築作品の内部を、実際に体験・解説していただいたもの。海外編の建築紹介としても、貴重な記録。
5は、トップ・アーキテクトの伊東豊雄さんの、生の声。懇親会の流れで、快くラジオ収録を引き受けて下さった伊東さんに感謝。現在もなお、建築への熱い情熱を持ち続けている伊東さんの志が、聴く人の体に沁み渡ってくる。


南泰裕(みなみ・やすひろ)
1967年生まれ。建築家。アトリエ・アンプレックス主宰、国士舘大学理工学部准教授。作品=《PARK HOUSE》《南洋堂ルーフラウンジ》《spin-off》など。著書=『住居はいかに可能か』『ブリコラージュの伝言』『トラヴァース』など
http://bricoleurs.exblog.jp/
http://park16.wakwak.com/~prospector/

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平塚桂(ぽむ企画)


第1位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
第2位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・第6回)
第3位 瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって
第4位 ソウルの都市と建築をめぐって(建築系ラジオ韓国ツアー第1日目を終えて)
第5位 ヴェネツィア・ビエンナーレ──おすすめの展示は?

「西村浩×山崎亮 「自走力のデザインメソッド」」は、西村浩さん、山崎亮さん、倉方俊輔さんというおそろしく頭の回転がはやく話しのテンポがよく似た三者がグルーヴする強烈なコンテンツだった。建築系ラジオは、魅力的な場所をつかって公開収録を行うのも特徴。「建築系twitterオフ会」を収録したヨコハマアパートメントは集合と離散、開放と閉鎖のバランスが抜群によい場所で、コンビニのおやつを食べながら大学のサークル会議のような雰囲気でズルッと話をして、観客もズルッとまわりの階段や椅子に座って、場の力を借りてのおしゃべりを楽しませてもらった。
個人的には、「瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって」のような、即時性が高く臨場感が感じられるツアーもののコンテンツが好きだ。タイムラグはわずか3日ほど。"感動"から"戸惑い"までテキストでは伝わりにくい生声が伝わってくる。登場するのはコアメンバーから学生さんまで。「建築系ラジオ韓国ツアー」の場合、なんと旅行代理店の方もコメントを寄せていた。この誰もが参加できるスタイルは、通常の収録の場合は冗長さを招く可能性もあるのだが、旅の場合はキャンプファイヤーを囲んでがやがやと話しているような様子がイメージできて面白い。私が参加した「ヴェネツィア・ビエンナーレ ― おすすめの展示は?」の場合、収録会場はビエンナーレ会場にあるカフェだった。五十嵐太郎さんと謝宗哲さんにたまたま会場でお会いして、ランチをご一緒しているときにゲリラ的に収録されたものだった。まだ金獅子賞もわからない時点での、直感的なおすすめを話しているのだから思えばけっこう貴重だ。


平塚桂(ひらつか・かつら)
1998年京都大学工学部建築学科卒業、2001年同大学院工学研究科環境地球工学専攻修了。建築ライター/ぽむ企画
twitterアカウント @pomukatsura

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宮内美紀(建築系ラジオスタッフ)


以下5つは「地方」MAT fukuokaを終えて語られるエピソード東京のイメージ──ぼくたちの東京論)、「学生同士の想いの共有」東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー ──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編「学生団体へのインタビュー」建築新人戦2010スタッフインタビュー東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」 )という観点から選びました。地方の多くの建築学生が、建築系ラジオを通して他大学の建築学生の考えや想いに触れているという側面からもこの二つの観点は学生にとって建築系ラジオを象徴するものではないかと考えました。

第1位 MAT fukuokaを終えて語られるエピソード
私が住んでいる福岡で行われたイベントに関する回です。建築の文化を、社会や市民の方々に広く発信しているイベントです。私自身、MAT fukuokaの学生スタッフとして参加したのですが、親子連れの方々や建築関係者ではない方など、様々な分野から多くの方が参加されていて感動的な体験でした。そしてこのイベントで実際にあった、心が熱くなるようなエピソードが語られた回となっており心に残っています。

第2位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
この回で一番印象的だったのは、東京の距離感を、地図や実際の都市のかたちではなく鉄道の乗り換えや路線図・所要時間で認識しているという話題です。確かに、地下鉄が張り巡らされた都市で人々は、場所から場所へ空間をワープ移動するような感じ方をしています。また、「どこからが東京でどこまでが東京であるか」ということもはっきり示せず、イメージでしかとらえられないという議論も興味深いものでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
タイトルは、過激ではありますが...予告編を聴いてこのイベントは現在の私の学年(学部3年)にぴったりだと思いました。進路を考え始めた学部生にとって、建築家になりたい人もそうでない人も、このイベントを通して新しい可能性を発見できるのではないかと思います。

第4位 学生団体へのインタビュー
建築新人戦2010スタッフインタビュー
東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー
建築系ラジオでは、様々な建築学生団体へのインタビューの回が数多くあります。建築系ラジオを通して活発な学生団体の様子やその特徴などを知ることができ、刺激になりました。さらに、建築系ラジオでは全国各地数多くの学生団体へのインタビューが配信されているので、様々な団体を比較して個性をつかむことが可能であり、それぞれの団体への理解が深まると感じています。

第5位 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」Lab
まず私自身が建築を学んでいる学生であるので、とても興味のあるテーマでした。「女子」ならでは、「建築」ならではの悩みについて、ガールズトークが炸裂します。設計などの課題に向き合う生活は女子にとっては、お肌の悩みなど特に大変なことのような気がします。しかしその一方で、他大学の人たちはどんな工夫をして徹夜での作業を乗り切っているのか等々、興味津々でした。多くの方々が同じ思いを抱いているということに触れ自分自身のやる気に繋がったような気がします。


宮内美紀(みやうち・みき)
1989年生まれ。九州大学芸術工学部環境設計学科所属。趣味は旅行とカメラ、水玉模様を集めること。

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白濱雅也(深川ラボディレクター)


第1位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
     松田達展(全3回)
      (都市建築へ、松田達展)
第2位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
       (批判的工学主義を問う)
第3位 キッチュとアートをめぐって(全2回)
第4位 バーネット・ニューマン展(川村記念美術館)(全3回)
第5位 上村松園展(東京国立近代美術館)(全3回)
       (上村松園)

1、2は松田達さんの展示をした縁もあり、ギャラリーで放送していたため何度も聴くことができ、刺激的であった。松田達さんや藤村龍至さんのそれぞれのビジョン、スタンス、成果などの差異が美術家にも当てはまる部分が多く非常に面白い。
美術と建築は隣り合う領域でありながらいろいろな面で異なり、また昨今はお互いの領域に侵犯する傾向も見られ、両者の共通項と差異を見ることは、自分自身の立ち位置を見直すという意味では有効であると思う。社会性と個人性とのバランスが異なる点が、建築と美術の大きな違いのひとつであると思う。一般社会の人が思う芸術家は、個人性だけにこだわって作品を作っているように思われているだろうが、実はそれだけではただの落ちこぼれや引きこもりに過ぎないのであって、美術家には美術家の社会性というものはあるし、そういう両面持った人が優れた作家と言えるだろう。これは建築家でも同じだとは思うが建築家の場合は社会性が優れていれば、少なくとも職業人としては認められるだろう。
松田達さんは非常に美術家に近い個人性を強く持ちつつ、その視線の先にはロマンティックとも言える社会的な夢を描いていて、一方の藤村さんは事業家的な視線で夢などは考えもせず冷徹に現実を捉え、その改変をうかがっている。その両者の際立ちをリアルな弁舌で聴く快感はなかなかのものであった。
その個人性をあらわにするリアルタイム感や局所感は、社会性を帯びざるを得ない一般的なラジオではなかなか見られないことで、ポッドキャストラジオならではの良さだろうと思う。


白濱雅也(しらはま・まさや)
1961年生まれ。1988年多摩美術大学美術学部デザイン科卒業。1990年頃より制作を始め、ネオポップやイラスト系具象絵画の先駆けとなる。その後既存の童話のイメージをリミックスしネガティブに変節する絵画や立体作品を制作。主な個展にギャラリーNWハウス、ギャラリー那由他、アートフォーラム谷中、マキイマサルファインアーツ、ギャラリー二葉奥の院、Caelum Gallery他。現在実験的スペース「深川ラボ」運営。

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藤澤卓也(大同大学 元山田幸司研究室)


わたしは山田幸司研究室に所属していたということで、今回、2010年の配信コンテンツの中から選ぶのではなく、あえて山田さんの出演しているラジオの中からBest5を選ぶという形をとらせて頂きました。ご了承下さい。

第1位 12A: カリスマ建築ガールズ 第3回「広島女学院大学 折口麻美さん」シリーズLab
第2位 48C: 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab
第3位 37C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第2部-外国放浪編)Lab
第4位 19C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第1部)Lab
第5位 28C: みちのくシリーズ「山田幸司への10の質問」シリーズLab

5~4位は山田さんの建築人生や生き方、そして悩みなどを、自身の言葉で聞く事の出来る貴重な収録です。そして1位は学生に厳しい一言。建築に対しての熱い思いも聞け、学生と会話する山田さんが生き生きしていました。また、普段から「パラパラポコポコ系はいけない」や「ハイテクをやってみろ」などと言っていた山田さんの事を思い出しました。なによりも山田さんの人柄がよく出ていると思い選ばせて頂きました。


藤澤卓也(ふじさわ・たくや)
1987年岐阜県生まれ。2009/4~2010/3大同大学工学部建築専攻山田研究室。2010/4~大同大学大学大学院工学研究科宇野享研究室所属。

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花房佑衣(建築系ラジオスタッフ)


第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
私が初めて足を運んだ建築系ラジオの公開収録であり、かつ、初めて聴いた建築系ラジオのコンテンツがこの「藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)」でした。そういった意味で、個人的にとても思い出深いコンテンツです。ずばっと物云う永山祐子さん、素敵です。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
とても興味深いコンテンツでした。歴史や空間やその他ラブホテルのあれこれについて、知らないことだらけでとても面白かったです。聴いて学んだことをそのまま友人に話したくなるような、そしてさらに自分でもいろいろ調べたくなるような、そんな魅力的なコンテンツでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編(全5回)
東京仕事百貨は以前から興味があり、よくホームページをのぞいていました。代表の中村健太さんのお話、大変面白かったです。「○○になりたい」と固執せずに、学んだことを活かして専門分野とは別の分野で働くこと、その可能性について考えさせられる内容で、視野が広がったように思います。

第4位 Archi-TV2010 総括──26時間を振り返って(全3回)
こちらも、私自身がArchi-TV2010にスタッフとして携わったことから、思い入れのあるコンテンツです。(収録には参加していないのですが。)同じ年代の建築学生の皆さんが、どんなことを考えているのかを知ることができて、すごく刺激になるコンテンツでした。

第5位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデートシリーズ
倉方さんの建築デートシリーズが好きです。建築を専門的に学んだことのない私でも、頭に「?」が浮かぶような難しい話がなく、純粋に楽しめるコンテンツでした。特に座・高円寺でデート編は、私自身が高円寺に住んでいるということもあり、お気に入りです。ゆるゆるふわふわした雰囲気が心地良いです。


花房佑衣(はなふさ・ゆい)
1987年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部所属。趣味、妄想、ぶらりひとり旅。建築ライターを目指してます。



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守行良晃(建築結社YSSK主宰)


第1位 YSSK TIME SPECIAL「トップ会談」
意外に、というかやはりこれが1位です。2010年1発目にして、建築系ラジオ様とYSSK TIME初の本格コラボ。番組内容はYSSK TIME側に主導権を与えていただきました。コアメンバーのパーソナリティを掘り起こす試みは興味深く、一定程度成果をあげられたという自負があります。3位に選んでいる番組と内容自体は全く同じですが、オープニング曲が違います。

第2位 44C: 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」(前半)Lab・全2回)
本当の1位です。理屈抜きに面白い。幸運にも収録現場に居合わせて、頬が痛くなるほど笑わせていただきました。伝説とか奇跡とか化学反応とか言葉にすると陳腐ですが、確かに伝説だし奇跡だし化学反応が起こっています。

第3位 43A: 建築系ラジオ新春企画「YSSK TIMEとの合同収録」Lab
第1位のコメントをご参照ください。

第4位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問Lab
大西麻貴さんといえば建築結社YSSKとは同世代で、卒業設計日本一決定戦以来頭ひとつ抜け出ている印象があります。コアメンバーとしての露出はまだ比較的少ないようですが、大西さんのご活躍を期待しています。

第5位 51A: 建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]Lab
twitterとUstreamと、新しいメディアをクロスオーバーしながら展開した一連の事件(?)の発端となった番組ですね。新たなスターの誕生を予感させました。が、その後の展開は尻すぼみで番組後半もお蔵入りということで、本来ならば第5位ですがランク外の次点とさせていただきます。

2011年も建築結社YSSKは建築系ラジオを応援しています。


守行良晃(もりゆき・よしあき)
1982年生まれ。京都の建築デブ。建築結社YSSK主宰。公認ぽむ企画チルドレン。建築設計事務所勤務。2007年建築結社YSSK結成。建築系ポッドキャスト「YSSK TIME」配信を中心に活動中。http://yssk.seesaa.net/

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大木翔太(建築系ラジオスタッフ)


第1位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
建築家、諦めました。

第2位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
ただ文字を規則正しく並べただけの魔法の道具。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
見たことのない景色がいっぱいある。

第4位 「失敗」をめぐって
(全3回)
    インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと(全3回)
死ぬまでにあと何回失敗できるか

第5位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
こうして建築系ラジオと関われているのもtwitterのお陰だったりするのです。


大木翔太(おおき・しょうた)
1987年群馬県生まれ。高校中退。その後入学した専門学校で建築の魅力を知り、2010年足利工業大学建築学科3年次編入。本と猫が好き。でも一番好きなのは自分。

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伊東一馬(建築系ラジオスタッフ)


第1位 書物の現在と未来 (全体討議・全7回)
第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第3位 失敗をめぐって(全3回)
第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点

第1位 書物の現在と未来
電子書籍が普及していく中で「本」の魅力を再考するいい機会になりました。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
一般のラブホテルというビルディングタイプの特徴に加え、円山町におけるラブホテルを多面的に、非常に分かりやすく解説しているコンテンツでした。

第3位 失敗をめぐって
自分自身、失敗をよくするので、聴いていて興味深かったです。人の失敗談を聞くことは、成功した話を聞くことより何倍も楽しくて惹かれます。

第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
東京がさまざまなイメージを持たれているということを知ることができました。この類のコンテンツでは結論をださないことは重要だと思います。この回はどこからが東京かということを話していましたが、違う内容で話しても面白いだろうし、「東京出身者からみた地方」などの違うタイプで内容があっても面白いと思います。潜在性の高いコンテンツだと思いました。

第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点
自分の感じていることがコンテンツになったという感じで非常に共感できました。


伊東一馬(いとう・かずま)
1989年愛知県生まれ愛知県在住。中部大学工学部建築学科3年。私物の中でパソコンの次に高額な物は眼鏡。趣味:サッカー/フットサル

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長門亮(建築系ラジオスタッフ)


第1位 瀬戸内国際芸術祭2010── 豊島美術館をめぐって (全2回)
私も瀬戸内国際芸術祭に行き、この豊島美術館を見てきたこともあり、この配信を楽しみにしていました。五十嵐さん、彦坂さん、北川さんなどの解説を聞き、自分で感じた事と聞き合わせながら、さらに読み取れなかったことなどを解説や感想から聞く事が出来たので、大変勉強になりました。さらこの収録では、豊島美術館にとどまらず、安藤さんとの比較、妹島さんとの差異などの解説も聞く事が出来ました。個人的に瀬戸内国際芸術祭の収録は全体的に好きな配信だったのですが、豊島美術館に収まらず、このツアーの要素がつまった収録になっていた気がしたので、選ばせて頂きました。

第2位 テン年代の建築を考える(全7回)
これは、前田紀貞さんのBar「TENZO」で収録されたものです。前田さんや、前田紀貞建築塾の学生の言葉がひしひしと伝わって来るのを感じました。音声だけでも、その場の雰囲気が伝わってきて、配信されている時期に大学の学生の間で、話題になっていました。

