収録場所:国士舘大学
収録時間:23分08秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:10.8MB
PLAY 出演者:伊東豊雄+松田達+大西麻貴+杉浦久子+南泰裕
松田──大きな話になるかもしれませんが、いまの日本の建築界を伊東さんが見られて、どういう風に考え、どういったところに面白さを感じ、また伊東さんからみて今後の建築界がどういう方向に向かうのかというところを、お話し頂ければと思います...
伊東──今日もレクチャーで話をしたんですけれども、日本の建築はものすごく精度が良いですね。例えば、誤差が日本で5ミリだとすると、海外にいくと一桁くらい誤差が違うような気がするんですね。その誤差のなさが何に向かうかというと、高層ビルのガラスが何の歪みもなく入っているとか、そういうところで頑張って自慢をしあうことが一体何になるんだろう、と。そのことに僕は疑問を感じていて、もっと技術というものを別の新しい建築を作ることに向かってエネルギーを集中していくべきだ、そのためには建築の概念を変えていくことに集中できないか、ということを思っていますね...
先日、国士舘大学で行われた伊東豊雄さんの講演会「呼吸する建築」。その後の懇親会でのインタビューの模様です。世界を代表する建築家、伊東さんの考える建築の概念とは?(大木翔太)
・出演者プロフィール
伊東豊雄(いとう・とよお)
1941年京城市(現・ソウル市)生まれ。1965年東京大学工学部建築学科卒業。1965-69年菊竹清訓建築設計事務所勤務。71年アーバンロボット設立(79年伊東豊雄建築設計事務所に改称)。主な作品に「せんだいメディアテーク」、「TOD'S表参道ビル」、「多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)」、「2009高雄ワールドゲームズメインスタジアム」などがある。日本建築学会賞、日本芸術院賞、ヴェネツィア・ビエンナーレ「金獅子賞」、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、朝日賞など受賞。現在、「今治市伊東豊雄建築ミュージアム(仮称)」、「バルセロナ見本市 グランヴィア会場拡張計画(スペイン)」、「台中メトロポリタンオペラハウス(台湾)」などのプロジェクトが進行中である。