第3位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成──円山町ラブホテルデート編
建築系ラジオの新しい収録方法だなと思い、選ばせて頂きました。建築系ラジオ版「ブラタモリ」のような、実際に歩きながら、フィールドワークをしながら収録を行うという新しい形の収録がとても印象的でした。音声のみの情報しかないのに、わかりやすい説明で、聞いていてもすごくその場の情景が伝わってきました。内容も、北川先生がわかりやすく解説してくださるので、聞きやすいコンテンツでした。

第4位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
この収録は、たくさんの人が集まった収録でした。収録後の懇親会でもたくさんの人が集まり、学生を交えながらの収録が行われ、本当に飲みながら収録しているということをこの時に確認して、配信できるかできないかのギリギリの話(時にはNGになることも)が繰り広げられていました。でもそれが建築系ラジオの醍醐味でもあるし、私自身もこういった時にこそ、1人1人の本音や深い話ができるのだなと実感しました。

第5位 南研究室・建築デザインレビュー (シリーズ)
これは、私が所属する南研究室の活動の一つとして、建築雑誌の中から毎月1作品から3作品ずつ取り上げて、南先生と研究室の学生がレビューをするというコーナーで、建築系ラジオの連載のなかでも唯一、毎週配信するというコーナーです。そしてリスナーの方から、「いつも雑誌片手にこのコンテンツを聞いて勉強しています。」という話を聞いた時、ものすごくやりがいを感じたのを覚えています。南研の学生は勿論、他大学の知らない学生も一緒に勉強できるコーナーになっているんだなと実感しました。これは、コンテンツ単位ではなく、連載単位で印象に残っている配信です。


長門亮(ながと・りょう)
1989年生まれ。国士舘大学南泰裕研究室所属。趣味、ガラクタ集め。

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長江健太(TETSUSON2011代表)


まず、最初に私は全てのアーカイブを聞いている訳ではない事をお伝えします。見出しの面白さや興味のみで選んで視聴しているので、少し偏った意見になっているかもしれませんので、ご了承ください。

第1位 TETSUSON2011実行委員会インタビュー
選考理由は、自分たちにインタビューして頂いたからです。印象に残っていたという意味で圧倒的に一番だったのでベスト1に選ばせて いただきました。

第2位 交通から都市と建築を考える(第5回カルチベートトーク)(全4回)
「交通から都市を考える 」という視点に興味をもちました。なんとなく興味をもって聞いたのですが、移動という概念を「なるほど」と納得しながらメモをとりつつ、講義を聞いている気分でした。ありがとうございます。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
実際に展示会を観に行って、海外と日本の建築学科 の違いをうっすらと感じていたのですが、インタビューの内容を聞いてみて、両者の違いにある背景がわかりました。

第4位 インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと (全2回)
自分がインターンシップやオープンデスクを経験した事がないので、実際に参加した学生の話を聞ける機会が得られた事 が貴重でした。

第5位 作品から語るアートとデザインの違い
自分の持っているもやもやとした考えが少し明快になったかと思います。アートとデザインの違い、アーティストと職人の違いなどありがちな視点ですが、面白い話でした。




長江健太(ながえ・けんた)
1989年愛知県生まれ。千葉大学工学部建築学科在籍。TETSUSON2011代表。

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北川啓介(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab)(*1)
第2位 伊東豊雄「消費の海に浸らずして新しい建築はない」(1989)を読む(*2)
第3位 Interview with an Architecture student from Norway(*3)
第4位 五十嵐淳CAAKレクチャー(全3回)(*4)
第5位 テン年代の建築を考えるシリーズ(全体討議・全7回)(*5)
第6位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問(*6)
第7位 2010年3月号デザインレビュー(住宅特集)(*7)
第8位 東京理科大学建築教育論(全3回)(*8)
第9位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデート(シリーズ)(*9)
     奈良女子大学 伊井裕子さんと大阪デート(シリーズ)(*9)
第10位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(全5回)(*10)

「2010年の建築系ラジオをふりかえって」
建築系ラジオ第三期コアメンバー 北川啓介

建築、もしくは、建築することを伝達するには、建築物自体を通して理念や思想を伝える方法以外にも、様々なものがあります。現場での図面、撮影された写真、別途制作された模型、書籍や雑誌での文章、建築家によるスケッチ、コンピュータを活用したCG、別の空間での展覧会、来場者が集まる講演会やシンポジウム、まちづくりなどの打合せ、ネット上のブログ、他者との日常的な会話、小説や映画といった表現など、パッと思いつくだけでも、法学や経済学や商学や理学や医学といった他の分野と比べても多様な手段を施している。しかも、建築分野の人のみならず一般の人の生活の中にも大きな役割として浸透しています。
例えば、今年話題になった水木しげるさんや手塚治虫さんのマンガでも、マンガ喫茶で手にする少女マンガでも、シーンやストーリーを伝達する上での建築の寄与は計り知れないほど大きなものです。私がニューヨークで建築設計に従事していた約10年前は、欧米の建築学生の7、8人に1人がディズニーやハリウッドに代表される映画業界に進み、映画内で設定した建築や都市の様式の表現に今も従事しています。映画や小説の表現においても、建築に関わる、ローマやルネッサンスやバロックやロココなどの時代ごとの建築様式もそうですし、人々の実生活の空間を捉える眼や知見がなければ、SF映画でもファンタジー映画でも一般の人を魅了する表現にはなりえることはないのです。

いわば、建築を学んだ人や建築に関わる人と接していていつも感じるのですが、建築家や建築士や職人さんといった「職種」というよりも、建築的に思考する・構築する「職能」そのものが、建築分野の人がパッと想像する以上に、一般社会へ関係していっているのです。
建築系ラジオは、建築、もしくは、建築することを、「語り」としてそのまま伝達し続けています。年配の方から若手の方までの多様な建築の専門家へのインタビューから、蔵書として手にすることも手間がかかってしまう名著の朗読、建築学生の熱い想い、街を仲良く歩く中の会話、違う考えの専門家同士によるディスカッション、建築の境域に関わる人からのメッセージなど、この一年で、そのコーナーやコンテンツは、まとめることができないほど多様になりました。
前述のように、あまりに建築、もしくは、建築することが、一般社会や日常生活に大きく関係していますので、建築の全体像を捉えようと、ついつい、既にあった建築への切り口に頼ってしまうのは仕方のないことではあります。しかし、ひとりひとりのリスナーが、オリジナリティ、アイデンティティをもって建築に接する際、ひとりひとりが互いに感性を触発しつつ、積極的に行動し実践していくことがとても大切なことです。
建築系ラジオの2010年に関わらせていただいた中で、まずは、建築系ラジオ総体としての考えや動きよりも、建築系ラジオに関係してくださった数多くのとても多様な方々による、あたかもスペインのサッカーのような、ひとりひとりの想いを活かして活動ができたことに、未来に向かう大きな一年であったという認識と共に、全ての方々に繰り返し感謝します。
そうした中で、今回は、ベスト、というよりも、私が聞いている中で、新しい境地に踏み出していると実感したいくつかをご紹介します。

まず、2010年3月24日、こうした境地を切り開かれてきた建築系ラジオ初代コアメンバーの山田幸司さんが登場する最後に残ったコンテンツ(*1)が配信されました。建築に関わる設計活動や教育活動においても、巨匠建築家とも若手建築家とも初学生とも誰とでも隔てなく語り合うことで建築を探求していく、いわゆる山田式対話主義はこの建築系ラジオにおいて全国的に知りわたりました。慕って名古屋まで足を運ぶ人も多かったのですが、その探求の新しい方法論をこれ以降、目の当たりにできないことを念頭に拝聴することで、悲しいとか淋しいとかいう感情よりも、建築系ラジオの始動に際しての山田幸司さんのかけがえのない開拓活動に、再度、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。お亡くなりになられてからしばらく、山田幸司さんの収録済みの音声が流れる度に、まだ日本のどこかで元気にお話しされている気にもなりました。そして、最後に残ったこのコンテンツを聴き終えるとき、建築系ラジオから、建築、もしくは、建築することに向かう多大な意義を具体的に感じ、それが2010年の建築系ラジオの活動の上で最も体が沸き立った瞬間でもあり、まさにそのとき感じたことが、このテキストの冒頭に述べたことです。
今から21年前の伊東豊雄さんの文章を、その頃に生まれた若き建築学生が朗読し、当時学生であったコアメンバーも交じって振り返ります。そのスタイル(*2)は、今の伊東豊雄さんの建築の意義を拡げて認識できるという点よりも、収録に登場した当事者のみならずそれを聴いたリスナーも自身の体験してきた時代と照らし合わせて想いを巡らせられ、建築系ラジオならではの醍醐味と感じ、若い気持ちを保つ上で、必聴です。
女子学生スタッフの松岡舞さんによるノルウェーからの男子留学生へのインタビュー(*3)は、国籍と性別は異なるけど、建築に関わる内容で意思が伝わった際の松岡舞さんの、それまで英語で会話していたのに、その意思が伝わった瞬間の、英語とも日本語とも違う擬声語にも似た、若い建築学生のきたる未来いっぱいの初々しさをも含んだ、頷いてるというよりも寄り添っているのかとも想像させる、「ふぅぅんっ♡」の数秒は、自分自身の学部生時代を思い出しつつ、若い建築学生のこれから何が起きる分からない無限の可能性を実感でき、思い出すだけで今でも体に電流が走ります。
五十嵐淳さんが自作を語り質疑に答えるレクチャー(*4)は、丁寧に言葉を選びながら語りつつも、難解な建築の専門用語というよりも、私たちをはじめ、一般の人々も日常生活で使用している言葉を組み立てて、あたかも、新しい文法を構築していくかのような語りに、五十嵐淳さんの建築物を仕立てていくその方法論と極めて関係が強いと感じました。漢字を礎にしつつその原理原則を読み解きつつ、必要に応じて平仮名や片仮名を織り交ぜて独自な日本語が誕生していった過程に似ていて、語りのみであるからこそ、五十嵐淳さんの建築設計論のオリジナリティが際立っていて、興味深く感じました。
テン年代の建築を考えるシリーズ(*5)は、正月明けに配信があった、大西麻貴さんへの10の質問(*6)と対比して聴くと興味深いです。10の質問の方では、ひとりの若い女性の姿がそのまま表現されています。合コンに例えると、まだ自己紹介を終えたばかりの男性陣と女性がお互いに少々の照れを見せながら話し合っている素朴な探り合いが続く序盤戦という感じで聴けて、時折、プスっと笑えて面白いのですが、テン年代の方では、あたかも合コンでちょっと前に争った恋敵に会ったかのようで、建築系ラジオを流しているパソコンも必死に脂汗を堪えているかのような討議でした。複数の違ったコンテンツが対比を為したからこそ大西麻貴さんのこだわりが強調されて認識できたという点で、非常に興味深かったです。
椎名英三さんによる聖居のデザインレビュー(*7)は、レビューしていること自体を椎名英三さんご自身には事前にお伝えしていなかったにも関わらず、配信後、椎名英三さんご本人からの御礼のメールがきっかけでその後もご本人との予想もしなかった交流が続いているという点で、建築系ラジオからの1本の配信が、その後、予想もしない様々な相乗効果を引き起こす好例として記しておきます。情報を伝達することのみに終始しない化学反応を起こすかのような建築系ラジオだからこそ、と実感しました。
東京理科大学建築教育論のシリーズ(*8)では、学生の皆さんが、自分を取り巻く環境と同時に自分自身をもしっかり批評し、後半、自分自身がどう関わっていくかを含めてしっかりと理想の教育論を展開していた点を高く評価したいことと併せて、一方で、MCを担当した松田達さんが、しっかりとその影武者、いや、間違えました、聞き手、もしくは、裏方として、彼らの語りを丁寧に引き出していたことが印象に残っています。学生の皆さんも松田達さんもイキイキ、ノビノビとしていて、一見、ネガティブな感じで終始しそうな内容にも関わらず、意外にも、最後まで心地よく聴くことができました。これまでの経験を生かして、松田達さん自身が大きなハードルをひとつ超えていると感じました。
カリスマガールと建築デート(*9)では、倉方俊輔さんが女性にアプローチする内容になると、倉方俊輔さんの声に#がかかり半音上がることの発見と、更に、だいたい時を同じくして、女性の声が少し大きくなり、ボイスレコーダーを掴む倉方俊輔さんの手が少しずつ女性に近づいていっていることを想像させ、音声ファイルの波形データとでもいうのでしょうか、そうした単純な音声信号から、建築におけるひとつの大切な概念である距離の遠近までもが伝わってきて、建築や空間って、本当にいろいろな分野と関係しているのだと体感しました。
藤村龍至さんをお招きして開催した公開収録(*10)は、私が企画を担当した最初の公開イベントでした。特に後半の討議の時間にて、藤村龍至さんご自身から、約10年前からの建築に向かう学部生時代から大学院生の時代や留学していた時代といった黎明期から、建築家や教育者として精力的に活動されている萌芽期とでもいうのでしょうか、現在に至るまでの、その年月での建築への思考の変遷を、数多くの成功と失敗を含む試行錯誤の上で築いてきたということを、語り言葉として率直に掘り下げてお話しいただけたことは、今でも必聴と言われ続けているコンテンツになり得ていることが示しているとともに、また、シークレットゲストとして登場してくださった上、ピンクのナースコスプレを着こなしてくださった永山祐子さんへも改めて感謝します。

2011年の建築系ラジオが、これからも実験的な試行錯誤と繰り返しつつ、化学反応を引き起こしつつ、新しい境地を切り開いていくことができればと願うとともに、いつも建築系ラジオを聴いてくださっている数多くの皆さん、そして、いつも建築系ラジオを支えてくださっている数多くのスタッフの皆さんにも、繰り返し感謝します。

以上。


北川啓介(きたがわ・けいすけ)
1974年3月26日名古屋市内の和菓子屋生まれ。建築家、研究者。専門は、建築設計計画、建築意匠、現代建築、都市計画、情報空間論、サブカル論、ナゴヤ論。1996年国立名古屋工業大学工学部卒業。1999年ライザー+ウメモト事務所など。2001年同大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。同大学大学院助手、講師、助教授を経て、現在、国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科准教授、名工大ラジオ局長。論文=『映画の中の都市と建築』、『和菓子と建築』など。報文=『マンガ喫茶白書 社会問題に先行するひとり一畳の聖域』(日本建築学会建築雑誌、2008年4月号)、『もうひとつの建築設計資料集成』(日本建築学会建築雑誌、2009年12月号)など。著書=『ハイパーサーフェスのデザインと技術』(彰国社、2005年)など。受賞=日本建築学会東海賞、名古屋市都市景観賞など。



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<回答者一覧>(その2)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

さてさて、アンケートの第二回目の回答公開、皆様の回答からもそれぞれの建築系ラジオへの聞き方があるのだな、と再認識しています。自分に興味を持っていただいた回は是非聞いてみてください!まずはそこから!では、次回もぜひお楽しみに。


収録日時:2008年8月5日
収録場所:東北大学
収録時間:14分50秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:7.1MB
PLAY 出演者:五十嵐太郎+星裕之+松田達

建築系ラジオも2008年8月8日の発足以降、2年以上が経ちました。初期の配信は、このポータルサイトからではなく、当時仮のものとしてスタートしたサイトから配信だったため、すでにその存在を知らない人も多いと思います。そこで、今回からそれらの内容、つまり現・建築系ラジオLab(以前は「建築系ラジオ2部」とも呼んでいました)の内容を、ポータルサイトにて再配信していくことにしたいと思います。建築系ラジオのスタート以降の波乱万丈の流れと進化の歴史を、再び追って頂くことができるかと思います。初期の建築系ラジオを知らない方も知っている方も、ぜひお聴き下さい。記念すべき第1回目の配信は、このコンテンツでした。(松田達)

*

01A: 『磯崎新の「都庁」』について
コーナー名:五十嵐太郎の建築ブックガイド
オリジナル配信日:2008年8月8日
オリジナルテキスト:

平松剛『磯崎新の「都庁」』について、五十嵐太郎さんに書評を語ってもらう。本の読みどころや位置づけなどを解説。コメンテーターとして五十嵐太郎研究室の星裕之さんと松田。
収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:17分34秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:8.0MB
PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催にて、2010年12月19日、代官山にて「建築家をあきらめろ!」という公開収録イベントが行われました。第3回目の配信では、林厚見さん、田中陽明さんらが、なぜ建築以外の道に進むことになったのか、いよいよ気になる議論の本題に入っていきます。建築から離れることで、本来自分がやりたかったことに次第に近づいていっているのではないか?という確信に迫る話が浮かび上がり、最後にはヴィトゲンシュタインにならって「一度、建築家になってみろ」というメッセージまで出てきます。「あきらめろ!」というメッセージは、いったいどのような展開を見せていくのでしょうか?(編集部)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨
収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:19分20秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:9.1MB
PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催にて、2010年12月19日、代官山にて「建築家をあきらめろ!」という公開収録イベントが行われました。建築学科を卒業しても全員が建築家になれるわけではない。むしろそれは極少数であるというのが事実だけれども、誰もが最初は建築家を目指しているという現実もある。その状況に対して、大胆にも「建築家をあきらめろ!」というメッセージを発することで、建築学科の新しい可能性を考えてみようというイベント。
第2回目の配信では、一度建築に携わった後に、建築家とは違う道に向かうことになるゲストの皆さんに「なぜ建築を学ぼうと思ったのか」という質問を投げかけます。建築を学ぶことがどのように現在の仕事につながっているのか、その原点とも言える学生時代を振り返ります。(吉田民瞳)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)

1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨
twitterハッシュタグ #akiramero
収録日時:2010年12月19日
収録場所:代官山セドナ催事場
収録時間:17分31秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:8.4MB
PLAY 出演者:西村佳哲+林厚見+田中陽明+中村健太+加藤麻由子+山崎健太郎+片田江由佳+石戸谷直紀+南泰裕+松田達

東京仕事百貨と建築系ラジオの共催にて、2010年12月19日、代官山にて「建築家をあきらめろ!」という公開収録イベントが行われました。建築学科を卒業しても全員が建築家になれるわけではない。むしろそれは極少数であるというのが事実だけれども、誰もが最初は建築家を目指しているという現実もある。その状況に対して、大胆にも「建築家をあきらめろ!」というメッセージを発することで、建築学科の新しい可能性を考えてみようというイベント。初回の配信では、建築家とは異なる職業で活躍する3人のゲストの皆さん、そして現在進路に悩む4人の学生の皆さんからから、それぞれの自己紹介がなされます。果たして学生の皆さんは、ゲストの三人のお話をどう受け取っていくのでしょうか?(編集部)

・出演者プロフィール
西村佳哲(にしむら・よしあき)
プランニング・ディレクター。 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(バジリコ)、『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(弘文堂)など。多摩美術大学、京都工芸繊維大学 非常勤講師。

林厚見(はやし・あつみ)
SPEAC inc.パートナー / 東京R不動産共同主宰 1971年生まれ。東京大学建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。McKinsey & Company にて経営戦略コンサルティング、(株)スペースデザインにて不動産開発事業に財務担当取締役として従事。2004年にSPEAC inc.を吉里裕也と共同設立。ファイナンスからデザインまでを統合し、不動産の開発・再生を中心に空間に関わる事業企画・プロデュースを行う。

田中陽明(たなか・はるあき)
co-Lab 企画運営代表 春蒔プロジェクト株式会社 代表 クリエイティブ・ファシリテーター&ディレクター、ソフトアーバニスト 1970年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、株式会社大林組設計本部に勤務。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科でメディアアートを専攻。同院にて建築、音楽、メディア表現を専門とするメンバーによりメディアアートユニットflowを結成する。2003年、クリエイター専用の集合型シェアードスタジオ&クリエイションシンクタンク『co-lab』を森ビルと共同でプロデュース、その後自社で事業化し、企画運営代表を務める。クリエイターと社会起業家や企業等とのコラボレーションをコンセプトに拠点を増設/ネットワーク化し、クリエイター主導によるアーバニズムを画策している。

中村健太(なかむら・けんた)
東京仕事百貨代表 株式会社シゴトヒト代表取締役 1979年生まれ。明治大学建築学科卒業後、株式会社ザイマックスを経て、2008年より東京仕事百貨を企画、運営。

加藤麻由子(かとう・まゆこ)
1985年、東京都生まれ。医師を志し、名古屋大学医学部医学科に入学。学業、病院勤務を通し、人のQOLを上げるためには「ものづくり」という手段を取りたいと考えるに至り、同大中退。輸入商社勤務を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部建築学科在籍。 展示会での企業ブースデザイン、ECショップディレクション、商業写真、PRなどを手掛けながら、様々なプロジェクト(CET、3331、EBIBEN、LLOVE、東京ウェッサイ等)に参加。建築家になるのか?については模索中。

山崎健太郎(やまざき・けんたろう)
首都大学東京大学院 饗庭研究室所属 修士1年。父親が建築家。建築家の役割に疑問を感じ、現在はまちづくりに関する研究室で学ぶ。

片田江由佳(かたたえ・ゆか)
1986年福岡生まれ。福岡大学卒。東京理科大学大学院 伊藤香織研究室所属。福岡の都市戦略を研究中。地方都市と市民と建築に斬りこむ研究職を目指しています。

石戸谷直紀(いしどや・なおき)
1977年東京都生まれ。高校中退後、夜の世界へ。ホストクラブ、キャバクラ等を経営。引退した後、長距離トラックの運転手をしながら高卒認定を受験。子供の頃から憧れていた建築家を志す。中央工学校夜間建築科1年。

・関連項目
東京仕事百貨
収録日時:2010年12月8日
収録場所:国士舘大学製図室
収録時間:23分53秒
PLAY 出演者:南泰裕+田畠あゆみ+長門亮

レビュー作品:《プレチニック・ハウス》 ヨジェ・プレチニック
今月のa+uは、ヨジェ・プレチニックの特集号です。プレチニックがつくりだす質の高い空間を1つ1つを切り抜く形で紹介されており、そこで行われる生活や行為が目に見えてくる、図面ではわからない魅力が表現されたものとなっています。そんな数多くの作品の中から、今回はプレチニックの自邸となる住宅を取り上げました。これは1920年代というモダン建築の初期の時代に生まれた住宅であり、決して有名な建築家ではありません。しかし、流行とは対比的な建築が今も根強く残っています。プレチニックの事を勉強する良い機会になりました。(長門亮)

・出演者プロフィール
田畠あゆみ(たばたけ・あゆみ)
1988年生まれ。国士舘大学理工学部理工学科建築学専攻
趣味...ばいく、ちびっ子ライダー

長門亮(ながと・りょう)
1989年生まれ。国士舘大学理工学部理工学科建築学専攻
趣味...ガラクタ集め

・関連項目
新建築社

建築系ラジオでは、2010年もいろいろなイベントなどを企画し、コンテンツを配信してきました。「建築」という一つの軸を持ちながらも、それぞれの記事が個性を持っていて、一言では到底まとめきれないほどです。今回は、スタッフやコアメンバーをはじめとした建築系ラジオの関係者、そして過去に建築系ラジオに出演された方々や、リスナーのみなさんにまで協力をいただき、「2010年の建築系ラジオで印象に残るコンテンツ・イベント」を選んでもらうアンケートを行いました。リスナーとしての彼・彼女らの選ぶ2010年の建築系ラジオとは・・・?

2010年を振り返りながら、建築系ラジオのこの先を考えていく機会となるであろうこの年末企画、数回にわたって様々な回答を公開していきます。以前からリスナーのあなた!今日初めて建築系ラジオを知ったあなた!・・・一緒に今年の建築系ラジオを振り返ってみませんか?(関口達也)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b): 上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
松田達天内大樹松岡舞佐藤仁哉江藤靖子阪根正行星洸祐椚座基道関口達也

正木哲入江徹武智仁志五十嵐太郎(順不同)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



松田達(建築系ラジオコアメンバー)


以下、第10位から順に挙げていきます。僕の場合は、特に聴いてほしいコンテンツベスト10として挙げています。

第10位 あなたも建築系ラジオのスタッフに興味ありますか?
はじめてスタッフにMCをお任せした回。建築系ラジオを支えてくれているスタッフの皆さんの様子がよく分る収録で、この収録の配信をきっかけに、多くの方々がさらにスタッフとして加わってもらえました。いまや建築系ラジオスタッフは、48人に届きそうな勢いです。もちろんスタッフはずっと募集していますので、聴いてみて興味を持った人がいたら、ぜひご連絡下さい。関連ファイルとして、「建築系ラジオ女子スタッフインタビュー」という配信回もあります。

第9位 羽藤英二先生の考えるモビリティとは?
都市系ラジオというコーナーを時々展開しており、その中でも特に示唆に飛んだ回です。都市をテーマとした、深夜の本気のトークです。直前の議論は、「交通から都市と建築を考える(第5回)カルチベートトーク 」という公開討議であり、そちらとぜひあわせてお聴きください。

第8位 Interview with an architecture student from Norway
スタッフの松岡舞さんが、ノルウェー人留学生にインタビューしたファイル。英語でのインタビューであり、またヨーロッパの目から日本の建築界がどのように見えるのかが掘り下げられた、秀逸なコンテンツ。

第7位 植田実氏も語る。建築メディアは本当に信用できるのか?われわれは何を拠り所に建築を考えるべきなのか?
植田実氏にお話していただいた歴史的な回。現在の建築メディアそのもののあり方について問いつつ、メディアへの信用というものの根拠を問い詰めていく。ラディカルな内容だと思います。

第6位 若手建築家による建築論(r4・シリーズ)[1][2][3][4]
飲み会で盛り上がった建築論を収録。建築関係者の飲み会ではよくある光景であるにもかかわらず、なかなか表に出ることのないようなトークを公開。ガチの建築論です。

第5位 twitterの現在をめぐって(全体討議)
建築系ラジオポータルサイト開始直前、横浜アパートメントでの討議。場所も良かった。和やかな雰囲気の中、討議が次第に白熱して加速。もっとも建築系ラジオらしい全体討議となりました。参加者、発言者もかつてないくらい多数。

第4位 建築系ラジオへの質問(全2回)
建築系ラジオのことを知るために、聴いてほしいコンテンツ。僕がスタッフらからの質問に答える形ですが、いかにして建築系ラジオが生まれ、何を目的に動いているのか、その特徴は何かなど、かなり多様な側面から話しています。こういう質疑応答を収録しようというアイディアをくれたスタッフに感謝です。

第3位 書物の現在と未来(全体討議)
書物をめぐる討議。電子書籍元年とも言われるこの2010年に、書物についての討議をできたのは良かった。幅允孝さん、阪根正行さん、中沢雅子さんら、それぞれ立場の異なる人たちの意見が面白いように絡みながら展開。全体として、とても意義深い討議になっていると思います。

第2位 建築家のSとM、草食系と肉食系をめぐって
あまり聴かれていないかも知れませんが、この収録回は面白いと思います。建築家はSかMかという話に始まり、これは合コントーク?というような形で話が展開。しかし、そこには草食系と肉食系、オトメンと男の娘(おとこのこ)、第一印象と第二印象など、現在の社会における人間関係を考えるための様々なキーワードが現れてきます。

第1位 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab
語り継がれるだろう伝説の収録回。それぞれの地域の建築界で飲むともっとも面白いと言われる、梅林克さんと山田幸司さんの二人が、ついに出会って生まれたトーク。ネ申トークといっても過言ではないでしょう。

建築系ラジオ音声コンテンツ2010ベスト10
1. 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab
2. 建築家のSとM、草食系と肉食系をめぐって
3. 書物の現在と未来
4. 建築系ラジオへの質問
5. twitterの現在をめぐって
6. 若手建築家による建築論 [1][2][3][4](r4
7. 植田実氏も語る。建築メディアは本当に信用できるのか?われわれは何を拠り所に建築を考えるべきなのか?
8. Interview with an architecture student from Norway
9. 羽藤英二先生の考えるモビリティとは?
10. あなたも建築系ラジオのスタッフに興味ありますか?

さらに、建築系ラジオ関連イベント2010ベスト5もあげておきます。特に2010年は、建築系ラジオポータルサイトが誕生したこと自体が、大きな出来事でした。

建築系ラジオ関連イベント2010ベスト5
1. 建築系ラジオポータルサイトオープン(4/27)
2. 建築系ラジオスタッフ合宿(10/10-11)
3. 建築女子展「私たちのアトリエ...女子だけ?!」(3/23-27)[1][2][3][4]
4. 建築系ラジオ瀬戸内国際芸術祭ツアー(10/22-24)
5. 豊田高専SD研究部主催講演会「建築学生にできること」(10/30)


松田達(まつだ・たつ)
1975年生まれ。建築家。松田達建築設計事務所主宰。京都造形芸術大学・桑沢デザイン研究所非常勤講師。隈研吾建築都市設計事務所を経て文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリにて研修後、パリ第12大学パリ・ユルバニスム研究所にてDEA取得。作品=《第一回リスボン建築トリエンナーレ帰国展会場構成》《フラックスタウン・熱海》ほか。受賞=第10回タキロン国際デザインコンペティション3等ほか。共著=『20世紀建築研究』(INAX出版)、『建築・都市ブックガイド21世紀』(彰国社)ほか。 http://www.tatsumatsuda.com/

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天内大樹(建築系ラジオパートナー)


第1位 信州大学 鍋田莉江さんと東京カテドラルでデート
第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成! 円山町ラブホテルデート編

《建築で/建築を口説く》
キャッチーな建築系ラジオの性格が最も現れたコンテンツだったろう。通常のメディアには載らないような会話の中で、建築に関連する歴史や経済が語られる両コンテンツである。建築に関連する思考を日常のものとする人々が、普段都市という書物をいかに読み込んでいるのか、その習慣を伝える。現状では、どちらも知識と年齢が高い男性が若い女性に話し続けるという形になっているが、いずれ男女逆パターン、あるいは建築系女子からの逆口説きヴァージョンなどもあり得るだろうか。

第3位  豊田高専SD研究部インタビュー──高専ってどんなところ?
第4位  東京理科大学建築教育論 [1/3]──今、学生が求めるもの(全3回)
第5位  東京理科大学TUSAインタビュー [1/2]──TUSAの活動について(全2回)
第6位  スタッフ討議 - 大学間の差異と共通点

《学生たちのエネルギー》
豊田高専のインタビューは特に編集がリッチで、安心して聞ける番組だった。上記はどれも学生たちが、自分たちの置かれた教育環境をどう認識し、何をすればよいのか考えている様子を伝える。学生は建築系ラジオの聴取者層としてはかなり厚い存在だが、スタッフだけを見ていても、学校の外で何を学ぶべきか考える意欲が目立つ。

第7位  スタッフからみた建築系ラジオ──おすすめコンテンツ

《自己検証を推進したい》
五十嵐太郎氏が編集長を務めた時期の『建築雑誌』の第一号もそうだったが、建築系ラジオでも(この文字コンテンツも含め)年に数回くらいメディアの自己検証が行われている。新聞、テレビなどのマスメディアや出版メディアではあまり見られない(たまに放送メディアで番組審議会の報告が出る程度か)が、建築系ラジオが新たなメディアとしての形態を切り開いていく上で、必要な過程とさえ言えるだろう。

以上、自分の関係しなかったコンテンツから。


天内大樹(あまない・だいき)
1980年東京生まれ。日本近代建築思想。2008年東京大学大学院(美学芸術学)博士課程単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD、大阪大学)、國學院大学・多摩美術大学非常勤講師。共著書に柳澤田実編『ディスポジション:配置としての世界』(現代企画室2008)、共訳書にエイドリアン・フォーティー『言葉と建築──語彙体系としてのモダニズム』(鹿島出版会2006)http://www.ne.jp/asahi/d/ama/

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松岡舞(建築系ラジオスタッフ)


第1位  テン年代建築を考える[5/7](全体討議・全7回)
初めてラジオ収録現場に居合わせ、かつ、初めて編集作業に関わったという、個人的に思い出深いコンテンツ。大西麻貴さんの「玉砕覚悟で質問してもいいですか。」という一言から、議論がどんどんと盛り上がっていく様子はハラハラ、ドキドキとして何度聞いても面白い。そしてなによりも、どんな人に対しても、ぶれない持論をぶつけていく前田紀貞さんの姿勢がとにかくかっこいい。

第2位  北川啓介の「無批判的行動主義」の誕生(シリーズ)
藤村龍至さんの「批判的工学主義」、そして北川啓介さんの「無批判的行動主義」誕生の様子がよく分かるコンテンツ。若山滋先生のとても分かりやすい説明、優しい口調は、とても聴き心地がよい。自分自身が「建築の意味とはなにか」を考え始め、読書をしたいと思えるきっかけになった。

第3位  カリスマガールと建築デート (シリーズ)
このシリーズを聞くと実際に自分がその建築を見に行っているような気分になれる。東京や大阪に簡単に行ける距離に住んでいない人には特におすすめ。次、どの建築のどの部分に注目して見学しよう、という指標になる。倉方さんの専門的な説明や、建築学生の率直な感想が聞けるのが面白い。一度、倉方さんとデートしてみたいと思わせるコンテンツ。

第4位  「失敗」をめぐって──失敗を克服して自分のものにすること(全3回)
学生必聴のコンテンツ。失敗してもそのあとにどう行動するか、学生だけでなく多くの人のかゆい所をついていると思う。失敗から学ぶことは本当に多いな、と改めて思った。設計事務所のインターンシップに行く前に、このコンテンツを聞きたかった。

第5位  豊田高専SD研究部インタビュー──高専ってどんなところ?
建築系ラジオ初の高専でのインタビュー。私自身も出演していて、思い出深いコンテンツ。「高専」という教育機関を多くの建築学生に知ってもらえるきっかけになったと思う。高専からの編入を受け入れている大学の学生、関係者にぜひ聴いてもらいたい。


松岡舞(まつおか・まい)
1990年東京都生まれ。豊田工業高等専門学校建築学科所属。特技はスイスドイツ語が少し喋れること。

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佐藤仁哉(建築系ラジオスタッフ)


第1位 伊東豊雄「消費の海に浸らずして新しい建築はない」(1989)を読む(全2回)

新しい勉強の仕方
まず始めにテーマとなるテキストを読み、学生達がそれぞれの考えを言い合い、最後に五十嵐さんが解説を行う。先生が加わった公開読書会のようなコンテンツ。学校のように先生から一方的に教えてもらうだけの授業や、偏った考えに終始してしまいそうな学生の勉強会との間をうまくついた非常に面白い企画だと言えます。またテキストは約20年前に書かれた伊東さんの文章で、これはおおよそ大学生が生まれた年代ともリンクしていて、その時代の社会背景や建築事情を知ることで、逆説的に、今の現代を知る上でのキーワードになっているのではないでしょうか。今後もやり続けてほしいコンテンツです。

第2位 テン年代の建築を考える(全体討議・全7回)

討論を生み出すラジオ
このラジオを研究室でかけ流しにして聞いていた時に、これをきっかけに学生同士で熱い議論が生まれたというのが印象的で凄く鮮明に記憶に残っています。テン年代の建築というタイトルに興味を持ち、聞き始めたのですが、内容が「自己と自我」や「超越的と超越論的」の違いといった話に徐々に拡張していくのも建築系ラジオの醍醐味なのではないだろうかと思います。本や雑誌などと違い、その場で編集の出来ない、今自分自身が感じた事を話し合う建築系ラジオは、このラジオを聴くとより強くそのことを認識し、考えさせられるラジオだと思います。

第3位 五十嵐太郎論 − 人間・五十嵐太郎を語る

誰もが気になるその実像
たとえ建築に携わっていない人でもこの名前を聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。建築批評家としてだけではなく、小説家や文学者などとしての顔を持ち、その多面さ故に、一体、五十嵐太郎とはどんな人間なのだろうと思っている人は多いはず。村上心先生の渋い声や学生達の和気あいあいとしたライブ感を味わえるのも建築系ラジオの特徴と言えます。建築を学ぶ人以外にも五十嵐太郎に興味のある方に聞いてもらいたいラジオです。

第4位 レクチャー編「スケールと身体」(シリーズ・全3回)

一対一の特別レッスン
ラジオを聴きながら建築家の個人授業を受けているような贅沢なコンテンツだと思います。建築家・南泰裕が「身体」というテーマで学生と話をする全3部作であり、「身体」というテーマから話題が縦横無尽に展開していくのが非常に聴いていて面白いです。手帳のサイズってどのくらいが一番いいのだろうか、という身近な疑問から建築家は一体何を生み出そうとしているのか、といった非常に壮大なテーマにまで議論が展開していくのも、このコンテンツの魅力の一つなのではないかと思います。建築を学ぶ学生にぜひ聴いてもらいたいです。

第5位 スタッフ討議 − 大学間の差異と共通点

現役建築学生が語る私の建築学科
建築系ラジオを最も間近で体験している学生のスタッフが自分自身でMCをやり、スタッフが今最も気になっているテーマで収録を行うという企画です。この収録をした日は、ラジオスタッフの慰労会でもあり、さまざまな大学のスタッフが集まっていたので、日頃なかなか知ることの少ない他大学の建築を解剖したいというのが目的でした。各大学や研究室によってかなりの差異があって、これから大学に入って建築を学ぼうとしている学生や院試を考えている学生に聴いてもらいたいラジオになっています。


佐藤仁哉(さとう・じんや)
1986年生まれ。国士舘大学大学院南泰裕研究室所属。趣味、仮面ライダー。

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江藤靖子(建築系ラジオスタッフ)


第1位 作品から語るアートとデザインの違い
「デザインとは多くの人が見たいと思うものを見せるものであり、芸術とは多くの人が見たくないと思うものを見せるものである 」という彦坂尚嘉さんの解説には、一般 に考えられているデザインとアートの概念を変革させるものがあります。一般にデザインと考えられているものが芸術になり、一般に芸術と考えられているものがデザインになってしまう。キュレーターの長谷川祐子氏が東京都現代美術館でキュレーションした『アートとデザインの遺伝子を組み替える 』のようにアートとデザインの在り方 が逆転した現象が起こっています。では、私たちはこのような状況のなかでどのようにアートとデザインを見極めればよいのでしょうか。このコンテンツでは彦坂さんがアンディ・ウォーホルのシルクスクリーンの作品の刷りを例に、アートとデザインの違いを具体的にわかりやすく解説してくださっています。アートとはなにか、デザインとはなにかという問いを抱いている方 は是非聞いてください。

第2位 瀬戸内国際芸術祭2010―豊島美術館をめぐって(全2回)
豊島美術館は、ランドスケープと建築、そして建物の中の水滴がフラクタルのように入れ子状に構成されている美術館でした。来場者は「繊細な水滴の動き」と「特殊なシェル構造の建築」と「広大な庭 」の三点の関係性に深い意味を見いだそう とします。しかし私は実際に豊島美術館を訪れ、建物の中に入るまでの長いエントランスを歩くときに、庭の手入れがあまりされていないような印象を受けました。そのため 、ランドスケープと建築の関係などのコンセプトが見えづらくなっていると思いました。また、彦坂尚嘉さんがおっしゃっていたように、白い コンクリートの上を水銀のように滑らかに動く水の動きを眺めることは楽しいものですが、高度な芸術作品を鑑賞したときに鑑賞者の中に生じる「意味」は、この豊島美術館では構成することができないのではないでしょうか。しかし、その一方で五十嵐太郎さんが指摘するように建築の技術的な面から見ると、ナノレベルで床の起伏をコントロールし、低い天井でありながらシェル構造であることなど、今までの建築にはない新しさを持っているとの評価を受けています。これは内藤礼というアーティストの作品のための空間を口実にすることによって実現できたものです。このことから、 アーティストが豊島美術館を鑑賞し、このコンテンツを聞いて考えるべきことは、「建築のための作品を口実にすることに より、従来にはない新しいアートの在り方があるのではないか、そしてそれはどのようなものか 」ということだと思います。

第3位 世界の新しい美術館と皇居美術館(全5回)
ミュージアムとはそもそもどのような存在でしょうか。ミュージアムのもとになったものは、大航海時代に王侯貴族が世界中の珍しいものを収集した「驚異物蒐集室(ヴンダーカンマー)」、「人工物蒐集室(クンストカンマー)」といわれています。松宮秀治著『ミュージアムの思想』あるように、世界中のものを自分の物にしたいという欲望は西欧の帝国主義を生みだしました。そして藝術という観念は18世紀の啓蒙主義の時代に世界中のものを体系的に分類しようとする運動のなかで、現代のようなかたち となりました。そして、藝術を藝術とするパラダイムの設定 の場が「美術館」です。つまり藝術と美術館と帝国主義は不可分の関係にあるということです。それでは明治維新によって誕生した大日本帝国の場合はどうでしょうか。大日本帝国は1945年の敗戦によって崩壊し、日本 という国はタブラ・ラサの状態になったという主張はよく聞きます。しかし事実を丁寧に見極めていくと必ずしもそうではないと彦坂尚嘉さんは指摘します。そこで、あくまで空想の世界で、天皇陛下に京都にお帰りいただいて、からっぽになった皇居をリノベーションし、巨大美術館を建設し、超一流の日本美術を収蔵することを提案します。そこには一体どのような意図があるのか。暮沢剛巳さんと五十嵐太郎さんの紹介する現代の美術館の動向と合わせてお聞き いただくとより一層理解が深まるのではないかと思います。

第4位 日本の美術運動(全2回)
近年コレクションを持っていないにも関わらず 美術館を名乗る大型施設が登場しています。しかしそういった施設は「アートセンター 」とでも呼ぶべきであって、美術館と呼ぶべきではないと考える方は多いようです。なぜなら美術館の最大の使命とはコレクションを収集・研究し、その成果を展覧会という形で多くの市民に広めることだからです。また、大規模集客をねらって海外から有名な作品を借りた企画展の乱立も、美術館の冬の時代といわれる現代に多く見られるようになりました。こうした展覧会は美術に関心のなかった人々をひきつける役割もかつてはありましたが、いずれ人々に飽きられてしまうのも時間の問題です。そしてなによりも「今まで注目されていなかった作家や美術運動に焦点をあてて紹介する 」という美術館にとって重要な機能を全く果たしていません。このような状況のなかで、このコンテンツで取材させていただいた板橋区立美術館での館蔵品展「日本の美術運動」と「新人画会展」は地道なコレクション収集と研究の成果をきちんと展覧会という形にしています。また、一般に知名度の低い大正時代から戦後までの日本の美術運動を紹介しています。こうした展示は新聞広告や美術系雑誌やテレビ番組などで華々しく宣伝されることはありません。そこで建築系ラジオのようなメディアがこうした展示を紹介する役割を果たしていけるのではないかと思います。

第5位 キッチュとアートをめぐって(全2回)
現代芸術においてキッチュとアヴァンギャルドというものは決して避けては通れないものです。こうした命題に正面から取り組んでいる現代美術家の彦坂尚嘉さんの言説は、オーソドックスな美術史と、ご自身の過去の活動を踏まえた血肉の通ったものであると思います。そして、後半ではモダニズムの潔癖さを批判し、ポストモダンに生きる私たちはどのような表現をしていくべきかを、純粋 な表現と装飾だけのものの両方を取り入れることによって成り立たせるなど、新しい概念の紹介をなさっています。また、美術館などの体制に対する批判などの、日本のメディアが怠ってきたこともおこなっています。こうした、開催中の展覧会のシンポジウムや出演者の個人の意見を収録する情報の速さと健全な批判を配信していくところに建築系ラジオの役割があると思います。それは インターネットを媒体とし、テキストではなく音声を配信することによって可能になった、配信の速さ と出演者の言論の自由によるものであり、既存のメディアにはできなかったことだと思います。


江藤靖子(えとう・やすこ)
1987年静岡県生まれ。東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース4年。趣味:美術館めぐり



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阪根正行(ジュンク堂書店店員)


第1位  テン年代建築を考える[1/7](全体討議)
建築系ラジオの一番の売りはライブ感だと思うんですね。たしかに一歩間違えればぐだぐだになってしまうので気をつけねばならないと思うのですが、基本的にあまり下準備しないで、「よーいドン!」でやっちゃっていいって思うんです。それが一番うまくいっていたのが『テン年代の建築を考える』だったな。ぶっちゃけテーマの「テン年代の建築」なんてどうでもいい。未来予想とかどうでも。それよりもなによりも出演者の生きた声を聴きたいんですよ。
大西麻貴さんにはやっぱり注目していて、女性だからというか、同世代の野郎たちを押さえ込んでいるところをみると、彼女は妹島和世レベルの大物なのか?って期待しちゃいます。 もちろん作品を見ないと分かりませんけど、安藤さんにしろ妹島さんにしろ作品見ないでも分かるじゃないですか。「ああ、この人は建築家になるべくしてなったんだ」って(笑)。そういうのってラジオでけっこう分かるんですよ。

結論から言うと前田紀貞さんの一言が言い当ててる。「全然面白くない!」で決まり。前田さんの初っ端の一言! 会場が動揺している様子がありありと伝わってきて面白かったなー(笑)。大西さんも403 architectureも萎縮しちゃうし、司会者も「まずいなー」って感じで、比較的受けが良かった能作さんも明らかにびびって話がうまくできてないし。そういう前田さんも言ってることめちゃくちゃで(笑)。「がんばってますなんて当たり前だ!」と大西さんにツッコミつつ、「俺はバカだ!」っておおっぴらに言う前田さんってどうよ。「建築家がバカじゃまずいっしょ!」ってツッコミどころ満載だし(笑)。
ま、議論自体はどうかと思うけど、でもわかりますよね。前田さんの初っ端の一言、「全然面白くない!」っていう直観は正しいんじゃないかって。大西麻貴さんは優秀だし、他の回に出ていた藤村龍至さんも相当優秀だし、コアメンバーの松田達さんも同様に優秀だし。でも妹島和世、安藤忠雄、磯崎新に匹敵する建築家になれるかと言えば、現時点では明らかにNOだよなって。何かが足りないって、けっこうみんな分かっていると思うんですよ。でももっとはっきりと分かっているのは、前田紀貞さんや安藤忠雄さんのようにぐいぐい押す感じでもないよな、あれじゃ、ダメだよなってこと。それはそれで、けっこうみんな分かってるんですよ。

じゃ、どうなるの?

とんでもない野郎が突然出てくるのかもしれないけど、そうじゃなくて、なんか大西麻貴さんや藤村龍至さんが気が付いたら声がでかくなっていて骨太になっていたという時が来るんじゃないかってやっぱり思うんですよ。こういうのって理屈じゃないです。感触です。それがラジオではよ~く分かるんですよ。これからもちょくちょく聴きます!

追記:ちなみに、私は『書物の現在と未来』というテーマの回に出演させていただきました。う~ん、確かに書店でいろいろやってはいるし棚を作っているのだけど、建築家のように作品を創っている人に比べると全然弱いんですよね。「全然面白くない!」っていう前田さんのツッコミを3連発ぐらいリミックスしてもらってもいいぐらいなんだよな~(汗)。「がんばります」って言っても「そんなの当たり前だ!」って言われるし、弱ったな。。。 「がんばります」。


阪根正行(さかね・まさゆき)
学生時代、建築を学ぶ。渡辺明設計事務所勤務を経て、現在、ジュンク堂書店新宿店員 (人文書担当)。

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星洸祐(建築学生団体TUSA2010代表 )


第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
第2位 高橋堅さんの「BRASS CLINIC」を訪れる
第3位  伊東豊雄「消費の海に浸からずして新しい建築はない」」(全2回)
第4位 瀬戸内国際芸術祭2010
第5位  展覧会「ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ」オーディオガイド



星洸祐(ほし・こうすけ)
1988年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010代表

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椚座基道(仙台建築都市学生会議代表)


第1位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
第2位 テン年代の建築を考える (全体討議・全7回)
第3位 書物の現在と未来[5/7]──幅允孝「空間を本で演出する意味とは?」 (全体討議・全7回)
第4位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
第5位 建築新人戦2010スタッフインタビュー(全3回)

地方にいる学生にとっての建築系ラジオの意義というのは非常に大きい。東京などの大都市圏に比べると、地方の学生が出向くことの出来る展覧会の数というものは限られてくる。その中で、webを通じたメディアというものは、大都市圏、地方が同等に情報に触れられる。これが、地方の学生にとっての救いになっていることは、確かであると思う。その意味で、建築系ラジオでとりあげられているコンテンツはとても興味深く、地方と東京の距離を近づける役割を担っていると考える。この一年の中で、特に気になったものとしてはtwitterの現在を語る(建築系twitterオフ会)や、建築新人戦をはじめ、各地の学生団体へのインタビューが挙げられる。
まず、「twitterの現在を語る」と題されたこのコンテンツは、自分自身がtwitterに登録していることもあり、共感する部分が多かった。実際、会ったこともない人たちとtwitterを介して会話をし、全国各地と「建築」というゆるく大きな枠組でつながっている実感を得ることができた回であったと思う。また各地の学生団体インタビューにおいて、それぞれの建築学生の動きや生の声を聞くことができたのは有意義であった。webやそれこそtwitterを通じて、各地の建築系学生団体が活動していることは認識してはいたが、実態はいまいち掴めなかった。それが、建築系ラジオというメディアを通して生の声を聞くことで、よりリアリティが増した。仙台近郊にも自身が所属する仙台建築都市学生会議をはじめ、いくつかの団体はあるが、全国各地で様々な活動を展開していることを知ることが出来たのは、刺激にもなり、励みにもなった。
最後に、建築系ラジオは建築界、特に学生を中心に大きな影響をもたらす存在であると思う。そして、一人の学生という立場から、建築系ラジオには、現代建築やそれにとどまらない幅広い知識を付与してくれるメディアであると同時に、全国の建築学生の動きを伝えてくれるかけがえのない媒体であり続けることを、私はこれからも期待していきたい。


椚座基道(くぬぎざ・もとみち)
東北大学3年 仙台建築都市学生会議代表

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関口達也(建築系ラジオスタッフ)


第1位 土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)
第2位 交通から都市と建築を考える(第5回カルチベートトーク)(全4回)
第3位 東京のイメージ ─ ぼくたちの東京論
第4位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第5位 「失敗」をめぐって (全3回)

まず、選んだベスト5の決め手になったのは、「建築系ラジオに考えさせられた自分」ということでしょうか。もう少し具体的にいうと、自分は普段、何かを設計したり、デザインしたり、ということはしていません。「都市を解析する」ということで研究を行っています。そんな私に対して、 1)純粋に興味をくすぐってくれたもの、 2)自分の中で考える都市工学の位置づけ 3)さらに自分が都市工学の中で興味の対象としている部分はどこなのかということを考えさせてくれたものを中心に選びました。おそらく建築系ラジオの中でも、かなりイレギュラーなものを選んでいるかと思いますが、建築やデザインそのものから普段少し離れている個人の興味はこうなる、と受け取っていただければと思います。以下、ベスト5に選んだトピックに関して、それについての感想と私なりの考えを順に述べていきます。

第1位 土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議
この収録は、自分が都市工学という勉強を始めた時から、常に根底に持っていた建築・土木・都市工学という三種類の分野のそれぞれの位置づけについて考えさせてくれる回であったと思っています。議論は、建築と土木を対比しながら進んでいきます。二つの要素を少しずつ合わせもつ、「都市工学」という立ち位置に立つ自分自身は、収録の場に居合わせながら、議論を聞きつつ建築と土木について、都市工学と何が同じで、何が違う部分なのか?」というようなことを考えていました。その中で、ハードを作ることに限らず、使う側の視点を踏まえた上で、都市のデザインやシステムをつくり、制度などの形で実社会に還元していくのが都市工学なのかな、と自分なりにたどりついたことは、鮮明に記憶しています。同じ何かをつくり出す複数の分野を、融合させていこうという考え方があることは、私自身いいことだと思っています。それが融合してどのような思想を持つ分野になるかは予想できませんが。それぞれの分野に携わる人たちと、実際に利用する人々の四主体がうまくシンクロできれば、日本の都市はこれからもよくなるのではないかと思います。

第2位 交通から都市と建築を考える(第5回カルチベートトーク)(全4回)
人間は光合成をしないから移動をする、という人間の根源的な所から入って、現代社会の歴史を踏まえた都市と移動の関係性を論じていました。話のスケールの変化の仕方がとても秀逸だと感じたのを覚えています。一見突飛で多様なトピックから入っていって、それが移動と空間という部分に収束していくのですが、この話がどういう風に進んでいくのだろうと、わくわくしながら聞きました。この記事を聞いて思ったことは、「都市や建築(ややもすればそれだけに限らず)を取り巻くものは、人々の生活に端を発している」ことを念頭に置くこと、また、情報技術の進展や人々のライフスタイルといった形としてとらえどころのない都市の構成要素の変化を基にして、言葉や概念だけでなく、システムを機能させる実際の空間を形づくっていくのかということを考えなければならない、都市計画を学んできた自分の中で大事な部分を思い出した気がします。

第3位 東京のイメージ ─ ぼくたちの東京論
収録を聞いていて、「どこまでが東京なのか」、「東京は街と街の距離が近い」という言葉を聞いて思うところがありました。東京と地方中核都市の違いは、「どこまでが街として認識されているのか」ということだと思います。それを規定する要因として大きいのは、鉄道駅ではないでしょうか。地方都市はやはり駅が東京ほど密集していないためか、街として認識される部分は東京よりも少ないと思います。東京は住宅メインの街であれ、駅が多いからか、そこで区切りが生まれて、新たな街として認識されやすいのかと。また、東京は各街がそれぞれ独特の個性を持っている都市であり、それもあってか日本の都市に対して様々な先駆例が生まれる場所だと思っています。様々なところから様々な人が集まってくるから、その融合により様々なものが生まれるのではないか。また、住んでいる人が多様だからこそ、それぞれの街の特徴が生まれたり、維持されたりしているのではないでしょうか。神奈川に生まれ育ち、東京生活5年目の私は、そんなことを感じました。

第4位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
最初はタイトルとリード文を見て、面白そうだな、と興味本位だけで聞き始めたのですが、なんと面白い話だったことでしょうか(funnyではなくinterestingです)。正直「へー」の連続でした。岐阜の人々が円山町のホテル街に込めた、歴史的背景や想いがそのホテルの名前に表れていることをはじめとして、予想以上に面白くて深い話が展開されていたかのように感じます。中には、ホテルが集積する理由や部屋の埋まり方の話など、都市経済的な視点からの話もあり、街としてホテル街が構成されていることの意味を知ることができたと思います。私自身、「商業地域を対象にした時系列変化」ということをテーマに研究を行っていますので、都市における新陳代謝という部分の話には特に聞き入りました。都市における生の文化性を表象する場所としてのラブホテル、自分もそれらが都市で持つ色々な意味を研究対象にすればよかったと後悔しました(笑)

第5位 「失敗」をめぐって
今、自分自身、失敗の真っただ中にいるからです。もちろんあがいていますけれど、先行きの見えない不安と闘っている最中なので、この収録はとても印象に残りました。何をもって失敗とするのか。それは取り返しのつかないことなのか、つくことなのか。結局、最後に判断するなら主観的なものでしかないのかもしれないのですよね。どこまで納得ができるか。失敗の原因に飛び込めるか。まず、失敗を成功に変えるために、失敗に飛び込む勇気を持つこと。それを決めるのは全て自分自身なのであり、乗り越えていくのも自分自身なのであることを改めて実感しました。 以上、5つが私の選ぶ2010年ベスト5になります。正直、冒頭にあるように自分本位で選んでしまったので、わりとマクロな話やら都市システムに近い話題が多いです。デザインの苦手な都市系の学生の興味がこういうところにもあるのだ、ということを今後の都市系ラジオのトピックなどで、活かしていただけたら、また自分自身活かしていけたらいいのではないかということで、このアンケートの結びとさせていただきます。


関口達也(せきぐち・たつや)
1985年生まれ。東京大学大学院住宅・都市解析研究室所属。都市との向き合い方、同時に音楽との付き合い方を日々模索中。趣味はビッグバンドジャズで、実際に演奏もします。

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正木哲(建築系ラジオスタッフ)


第1位 テン年代の建築を考える (全体討議・全7回)
第2位 DESIGINING2010展公式トークイベント「TRANSMISSION/トランスミッション」(全4回)
第3位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」(全2回)
第4位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
第5位 広島建築男子の四方山トーク!ザ・奥さん


ベスト5選出にあたって
私は2010年になってから建築系ラジオの学生スタッフとして参加しています。つまり、建築系ラジオ第二期、ポータルサイト開設時期からの参加であり、それ以前は、恥ずかしながら建築系ラジオの存在すらよく知らないという状況でした。よって、ベスト5を考えるにあたり、建築系ラジオ第二期以降からの選出としました。私の選出基準は、単純に「これまで聞いてきた中で印象に残っているもの」であるわけですが、選んだものをみてみると、一貫したテーマがあることに気づかされます。それは、建築家とは「何者」なのか、ということです。これは、建築を学ぶ者にとって、一度は考えさせられる問題であり、そして、なかなか答えが出るものではないと思います。そもそも、建築とは何なのか。
私が所属している研究室(建築計画学)では、年度始めの数ヶ月をかけ、あるテキストを通して徹底的に「建築とは何か」を考えるオリエンテーション・ゼミ(ゼミ担当は入研したばかりの4年生!)が行われます。テキストは初期の建築計画学の理念、方法について書かれた、研究室の原点となるもので、そこでは建築計画とはなにか、建築計画学とはなにか、建築計画学が対象としている建築とは何か、といったテーゼが述べられており、現代に生きる私たち学生に議論のテーマを与えてくれるのです。私も研究室に所属する一人の学生として、入研以降、「建築とは何か」、この問いに頭を悩ませ、自身の研究やプロジェクトを通して少しずつですが建築と向き合い、また、今後私は建築とどう付き合っていくのだろうか、と頭の中で自問自答を繰り返してきました。建築系ラジオの大きな魅力のひとつは、毎晩星の数ほど行われているであろう、飲み会での建築談義を、全国ネットにのせて配信することです。そこでは出演者が悩んでいること、考えていること、疑問に思っていることが赤裸々に語られています。それを聞けば、自分だけが悩んでいる訳ではない、皆それぞれが考え、答えなんかわからないけど日々の歩みを進めているということに気づかされます。このことにどれだけの多くの人々、学生が勇気づけられることでしょうか。以下に、それぞれのコンテンツを聞いて何を考えたのか、未熟な思考ではございますがご笑覧ください。配信の時期などは順不同です。

第1位 テン年代の建築を考える
テン年代の建築を考える今回選出した中で最も印象に残っているものです。何が?と問われたら、間違いなく前田則貞さんです。私は、前田さんについては名前や作品しか知らず、そのつたない予備知識だけでは前田さんを想像することなどできず、このコンテンツを聞いたときには大変衝撃を受けたのを覚えています。前田さんは、概念の弱さに対する指摘だけではなく、ひとりの人間として成熟することを強調されました。建築家である前に人であること。建築家としてどんなものを生み出そうと、建築ではない他のことをやっていようと、最終的には人が最も重要なのです。これを聞いて、ドキっとした人は多いのではないでしょうか。私もそんな一人であり、建築を考える前に、一度、自分を見つめ直すことが重要ですね。前田紀貞建築塾では、現代社会では誰も教えてくれなくなったことを学べるのかもしれません。一連の配信を聞けば、前田さんは、建築家であると同時に教育者であり、私たちの世代をとても暖かい目で見守ってくれていることがよくわかります。

第2位 DESIGINING2010展公式トークイベント「TRANSMISSION/トランスミッション」
これも東京と福岡という地方都市をテーマに扱ったイベントの模様を配信したものです。私自身福岡にいるので実際にイベントにも足を運ぶことができました。何よりも、この日招待されたスピーカーはそうそうたるメンバーだったので、地方建築学生にとっては大変貴重な機会だったのです。その中でも、大変印象的だったのは、モデレーターの倉方さんが、「福岡の状況は今後の建築デザインの鍵となる」と述べられたことでした。東京から赴任されたばかりの倉方さんには福岡の状況がよく理解でき、だからこそ、そこにこれからの現代社会における建築デザインの可能性があると見抜かれた恐るべき先見...。地方都市でデザインに携わるものは、社会や状況が豊かになり成熟していく中で、これまでのやり方では通じなくなってきており、倉方さんに、お前たちはデザインの未来の一端を担っていのだぞ!理解してますか!?と、突きつけられたのです...。

第3位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」
地方都市で建築を学ぶ学生にとっては気になるテーマだと思います。地方都市をフィールドに活動する建築家が、地方都市をいかにとらえ、また、それを踏まえてどういう可能性があるかなど、大変示唆に富む内容となっています。特に印象的なのは、「東京もひとつの地方都市である」といった、地方都市を語ることによって、東京の特異性が浮き彫りとなってくることです。地方都市の建築学生にとって、「東京」という二文字は、一度は目の前に立ち塞がります。しかし、東京もひとつの地方都市である、と思えたその瞬間、考え方はもっと自由になるかもしれません。

第4位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
これは、建築学生が悩む進路に関わる内容です。建築学科で私たちは一体何を学んでいるのでしょうか?建築家になる方法?すごいね!と言われる建築を設計する方法でしょうか?いやいや、社会に出て即戦力となるための技術?私は建築学科では建築を通して「考え方」を学べるのだ、と思っています。建築学科には講義だけでなく、設計演習という特殊なカリキュラムがあります。設計演習ではある課題に対して、個人または共同で「答え」として設計を行い、その成果を他者に伝えることを求められますが、これは恐らく他学科には珍しい授業なのではないでしょうか。ある課題に対して論理的思考で考えを巡らせ、答えを他者に伝えるというのは非常に高いスキルなのではないでしょうか。それはまさにリーダーに求められる素養のひとつだと思います。私たちが大学で受けている教育とは何か、それがもっと意識的になったとき、建築学生は世界が狭いなどと言われることもありますが、活躍の場はどこにでもある気がしています。

第5位 広島建築男子の四方山トーク!ザ・奥さん
私がとても大好きなコンテンツです。北川さんの話では、家族に対する愛がヘッドホンから溢れ出て、愛を語ることに、聞く側の私は気恥ずかしさを超えて感動すら覚えました。むしろ個人的な過去の経験が思い出され、自分の未熟さが恥ずかしくなります(笑)。まあ、誰にでも、世界中の悩みを背負おうとした時期ってありますよね(笑)。これを聞いて、ひとつ確かなことは、何に対しても、決して建築を言い訳にすることなどあってはいけないということです。日々精進です。


正木哲(まさき・てつ)
1983年熊本生まれ。九州大学大学院人間環境学府竹下研究室所属、後期博士課程生。木造住宅の新工法開発に取り組んでいます。趣味は野外で大音量の音楽を聴くこともしくは「そういう場所」に赴くこと

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入江徹(琉球大学准教授)


思考のきっかけとしての建築系ラジオ
私は、建築系ラジオによる2009年の台湾ツアーや沖縄ツアー以降、ツアー企画に参加させて頂いている。2010年には8月に韓国ツアー、10月に瀬戸内国際芸術祭ツアーに参加させて頂いた。建築系ラジオとは、そうした関わり方をさせて頂いているため、2010年ベスト5をあげさせて頂くとすると、これらのツアー企画がまず頭に浮かんでくる。

第1位 韓国建築ツアー(ツアー)

背景としての社会構造
8月4日から8日にかけて韓国ツアーに参加させて頂いた。ツアーとしては6日までの日程であったが、その後は村上心先生ら椙山女学園大学の皆様方とご一緒させて頂き江華島に行ってきた。ソウルでの収穫として真っ先にあげられるのは、金壽根との「出会い」である。金壽根は既に世を去っているが、彼が主宰した建築設計事務所兼建築雑誌『空間』の社屋では、内部までご案内して頂き、近代建築の質感・重厚感とともに、建築空間の質の高さに惹きつけられた。また、ダニエル・リベスキンド、ザハ・ハディド、レム・コールハース、MVRDV、ジャン・ヌーベル、マリオ・ボッタ、アルヴァロ・シザといった建築家たちによる建築物、韓国の若手建築家が設計した「Kring」などの建築物も見学することができた。そして、アンヤン芸術公園、ヘイリ芸術村、パジュ出版都市でも、多くの建築物を見学することができた。建築物以外にも、清渓川復元事業という都市的再開発の見学もできた。韓国特にソウルでは、アイコン建築と呼ばれるような現代建築物が片道6車線以上もある大きな通り沿いに華々しく立ち上がっていた。近代というものを通過せずに現代が訪れたようでもある。このような背景には当然のごとく政治や経済・資本の力が見え隠れしている。いずれにせよ韓国の勢いを感じた。一方で、台湾でも感じたことだが、日本は大丈夫なのかと...。また、ツアーでの多くの方々との出会いも特筆すべき点である。山田幸司さんや松田達さんらと初めてお会いしたのも台湾ツアーであったし、韓国ツアーの際には山田さんの兄貴的存在である村上心先生らとお会いすることができた。

第2位 瀬戸内国際芸術祭2010ツアー (ツアー)

アートと建築
10月22日から24日にかけて瀬戸内国際芸術祭ツアーに参加させて頂いた。このツアーでは、建築物とアート作品とを比較的に見学することができた。ここでは、日本の建築物の施工・構造の強度を圧倒的に感じた。直島にある安藤忠雄さんの李禹煥美術館は、コンクリートの壁で三角に囲まれた空間の良さはもちろん、施工の強度だけでも驚きを感じた。久々に安藤さんの建築物を見たのだが、改めて圧倒されることとなった。また、西澤立衛さんの豊島美術館には、ある種の恐ろしさというか、怖さを感じることとなった。なめらかなシェル構造はもちろんのこと、キレイな水のかたまりが途中で破壊せずに流れるための床コンクリートの施工精度。現実の物質としてここまで可能なのだ、ということを示唆している。何かをコントロールすることが建築物の機能の一つであるとするならば、この美術館は水の動きを圧倒的な施工精度によってコントロールしていると言える。妹島和世さんの家プロジェクトS邸は、柱を立てずにアクリル壁によって自立させ、そのアクリル壁を可能な限り薄くするために曲面にし、さらにその垂直軸にも曲げている。壁の厚さは40mm。やはりこれも「どうなってるんだ」と思わせる魅力を感じた。しかし、豊島美術館やS邸は超一流であることは間違いないが、学生が課題や卒計において形だけでこれらを模倣してくると戸惑いを感じる。これらは極度に細かな施工技術や構造が絡んでいて、現実の物質としての精度がものすごい。学生が、施工をともなう建築物の物質が出来上がらないという前提で行う課題や卒計において、施工や構造上の苦労を伴っていない状態で形だけで提案してくると、どこまで学生の成長につながるのかと思ってしまう。学生たちにも、そのあたりを見抜いてほしい。数多くのアートと建築物を見ることで、建築とはいったいなんなのか?建築にどういったことが可能なのか?ということを改めて考える機会となった。

第3位 ダンボール茶室(イベント)

ひとを惹きつける力
10月31日に、中川運河キャナルアートの一環として行われたイベント「ダンボール茶室から考える建築とアートの可能性」に参加させて頂いた。私自身、山田幸司さんには台湾や沖縄でお世話になっていて、山田さんにハマっていた。そして、山田さんからダンボール茶室のことについてもお聞きしていた。そうしたことから、是非とも直に見たいということで沖縄から向かうことにした。公開収録中に到着したのだが、急遽お誘い頂き、参加させて頂いた。その中で、山田さんに対する思いやエピソードについて話をさせて頂いた。その後、ダンボール茶室の中に入らせて頂くことができ、貴重な体験をさせて頂いた。この茶室は、国宝茶室の如庵を組み立て式ダンボールで再現したものであり、ダンボールでありながら中に人が数名入っても耐え得るようにつくられている。建築以外の多くの地元の方々も見学に来られていた。山田さん同様に、多くの人たちを惹きつける魅力を感じた。

第4位 横浜アパートメント(イベント)

交流の可能性
4月18日に行われた横浜アパートメントでのイベントに参加させて頂いた。あれだけの人数が集まって交流できたことは、今でもハッキリと頭に残っている。それを可能にした建築物のつくりもすばらしい。2次会にも多くの方が参加され、皆さんのパワーを感じた。2次会には設計者の西田司さんも到着し、約10年振りにお会いし、話ができた。このイベントでは、学生たちが積極的に頑張っているということを改めて感じた。自分から何かをつかみ取ろうと集まってきたのだと思う。そういう多くの学生たちに出会うことは、とても刺激的である。

第5位 「藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)」(全体討議・全5回) (ラジオ)

オープンな議論
「とうとう!」というのが率直な感想。お二人がこのような形で対峙するのはなかなかない機会だと思うが、聴衆を楽しませつつお互いのコメントを引き出すことができるというのも建築系ラジオのすぐれた環境づくりだと思う。そして、永山祐子さんから飛び出す言葉も印象的。違う意見を持つ者同士が、オープンな形で(聴衆を取り込みつつ)議論しようよということを建築系ラジオが教えてくれているコンテンツだと思う。 建築系ラジオとは思考のきっかけをオープンに提供してくれる場ではないかと思う。ラジオコンテンツには、各地域の状況を知ることができるものや、教育的な内容のものが数多く含まれている。また、ツアーは、様々な場所で実際に建築物や都市を見ることの大切さを教えてくれ、建築や都市に関する学習だけではなく文化に触れる研修の場としても機能している。私にとって多くの学生たちとの出会いも貴重な経験である。彼らがいかに積極的であり、また悩んで模索しているのか、そういった努力の経路を確認することで様々なことを教えられる。このような思考のきっかけを提供してくれることが、建築系ラジオの特徴なのだと思う。


入江徹(いりえ・とおる)
1974年生まれ。建築家。琉球大学工学部環境建設工学科建築コース准教授。横浜国立大学大学院修了。専門は、建築設計・現代建築理論。

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武智仁志(建築系ラジオコラボレーター)


建築系ラジオのコンテンツにランキングはつけられないのですが、苦渋の想いで選ばせていただきました。それでは、はりきってどうぞっ!

第10位 全体討議 第二期始動へ向けて 第二期へ向けての5つの方針(案)r4
完成されたコンテンツを世に与えていくメディア。完成されたコンテンツは説得力があり、知らない間に何かを植え付けている危険性もはらんでいます。このような今までのメディアとは一線を画す感のある建築系ラジオ。これからの建築系ラジオの方針を公開して、リスナーといっしょに考えていこうという手探り感が、この節目にあたるコンテンツの良いところです。山田さんがいなくなった後の建築系ラジオの今後に不安を抱いていた僕。しかし、今では皆さんもご存知のとおり、学生もまきこんで発信側と受信側がいっしょになって批評がし合えるメディアとして成長していますよね。個人的に驚きなのが、僕にコーナーを与えてしまったこと。 建築系ラジオの多様性を物語っています。触れる者に限界点を越えさせようとするこの姿勢は、本当にビックリです。

第9位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
周りからけしかけられたとは言え、新しい形式であるタイマン議論のコンテンツ。こういう刺激的な議論は、雑誌では伝えきれないものです。場合によっては険悪な雰囲気に聞こえてしまうような議論を活字化するのは、難しいと思うのです。「ラヂオは友」でもたくさん感想を書かせていただきました。建築系ラジオならではのコンテンツですね。

第8位 もうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編)
このコンテンツさえ登場しなければ「建築デート」がベスト10に入っていました。聞いている時のヒヤヒヤ感は建築デートをも上回ります。そして、知られざるラブホテル建築のノウハウが語られる様子は圧巻です。まさに資料集成! 「22C: 建築系ラジオ新年会「検閲とクオリティ・コントロールをめぐって」 の議論のように、北川さんのコンテンツは問題提起があって、共感できなければリスナーに都合の悪い情報として認識されてしまいやすいんですよね。 お茶を濁したい話題ですので(笑)。

第7位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
松田さんに対して温厚そうなイメージを持っていた僕の認識を覆したコンテンツです。幻の4回目のコンテンツは、まわりが止めるのもかまわずにご自身の展覧会会場に流してしまうという、何者にも流されない姿勢には、かっこよさを感じました。めずらしく酔っている松田さんが聞けるコンテンツです。いろいろと考えさせられた面白いコンテンツです。

第6位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
お二人の話を聞いていると、要は人間関係なんだなって思います。極論すれば、建築を抜きにしても人間関係が築けられれば幸福だってことですよね。扱おうとしている仕事の分野が違うだけ。人間関係に、分野なんてないですから。ですから、仕事の分野も常識的に区切る必要はまったくないという訳ですね。

第5位 43C: 南泰裕への10の質問(その3)Lab ・全3回)
「疑うこと、謙虚になること、続けること。」この南さんの言葉を聞いて、なるほどな〜と思いました。「時間が体積してしみ込んで、自分が生きている実感を手応えとして感じさせてくれる建築」が本物だと。そこまでの感動を与えてくれる建築がいいですね。まわりの意見ばかり鵜呑みにしても体は正直なんですね。でも、謙虚でなければ独自論だけで突っ走ってしまいますからね。なんと言っても、続けること。これが、僕の最大の敵です。自分に克てるかどうかが、生きていくうえで最重要課題ですね。南さんの言葉は、建築系ラジオの姿勢にもつながっている気がしました。

第4位 48C: 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab
実は、山田さんがあがり症だった!この事実を突きつけられた衝撃は今でも忘れられません。 あんなに軽快なトークをしている山田さんが、よりによってあがり症だなんて思うはずがありません。今でも、やらせ番組ではないか疑いの耳で聞いています(笑)。建築系ラジオの初期からリスナーを続けている僕として、決して忘れることができない存在である山田幸司さん。声を聞くと、これが建築系ラジオの原点なんだなあとしみじみと思います。

第3位 44C、46C: 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab
山田さんを語る時に忘れられない伝説のコンテンツです。梅林さんと山田さんが化学反応したら、こんなすごいことに。有名建築家の本当の姿や、お二人の豪傑ぶりが伺える、とても楽しいコンテンツです。建築系ラジオのコンテンツで一番声を出して笑ってしまう配信です。

第2位 テン年代の建築を考える(全体討議・全7回)
前田さんの生き様が伝わってくるようなコンテンツです。自分をビー玉という「無機質」なものに例えた言葉に嘘は感じられず、「建築家とは?」の答えが詰まっている気がしました。そこに居るけど居ないという存在感。建築が語るのですね。ご自分に対して欲をお持ちでない事が伝わってきます。日本人にしかできない境地、「己を滅して他を益す」ですね。言葉でいうのは簡単ですが、実践できている人はそんなにいないでしょう。実体のないものを動かして儲けるのが当たり前の世の中ですから。何のために建築をつくるのかということを考えた時のヒントが語られています。
次は、いよいよ栄えある第1位の発表です!(小太鼓の音:ダラダラダラダラ〜) 。

第1位 植田実氏も語る。建築メディアは本当に信用出来るのか? 

千葉大学建築レクチュアシリーズ第1回後の居酒屋トークです。シンポジウムをどう聞くか、 メディアをどう受け止めるかの姿勢は、ズバリ、どう行動し、どう生きるかということと関係しているんだなと考えさせられた配信です。集団生活の中で自然と身に付いてしまった思考性。 植田さんを通して、建築系ラジオの姿勢を読み取れる配信です。これを聞くと、コブクロの 「DOOR」という歌を思い出します。(曲名が建具だし。)   ♪ただっ港か〜らぁ見送る人に〜ぃい♪  ってとこです。途中、松田さんが学生に問いかける時のアツい感じも良かったです。若い人がよく言ってしまうセリフですからね。松田さんから若者に向けたメッセージです。最後の学生が語った、パネリストが身近に感じられたという場は、建築系ラジオにはたくさんあるんですよね。これでリアルな世界につながるんです。
 

さて、皆さんの2010年ベスト10!はいかがでしたか? ツアーに参加すると、ランキングも変わってくるのでしょう。参加型のメディアですからね。 まわりの人と是非、建築系ラジオから得たものを語り合ってみてくださいね。  それでは、また来年2011年も、楽しく過ごせますように。 武智仁志は建築系ラジオを応援しています!


武智仁志(たけち・ひとし)
1973年生まれ。京都造形芸術大学通信教育部に在学中。寡黙な男。

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五十嵐太郎(建築系ラジオコアメンバー)


いずれも事件性、ライブ感が強いもの。

第1位 46C: 伝説のトーク「梅林克 × 山田幸司」
(山田さんと梅林克さんのトーク)(Lab・全2回)

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
(北川啓介によるラブホテル街探索)

第3位 都市建築へ(中庭をめぐって)[1/3](全3回)
(松田達個展の後の、展覧会をめぐるトーク)

第4位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデート(全3回)
(倉方さんの建築デート 高円寺編)

第5位 51A :建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]Lab・全2回)
(石川くんが建築女子批判をしたもの)


五十嵐太郎(いがらし・たろう)
1967年生まれ。建築史。東北大学教授。著書=『新宗教と巨大建築』『近代の建築と神々』『終わりの建築/始まりの建築』『戦争と建築』『結婚式教会の誕生』。共著=『ビルディングタイプの解剖学』など。http://www.cybermetric.org/50/

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<回答者一覧>(その1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
松田達天内大樹松岡舞佐藤仁哉江藤靖子阪根正行星洸祐椚座基道関口達也

正木哲入江徹武智仁志五十嵐太郎(順不同)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

さて、アンケートの第一回目の回答公開、いかかでしょうか?興味を持っていただいた回は是非聞いてみてください!これから年末にかけて、順次様々な方の回答を公開していきますので、楽しみにしていてくださいね。

収録日時:2010年12月15日
収録場所:東北大学
収録時間:24分45秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:11.3MB
PLAY 出演者:五十嵐太郎+平井百香+市川紘司

鈴木博之の『建築は兵士ではない』(1980)から「建物は兵士ではない」を声に出して読みます。建築を兵士になぞらえ、歴史家の立場から近代建築批判を展開した本書は、総勢27名の1980年代生まれの若い書き手たちによる建築同人誌『ねもは』の巻頭書評でも取り上げられています。

・出演者プロフィール
平井百香(ひらい・ももか)
1988年生まれ。東北大学大学院小野田泰明研究室所属。

市川紘司(いちかわ・こうじ)
1985年生まれ。東北大学大学院五十嵐太郎研究室。

・関連項目
「ダンボールで再現した国宝茶室、如庵に入ってみよう」が開催されます!

yamada_joan.jpg
山田幸司システム設計:段ボールによる国宝如庵写し

<日時>
2011年1月2日(日)〜16日(日)10:00-18:00 (※水曜休館)
お茶会 1月16日(日)11:00-15:00
セミナー 1月16日(日)14:00-16:00

<会場>
ハウススクエア横浜 住まいの情報館3Fライブラリー
住所:横浜市都筑区中川1-4-1 (アクセス方法は、下記を御覧ください)

<テーマ>
建築家・山田幸司の設計により、ダンボールを積層させたシステムで国宝の茶室「如庵」を再現します。茶室室内に入っての体験も可能です。

<セミナー>
「茶室空間の可能性」
日時:1月16日(日)14 :00-16:00
場所:ハウスクエア横浜 住まいの情報館4F
参加費:無料
ギャラリートーク:五十嵐太郎(東北大学教授)
基調講演:南泰裕(国士舘大学准教授)
パネラー:南泰裕(国士舘大学准教授)、五十嵐太郎(東北大学教授)、村上心(椙山女学園大学教授)、北川啓介(名古屋工業大学准教授)、入江徹(琉球大学准教授)、彦坂尚嘉(美術家)、松田達(建築家)

<お茶会>
おいしい日本茶を振る舞います。
日時:1月16日(日)11:00-15:00
場所:ハウスクエア横浜 住まいの情報館2F
参加費:無料

<関連配信> 

<参加申込み>
参加無料。セミナーは要予約。
ハウスクエア横浜事務局
TEL: 045-912-7473
FAX: 045-912-4711

<アクセス>
ハウスクエア横浜住まいの情報館
横浜市営地下鉄ブルーライン「中川」駅 徒歩2分

<主催>
ハウスクエア横浜

<共催>
建築系ラジオ

<問い合わせ先>
045-912-7473(ハウススクエア横浜)
収録日時:2010年12月15日
収録場所:東北大学
収録時間:28分03秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:12.8MB
PLAY 出演者:五十嵐太郎+市川紘司+加藤拓郎

総勢27名の1980年代生まれの若い書き手たちにより、建築同人誌『ねもは』が創刊されました。創刊号は「絶版★建築ブックガイド40」と題された建築系絶版書籍のガイドブックと、大室佑介、斧澤未知子、加茂井新蔵によるエッセイ三編を収録。この音声では、編集とデザインを担当した東北大学大学院の修士課程の学生とコアメンバーである五十嵐太郎が、同人誌制作の意図やコンセプトについて話し合っています。

・出演者プロフィール
市川紘司(いちかわ・こうじ)
1985年生まれ。東北大学大学院五十嵐太郎研究室。

加藤拓郎(かとう・たくろう)
1986年生まれ。東北大学大学院五十嵐太郎研究室。

関連項目
建築同人誌『ねもは』
収録日時:2010年11月24日
収録場所:阿部仁史アトリエ
収録時間:27分21秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:12.8MB
PLAY 出演者:鈴野浩一+禿真哉+本江正茂+堀口徹

第1回SSDハウスレクチャー(レクチャー編後半その2)の模様です。レクチャー後半その2では、下記の作品が紹介されます。レクチャーの終盤では、デザインのヒントとなったものや、おもしろいと感じたものについての写真やイメージの紹介があり、トラフ建築設計事務所のデザインプロセスを垣間みることができます。(正木哲)

00:00:00〜ブーリアン(東京大学医学部教育研究棟 鉄門カフェ)
00:06:50〜NIKE 1LOVE
00:14:30〜WORLD CUP 2006
00:18:38〜CMYK、その他

・出演者プロフィール
鈴野浩一(すずの・こういち)
1973年神奈川県生まれ。 1996年東京理科大学工学部建築学科卒業、 1998年横浜国立大学大学院工学部建築学専攻修士課程修了。 1998~2001年シーラカンスK&Hに勤務後、 2001~2002年NMBW Architecture Studio(メルボルン)協働、 2002~2003年Kerstin Thompson Architects(メルボルン)勤務。 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2005~2008年東京理科大学非常勤講師、 2008年より昭和女子大学非常勤講師、 2010年より共立女子大学非常勤講師 2010年より武蔵野美術大学非常勤講師

禿真哉(かむろ・しんや)
1974年島根県生まれ。 1997年明治大学理工学部建築学科卒業、 1999年同大学大学院修士課程修了。 2000~2003年青木淳建築計画事務所勤務、 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2008年より昭和女子大学非常勤講師。
収録日時:2010年11月24日
収録場所:阿部仁史アトリエ
収録時間:23分02秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:10.5MB
PLAY 出演者:鈴野浩一+禿真哉+本江正茂+堀口徹

前半に引き続き、第1回SSDハウスレクチャーの模様を配信します。レクチャーの後半はトラフ建築設計事務所の建築作品の紹介から始まります。住宅から舞台美術、ショップインテリアや展示会会場構成など幅広く紹介して頂きます。レクチャー後半の模様は2回に分けてお送りします。レクチャー後半その1では、下記の作品が紹介されます。(正木哲)

00:00:00〜港北の住宅
00:09:50〜チェルフィッシュ「フリータイム」
00:16:20〜川崎市民ミュージアム「横山祐一」展

・出演者プロフィール
鈴野浩一(すずの・こういち)
1973年神奈川県生まれ。 1996年東京理科大学工学部建築学科卒業、 1998年横浜国立大学大学院工学部建築学専攻修士課程修了。 1998~2001年シーラカンスK&Hに勤務後、 2001~2002年NMBW Architecture Studio(メルボルン)協働、 2002~2003年Kerstin Thompson Architects(メルボルン)勤務。 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2005~2008年東京理科大学非常勤講師、 2008年より昭和女子大学非常勤講師、 2010年より共立女子大学非常勤講師 2010年より武蔵野美術大学非常勤講師

禿真哉(かむろ・しんや)
1974年島根県生まれ。 1997年明治大学理工学部建築学科卒業、 1999年同大学大学院修士課程修了。 2000~2003年青木淳建築計画事務所勤務、 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2008年より昭和女子大学非常勤講師。
収録日時:2010年12月2日
収録場所:国士舘大学南研究室
収録時間:23分32秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:10.8MB
PLAY 出演者:南泰裕+金井良介+菅澤彩花

レビュー作品:《Google Tokyo Office》 クライン・ダイサム・アーキテクツ
六本木ヒルズ森タワーの26階27階の一部に構えるGoogleの日本本社です。森タワーはセンターコアで周囲に居室が配置されています。カラフルな家具や壁紙がありとても楽しそうなオフィスです。チャットルームやそばカウンター、いくつかのガーデンがあり作業をするためだけではないような空間となっています。壁紙はブラック・バスの為永泰之氏のデザインです。オフィス空間として働きやすいところってどんな空間なんでしょうか。情報が溢れている社会の「今後の建築の行方」「想像すること」「卒業設計」などへと話が展開してゆきます。外国にあるGoogle Officeを調べてみるのも楽しいと思います。(田畠あゆみ)

・出演者プロフィール
金井良介(かない・りょうすけ)
1989年生まれ。国士舘大学理工学部理工学科建築学専攻
特技...ラグビー

菅澤彩花(すがさわ・あやか)
1988年生まれ。国士舘大学理工学部理工学科建築学専攻
趣味...旅行、料理

・関連項目
新建築社
収録日時:2010年11月24日
収録場所:阿部仁史アトリエ
収録時間:30分23秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:14.2MB
PLAY 出演者:鈴野浩一+禿真哉+本江正茂+堀口徹

せんだいスクール・オブ・デザインの第1回SSDハウスレクチャーの模様をお送りします。第1回の講師はトラフ建築設計事務所の鈴野浩一さんと禿真哉さんです。レクチャー編前半では、3つのプロダクト作品「空気の器」「デッキ」「キッチンの積み木」の解説が行われます。番組の冒頭ではレクチャーの会場である阿部仁史アトリエの解説も行われます。(正木哲)

・出演者プロフィール
鈴野浩一(すずの・こういち)
1973年神奈川県生まれ。 1996年東京理科大学工学部建築学科卒業、 1998年横浜国立大学大学院工学部建築学専攻修士課程修了。 1998~2001年シーラカンスK&Hに勤務後、 2001~2002年NMBW Architecture Studio(メルボルン)協働、 2002~2003年Kerstin Thompson Architects(メルボルン)勤務。 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2005~2008年東京理科大学非常勤講師、 2008年より昭和女子大学非常勤講師、 2010年より共立女子大学非常勤講師 2010年より武蔵野美術大学非常勤講師

禿真哉(かむろ・しんや)
1974年島根県生まれ。 1997年明治大学理工学部建築学科卒業、 1999年同大学大学院修士課程修了。 2000~2003年青木淳建築計画事務所勤務、 2004年2月より株式会社トラフ建築設計事務所共同主宰。 2008年より昭和女子大学非常勤講師。
収録日時:2010年11月21日
収録場所:某居酒屋
収録時間:14分59秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:6.85MB
PLAY 出演者:齋藤精一+福島加津也+佐脇礼二郎+野崎俊+星洸祐+西本ひかる+岡村宗磨+新井快+松田達

いよいよ「東京理科大学建築教育論」の最後となる第3部です。議論が進むにつれて、自分に与えられた条件の下でいかに自分が飛躍できるかが焦点となってきました。押されたら押し返す。学生はそのくらいの勢いが必要であり、現状をただ批判するのではなく、一度自分の中に昇華し、そこから新たな可能性を生み出すことが大切だと気づかせてくれたのではないでしょうか。(香野あゆみ)

・出演者プロフィール
齋藤精一(さいとう・せいいち)
1975年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。建築デザインをコロンビア大学で学び、2000年からNYで活動を開始。建築に限らず、プロダクトデザイン、映像、インタラクティデザイン、他アートとコマーシャルに限らず様々な活動をする。03年、ニューヨークのギャラリーキッチンでの展示や、越後妻有トリエンナーレ(新潟)で2キロの環境彫刻を披露するなど、国際的にも活躍している。主なパフォーマンス作品として、06年『Tablemind』(東京)で構成・映像を担当。09年にはカンヌ国際広告祭にて多くのタイトルを受賞。現在、株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。

福島加津也(ふくしま・かつや)
1968年神奈川県生まれ。1990年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1993年東京芸術大学大学院美術研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て、2003年福島加津也+冨永祥子建築設計事務所設立。2004年JIA(日本建築家協会)新人賞受賞。住宅作品〈柱と床〉は、2008年住宅建築賞金賞受賞。現在、神奈川大学、東京理科大学、京都造形芸術大学、早稲田大学、桑沢デザイン研究所 非常勤講師。

佐脇礼二郎(さわき・れいじろう)
1990年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010所属

岡村宗磨(おかむら・そうま)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 staff、TUS Digital Studio staff

野崎俊(のざき・すぐる)
1991年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010 staff

星洸祐(ほし・こうすけ)
1988年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010代表

新井快(あらい・かい)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010副代表

西本ひかる(にしもと・ひかる)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 unit担当、会計責任者

松田達(まつだ・たつ)
建築系ラジオコアメンバー
収録日時:2010年11月21日
収録場所:某居酒屋
収録時間:14分24秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:6.59MB
PLAY 出演者:齋藤精一+福島加津也+佐脇礼二郎+野崎俊+星洸祐+西本ひかる+岡村宗磨+新井快+松田達

「東京理科大学建築教育論」の第2部です。「教育モデルは主に、底上げも含め全体的に引き上げる方法、三角形のトップだけを引き上げる方法、成績とは関係なく、何か光る物を持った学生を引き上げる方法の三つがありますが...。」という齋藤先生への松田さんから質問で始まります。齋藤先生の理想の教育モデルとは...?また、良い作品とはなにか、良い作品を作る過程はどういったものかという話題にも触れていきます。学生はオールマイティに設計課題ができなくても、何かひとつ光る物があればいいのではないか。また、良いアイデアを持っているのに、評価されないのはおかしいのではないか。何か光るものがあれば評価すべきではないか。教育法のあるべき姿とは。建築学科問わず、教育者の方も一緒に考えながら聞ける内容になっています。(上條美里)

・出演者プロフィール
齋藤精一(さいとう・せいいち)
1975年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。建築デザインをコロンビア大学で学び、2000年からNYで活動を開始。建築に限らず、プロダクトデザイン、映像、インタラクティデザイン、他アートとコマーシャルに限らず様々な活動をする。03年、ニューヨークのギャラリーキッチンでの展示や、越後妻有トリエンナーレ(新潟)で2キロの環境彫刻を披露するなど、国際的にも活躍している。主なパフォーマンス作品として、06年『Tablemind』(東京)で構成・映像を担当。09年にはカンヌ国際広告祭にて多くのタイトルを受賞。現在、株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。

福島加津也(ふくしま・かつや)
1968年神奈川県生まれ。1990年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1993年東京芸術大学大学院美術研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て、2003年福島加津也+冨永祥子建築設計事務所設立。2004年JIA(日本建築家協会)新人賞受賞。住宅作品〈柱と床〉は、2008年住宅建築賞金賞受賞。現在、神奈川大学、東京理科大学、京都造形芸術大学、早稲田大学、桑沢デザイン研究所 非常勤講師。

佐脇 礼二郎(さわき・れいじろう)
1990年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010所属

岡村宗磨(おかむら・そうま)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 staff、TUS Digital Studio staff

野崎俊(のざき・すぐる)
1991年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010 staff

星洸祐(ほし・こうすけ)
1988年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010代表

新井快(あらい・かい)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010副代表

西本ひかる(にしもと・ひかる)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 unit担当、会計責任者

松田達(まつだ・たつ)
建築系ラジオコアメンバー
収録日時:2010年11月21日
収録場所:某居酒屋
収録時間:25分00秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:11.4MB
PLAY 出演者:齋藤精一+福島加津也+佐脇礼二郎+野崎俊+星洸祐+西本ひかる+岡村宗磨+新井快+松田達

3部構成となる「東京理科大学建築教育論」の最初の第1部です。東京理科大学理工学部建築学科の学生が、現職の先生を交えて現在の理科大の建築学科について熱く語ります。本音のみの批判的なアプローチから話題を掘り下げていきます。学生目線から見たときに感じる先生に対する違和感や求めるものを素直な気持ちとしてぶつけています。このままじゃいけないという強い思いと同時にどうすれば変われるのかという葛藤が議論を通して浮き彫りとなってきています。(香野あゆみ)

・出演者プロフィール
齋藤精一(さいとう・せいいち)
1975年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。建築デザインをコロンビア大学で学び、2000年からNYで活動を開始。建築に限らず、プロダクトデザイン、映像、インタラクティデザイン、他アートとコマーシャルに限らず様々な活動をする。03年、ニューヨークのギャラリーキッチンでの展示や、越後妻有トリエンナーレ(新潟)で2キロの環境彫刻を披露するなど、国際的にも活躍している。主なパフォーマンス作品として、06年『Tablemind』(東京)で構成・映像を担当。09年にはカンヌ国際広告祭にて多くのタイトルを受賞。現在、株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。

福島加津也(ふくしま・かつや)
1968年神奈川県生まれ。1990年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1993年東京芸術大学大学院美術研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て、2003年福島加津也+冨永祥子建築設計事務所設立。2004年JIA(日本建築家協会)新人賞受賞。住宅作品〈柱と床〉は、2008年住宅建築賞金賞受賞。現在、神奈川大学、東京理科大学、京都造形芸術大学、早稲田大学、桑沢デザイン研究所 非常勤講師。

佐脇 礼二郎(さわき・れいじろう)
1990年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010所属

岡村宗磨(おかむら・そうま)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 staff、TUS Digital Studio staff

野崎俊(のざき・すぐる)
1991年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第2学年。建築学生団体TUSA2010 staff

星洸祐(ほし・こうすけ)
1988年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010代表

新井快(あらい・かい)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010副代表

西本ひかる(にしもと・ひかる)
1989年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科第3学年。建築学生団体TUSA2010 unit担当、会計責任者

松田達(まつだ・たつ)
建築系ラジオコアメンバー
収録日時:2010年2月24日
収録場所:京都府 烏丸御池 旅館杉長にて
収録時間:18分31秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:8.7MB
PLAY 出演者:南泰裕+村上心+田中菜月+中嶋麻衣+古儀莉穂+伊藤ゆかり+大薮翔子+小津早也香+白木理紗+南谷江美+松枝可純+玉木里紗+相田奈保子+池田翔太+柊章夫+福原一真+今西拓槙

──建築系ラジオのコアメンバーやパートナーを解剖するコーナーということで、今日は名古屋工業大学の准教授であり、様々なユニークな建築活動を行っている北川啓介さんについて、これから学生の皆さんと一緒に縦横無尽に語ってみようと思います。

奇抜なスタイルと、その非常にユニークなキャラクターを武器に、建築という広大なフィールドを駆け回っている北川啓介さん。2010年6月からは建築系ラジオ新コアメンバーとして加入。日々、建築系ラジオを盛り上げてくれています。そんな北川啓介さんと接してみて、どんな印象を持ったのか。皆さんに語っていただきました。北川啓介とは、どんな人間なのでしょうか。(大木翔太)

・出演者プロフィール
村上心(むらかみ・しん)
1960年生まれ。椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科教授。博士(工学)。写真家・建築家。1985年東京大学工学部建築学科卒業。1992 年同大学工学系研究科博士課程満了。1997年蘭・デルフト工科大学OBOM研究所客員研究員。著書に「The Grand Tourー世界の建築風景」「建築再生の進め方」(都市住宅学会著作賞受賞)、訳書に「サステイナブル集合住宅」など。

田中菜月(たなか・なつき)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

中嶋麻衣(なかじま・まい)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

古儀莉穂(こぎ・りほ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

伊藤ゆかり(いとう・ゆかり)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

大薮翔子(おおやぶ・しょうこ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

小津早也香(おづ・さやか)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

白木理紗(しらき・りさ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)
現在、建築系ラジオスタッフ。

南谷江美(みなみたに・えみ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)
現在、建築系ラジオスタッフ。

松枝可純(まつえだ・かすみ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科3年。(当時)

玉木里紗(たまき・りさ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科4年。(当時)

相田奈保子(あいだ・なほこ)
椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科4年。(当時)

池田翔太(いけだ・しょうた)
国士舘大学南泰裕研究室所属学部4年。(当時)

柊章夫(ひいらぎ・あきお)
国士舘大学南泰裕研究室所属学部4年。(当時)

福原一真(ふくはら・かずま)
国士舘大学院修士1年。(当時)

今西拓槙(いまにし・たくま)
名古屋工業大学院修士2年。(当時)
収録日時:2010年12月2日
収録場所:国士舘大学南研究室
収録時間:24分45秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:11.3MB
PLAY 出演者:南泰裕+石川知弘+堀上明達

レビュー作品:《ノヴァルティス・キャンパス フォーラム3》 ディーナー&ディーナー
数多くある作品の中でもその色彩豊かなカラーガラスにまず目を奪われることは間違いない。スイス、バーゼルにあるノヴァルティス・キャンパスは多国籍製薬企業の本拠地であり、「知のキャンパス」をつくるというヴィジョンのもと著名な建築家たちによって多種多様な建築が建てられています。その作品群の中でもスイス人建築家のディーナー&ディーナーはファサードに特化し、他の作品との差異を見出しています。この作品をきっかけに学生と先生で「建築の立ち位置とは何か」について話が発展していきます。またそこから自分の今の立ち位置について考え直してみると面白いと思います。(佐藤仁哉)

・出演者プロフィール
石川知弘(いしかわ・ともひろ)
1986年生まれ。国士舘大学大学院工学研究科建設工学研究科専攻
趣味...自転車、youtube

堀上明達(ほりかみ・めいたつ)
1988年生まれ。国士舘大学理工学部理工学科建築学専攻
趣味...音楽,自転車

・関連項目
新建築社
収録日時:2010年10月2日
収録場所:大阪府某所
収録時間:12分46秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:5.8MB
PLAY 出演者:植村洋美+安田康佑+小川紘司+金子佳弘+清水慎之介+森恵吾+二村緋菜子+柴野美弥+鈴木佑一+立石龍壽+松田達

建築新人戦2010実行委員の皆さんへのインタビューの最終回です。実際に話を聞くと、想像以上に建築新人戦の裏方は大変だった様子が、よく分かります。あらゆるところで問題が発生していて、でもそれを一つ一つ学生が解決していって、ようやくはじめてこの建築新人戦が成り立っていたようです。最後には、あの先生から学生スタッフへの一言があります。(編集部)

・出演者プロフィール
植村洋美(うえむら・ひろみ)
武庫川女子大学3年生。建築新人戦2010実行委員会代表。

安田康佑(やすだ・こうすけ)
大阪市立大学3年生。建築新人戦2010実行委員会副代表。

小川紘司(おがわ・ひろし)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会計。

金子佳弘(かねこ・よしひろ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会企画班班長。

清水慎之介(しみず・しんのすけ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会場班班長。

森恵吾(もり・けいご)
近畿大学3年。建築新人戦2010実行委員会審査班班長。

二村緋菜子(にむら・ひなこ)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班制作班長。

鈴木佑一(すずき・ゆういち)
近畿大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班外交班長。

柴野美弥(しばの・みや)
京都大学3年生。建築新人戦2010実行委員会記録班制作班長。

立石龍壽(たていし・りゅうじゅ)
1987年生まれ。大阪市立大学宮本佳明研/廃墟研究/京都建築学生之会/大阪市立大学建築研究会+aLab.代表/建築新人戦/ArchiForum/などなど。

・関連項目
建築新人戦2010
収録日時:2010年10月2日
収録場所:大阪府某所
収録時間:13分04秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:6.1MB
PLAY 出演者:植村洋美+安田康佑+小川紘司+金子佳弘+清水慎之介+森恵吾+二村緋菜子+柴野美弥+鈴木佑一+立石龍壽+松田達

建築新人戦2010実行委員のみなさんへのインタビューの続きです。引き続き熱いトークが繰り広げられています。本音で言おうという松田達さんからの提案により、審査班、企画班、会計班、広報班から今回のイベントを通しての苦労話や裏話など、率直に話してもらっています。表からでは分からない、建築新人戦がここまでに至るまでの、本当の大変さが伝わってきます。どこまで喋っていいのか、皆さんの本音トークが続きます。(松岡佑実)

・出演者プロフィール
植村洋美(うえむら・ひろみ)
武庫川女子大学3年生。建築新人戦2010実行委員会代表。

安田康佑(やすだ・こうすけ)
大阪市立大学3年生。建築新人戦2010実行委員会副代表。

小川紘司(おがわ・ひろし)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会計。

金子佳弘(かねこ・よしひろ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会企画班班長。

清水慎之介(しみず・しんのすけ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会場班班長。

森恵吾(もり・けいご)
近畿大学3年。建築新人戦2010実行委員会審査班班長。

二村緋菜子(にむら・ひなこ)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班制作班長。

鈴木佑一(すずき・ゆういち)
近畿大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班外交班長。

柴野美弥(しばの・みや)
京都大学3年生。建築新人戦2010実行委員会記録班制作班長。

立石龍壽(たていし・りゅうじゅ)
1987年生まれ。大阪市立大学宮本佳明研/廃墟研究/京都建築学生之会/大阪市立大学建築研究会+aLab.代表/建築新人戦/ArchiForum/などなど。

・関連項目
建築新人戦2010
出演者:武智仁志

「からまりしろ」という不思議な言葉。
どういうことか、分析するために(笑)、言葉を分解してみますと「からまる」と「しろ」になります。

■「からまる」
「からまる」から連想する形状を考えてみますと、壁のような面積が大きい断面をもつ形状よりも、小さな細い糸のような形状を思い起こせます。(中学生時代は、釣りにハマっていましたが、よくリールがバックラッシュ(ライントラブル)してました(笑)。)断面積の大きい形状でも長ければ、からまることはできますが、断面積が小さい形状を想像するとしっくりくる言葉です。

断面積が小さい形状を想起することから、向こう側が見えない、聞こえない、匂わないなど、自然界の中で本能的に機能する感覚が遮断されるような現代の高機密高断熱の壁や床ではなく、からまっている程度によって濃淡が生まれ、からまっている要素の向こう側が見えるし、聞こえるし、匂うし、五感が刺激されそうな、既存の壁ではないものを想像しました。

■「しろ」
そして「しろ」ですが、子供の雑誌の付録でよくみかけます。そうです、「のりしろ」ですね。この、「のりしろ」を想像すると「からまりしろ」の「しろ」が分かりやすいかもしれません。

「しろ」は決して主役ではなく、主役にとっても「しろ」は表立って大切な存在ではないんですよね。主役が持っている機能を果たすために、積極的に働いているわけではないのですが、しかし、「しろ」がないと主役の存在そのものを成り立たすことができません。

■「からまりしろ」がある建築は三枚目?
こうして考えてみると、「からまりしろ」がある建築とは、必要最低限に形状や機能を削ぎ落とした鋳型で成型されたような格好よい建築ではなくて、余裕があるというか、逆に余計なものを付け足した、楽しげな建築ではないかと想像します。表面的な装飾ではなくて、余白のようなものを足すことで、他者との新しい価値観が混在できるような建築です。他者が他人であるか、新しい家族関係であるのか、植物であるのかは分かりませんが、占有空間だけを集めてできていない空間です。ある関係の集合体を建築と呼んでいるとすれば、「からまりしろ」がある建築は、もっと別次元の関係も取込んだ建築と言えるでしょうか。
(むむ〜、わけがわからなくなってきたゾ。)

いや、この解釈が平田さんの同意を得るかは怪しいですが、いろんな人のいろんな解釈を生む問いかけが良いんですよね。

松田さんの解釈が分かりやすく、AとBの関係に置き換えると少し理解が深まったような気がしました。主従の関係ではなくて、互いに対等な関係、または許容し合う関係が生まれることで、すでにある存在(風、水)を受け入れられる建築ですね。領域を独り占めしない建築。

主従の関係を保つと、主の方に従が頼るわけですから、ある条件が満たされた時に限界があるはずですね。一方、対等の関係であれば、互いに拡張性を持ち続けられる可能性があって、互いの関係の持ち方によって常識の限界を越えることも起こりうる可能性が高まりますね。

■「からまりしろ」がある建築を受け入れる心構え
どうやら、閉じきってはいない建築のような雰囲気がありますね。今までの男前建築では、わがままを言いやすかった事が、「からまりしろ」がある建築では人間が「ほんの少し我慢する」とか、「ほんの少し許容する」ということも楽しみたくなるような建築ですね。

建築内なのに、風が心地よいとか、あそこに行きたいけど雨に濡れるとか、手を伸ばせばお隣さんから醤油を貸してもらえるとか(笑)。現代人の感覚では面倒だと思う手間が、逆にこちらから手をかけたくなるような、ウルウル目のチワワのような建築かなあ。

「ほんの少し我慢すると、得られる幸福あります。」っていうのが、「からまりしろ」がある建築の特徴かもしれませんよ。

・関連項目
せんだいスクール・オブ・デザイン03
平田晃久インタビュー「建築とはからまりしろをつくることである」
収録日時:2010年10月2日
収録場所:大阪府某所
収録時間:16分51秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:15.4MB
PLAY 出演者:植村洋美+安田康佑+小川紘司+金子佳弘+清水慎之介+森恵吾+二村緋菜子+柴野美弥+鈴木佑一+立石龍壽+松田達

大阪、梅田ビルにて10月1~3日に開催された建築新人戦2010。今年で2回目の開催となった建築新人戦の実行委員のみなさんに、今回のイベントを通して思ったことや、裏方として苦労したこと、また今だからこそ言える裏話などをインタビューします。楽しそうなスタッフたちの声や、その場の雰囲気からも、建築新人戦がどのようにして実現に至ったのかが伝わってきます。全3回の配信となります。(松田佳奈)

・出演者プロフィール
植村洋美(うえむら・ひろみ)
武庫川女子大学3年生。建築新人戦2010実行委員会代表。

安田康佑(やすだ・こうすけ)
大阪市立大学3年生。建築新人戦2010実行委員会副代表。

小川紘司(おがわ・ひろし)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会計。

金子佳弘(かねこ・よしひろ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会企画班班長。

清水慎之介(しみず・しんのすけ)
立命館大学3年生。建築新人戦2010実行委員会会場班班長。

森恵吾(もり・けいご)
近畿大学3年。建築新人戦2010実行委員会審査班班長。

二村緋菜子(にむら・ひなこ)
神戸大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班制作班長。

鈴木佑一(すずき・ゆういち)
近畿大学3年生。建築新人戦2010実行委員会広報班外交班長。

柴野美弥(しばの・みや)
京都大学3年生。建築新人戦2010実行委員会記録班制作班長。

立石龍壽(たていし・りゅうじゅ)
1987年生まれ。大阪市立大学宮本佳明研/廃墟研究/京都建築学生之会/大阪市立大学建築研究会+aLab.代表/建築新人戦/ArchiForum/などなど。

・関連項目
建築新人戦2010
出演者:花房佑衣

ごあいさつ

みなさま、はじめまして。花房佑衣(はなふさ ゆい)と申します。

東京・高円寺で猫とふたり暮らしをしている大学4年生です。専攻は建築ではありませんが、すっかり建築に魅せられてしまったひとりです。建築?興味ないなぁ。なんてひとたちにも、建築の魅力を伝えたい!という想いから、現在、建築ライターを目指しています。

この度、かねてからスタッフをさせていただいている建築系ラジオにて、「花房佑衣の先読み建築系ラジオ」というコーナーを担当させていただくことになりました。もうすぐ配信されるラジオコンテンツの聴きどころを、私なりの目線で、ひと足先にご紹介します。これを読めばきっとラジオを聴きたくなるような、楽しい予告編を書いていければと思います。武智さんの「武智仁志のラヂオは友」と合わせて、こちらにも目を通していただければ、とっても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

最後に、この場を借りて、このような機会を与えてくださった建築系ラジオのみなさまに心から感謝します。

それでは、さっそく第一回予告編、お楽しみください!


<建築新人戦2010 スタッフインタビュー>予告編
■元気がもらえる
こちらのコンテンツ、学生さんたちの盛り上がりがすごいです。とにかく、元気、元気。500人規模のイベントを運営するには、やっぱりこのくらいの元気と勢いが必要なんでしょう。全員学部3回生というから、驚きの反面、納得です。どんより曇りの日に聴いたらきっと元気がもらえそうな、エネルギーにあふれたインタビューです。

■さりげなく、いい言葉
ここで話してくれたみなさん、きっとマジメにやるときは真剣に打ち込んで、ハメをはずすときは思いっきり楽しむ、そういうオンとオフの切り替えが上手なんだろうなって思います。それに、わいわい盛り上がってるなかで、はっとするようなとってもいい言葉を話してたりします。言葉といえば、みなさんの話す関西弁が、大阪出身の私には懐かしくって、高校時代の友達が話してるみたいで、微笑ましかったです。方言萌えの方、必聴です。

■裏エピソードに期待?!
ひとつのビッグイベントを一緒に成し遂げただけあって、スタッフ同士の仲の良さ、一体感がひしひしと伝わってきます。代表さんの愚痴を聞く役回りのスタッフさんも、何人かいたとか。インタビュー内でも、どんどん裏話、苦労話が出てきます。表向きのきれいごとだけでなく、ここまで本音が聴けるインタビューはとっても貴重な気がします。(一部カットされる可能性もあります。)また、改善すべき点についての議論などは、参考にもなります。

■松田さんのインタビュー術
松田さんのインタビューもこれまた絶妙です。松田さんの「みなさん好きなことを話してください」の一言で、一同大盛り上がり。また、後半は「本音をぶっちゃける」トークをするようスタッフのみなさんに要請します。そしてみなさんからも、今だから言える率直な感想、ぶっちゃけ話が飛び出します。なんでも話やすいラフでフランクな雰囲気づくり、学生さんとの交流が多い松田さんは得意でいらっしゃるんでしょうか。そんな松田さんのインタビュー術も聴きどころです。

■西の新人戦、東のArchi-TV
大阪で建築新人戦が行われたのとほぼ同時期に、東京ではArchi-TV2010が行われました。建築系ラジオでも、Archi-TVのスタッフインタビューの収録・配信をしました。打ち上げ途中、居酒屋での収録だったので、途中で眠ってしまうひとも出てきましたが、いっぽうでスタッフのみなさんの熱い議論がどんどん発展していきました。とても興味深いコンテンツで、よく記憶に残っています。東西の学生さんたちがそれぞれどんな雰囲気なのか、聴き比べてみるのも面白いかもしれません。

Archi-TVスタッフのインタビューはこちら。
Archi-TV2010総括──26時間を振り返って[1/3]
Archi-TV2010総括──26時間を振り返って[2/3]
Archi-TV2010総括──26時間を振り返って[3/3]

こちらの新人戦スタッフインタビューも、夜が更けるにつれて盛り上がりを見せます。全3回の配信予定です。スタッフのみなさんからどんな話が飛び出るのか、どんなふうに話が展開するのか、乞うご期待!
収録日時:2010年10月22日
収録場所:香川県香川郡直島町向島
収録時間:13分45秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:6.29MB
PLAY 出演者:實藤亮太+北川啓介

向島プロジェクト2009、2010の企画制作スタッフである實藤亮太さんに対するインタビューの模様です。 「島から島を作る」という向島プロジェクトの概要や、川俣正さんの作品「コムカイ島」の見どころなどを實藤さんに解説して頂きます。 アートプロジェクトにおいて、「島」という背景を如何に捉えるのか、また、向島で作品が出来上がっていく様子、川俣正さんのプロジェクトに対する姿勢や製作の様子などが伺える大変貴重な収録です。(編集部)

・出演者プロフィール
實藤亮太(さねふじ・りょうた)
向島プロジェクト2009、2010の企画製作スタッフを務める。

北川啓介(きたがわ・けいすけ)
建築系ラジオコアメンバー。

・関連項目
川俣正 向島プロジェクト
収録日時:2010年10月22日
収録場所:香川県香川郡直島町向島
収録時間:9分42秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:4.44MB
PLAY 出演者:山川紋+北川啓介+松田達

北川──一言でいうと内井さんの建築はどう表現されるんでしょうか?
山川──環境に対してとことん取り組んだ、環境そのままを生かした建物だと思います。

新コーナー「名建築に住む」として、名建築に実際に住んでいる人々にインタビューを行っていきます。今回は、内井昭蔵氏の建築作品である桜台ビレジ(横浜市青葉区)に住んでおられる山川紋さんに名建築に住む魅力を語っていただきます。内部の空間構成や、外部空間との関わりなどにおいて、普通のマンションにはない魅力を数多く持っている建築になっているようです。山川さんが名建築を住まいとする暮らしをとても満喫している様子が伝わってくる収録です。(関口達也)

・出演者プロフィール
山川紋(やまかわ・あや)
1981年、名古屋生まれ。元北川研究室メンバー。住宅設計の仕事をする夫と二人暮らし。 2010年3月より内井昭蔵設計の桜台ビレジに住まう。

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