コメント:「51A:建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]」の感想です。 -[Lab]- - 建築系ラジオ
出演者:武智仁志

すごいですね。
石川さんのトークの力強さ。
感情的ではありますが、コアメンバーの皆さんにも全然臆せず語れるトーク力は、なにか、磨けば光る原石のような存在ですね。

建築系ラジオの配信と、石川さんの熱いUSTも録画ですが拝見させていただきました。僕がそれらを受けて、いろいろと考えさせられたことを書かせていただきました。
建築系ラジオがリスナーのフィードバックを、ネット上で受けていないのは、議論は相手の目を見て語るべきという信念があるのではないでしょうか。それがあたらしい討論会につながって、業界に新しい風を取込もうという思惑。受け付けないのではなくて、会って話したいと。新しいと言いながら閉じた世界の住人となっている人達を健全な議論の場に誘い込むという作戦ですね。そして、生身の人間が議論する場で建築系の「系」に業界以外の人達を巻き込んでいこうとしている意図が見えます。新しいメディアなのですが、根本には本質的な、生身の人間どうしの語らい、コミュニケーションを促しているといえます。名前が建築系ラジオなのですが、ラジオで終わらない、生身の人間どうしで語り合いたいというのが根本にある気がしますよ。

ネット上でフィードバックを受けていない(現状ですけど)ということは、これから建築系ラジオに匹敵できるようなサイトが生まれる可能性も秘めています。既にある先輩サイトの「archi-radio」さんや、「YSSK TIME」さんのようなサイト、そして、もしかすると石川さん自身が運営するポッドキャストのサイトやまたは今までの人が思いつかなかったような、これら以上のものが生まれる事を、実は期待されているようにも見えます。

建築女子が、かわいそうという意見もありましたが、僕から見ると、まったく可哀想ではないんです。すごい!学生で展覧会をやってのけた!という尊敬の気持ちです。そして、建築女子というネーミングへのご批判、石川さんがラジオでおっしゃていた負の想像をしてしまうと、大人の気まぐれに学生がつきあわされているようにみえてしまうかもしれません。でも、純粋に彼女達はチャンスをいただいたのだと思います。それをどうするかは、チャンスを与えられた彼女達が今後、どう行動するかにかかっています。彼女達も展覧会の会場にいて、批評してほしい、意見を聞きたいとラジオでも言っていました。彼女達にとって、展覧会はゴールではなくて、道のスタート地点に立てたという状態でしょう。石川さんが展覧会に行っても相手にされなかったとおっしゃっていましたが、疑問に思うことは、その場で彼女達に投げかけてみたらよかったように思います。

建築系ラジオの関係者は、コンテンツの無編集をモットーに建築系ラジオの活動をされているので、リスナー側が配信側の意図を誤解するようなことにはなっていないと思います。というか、コンテンツへの反応に対して、「君のは間違っている」、「君のは正しい」という評価はできないと思うのです。受け取り側の感性によっていかようにも応用できると思うのです。

僕にとって最悪だったコンテンツ「建築人に効く北川啓介の剃るだけダイエット!」なんて、そのまま聞いたらあほらしくて聞いてられません(笑)。でも、笑って聞けるという人も中にはいます。ただ、剃ることと、ダイエットを結びつけるなんて発想は、他の人には思いつきません。そう、そして、実践しないと決して共感できないのです。タイトルにもあるとおり、無批判的に行動しなければ理解できない内容でしょう。僕はこの件に関しては行動できませんが・・・。

こんな風に、受け取る人それぞれの感性でいかようにも素材を料理できるのです。答えを教えて欲しいではなくて、教えられた事=正解!でもないと思います。応用が肝心ですね。世の中の事において、たった一つの正解はないんじゃないでしょうか。過去の歴史も発見の度に日々変わっていますし、算数でさえ、1+1=2ではないかもしれません。(1という箱の中には複数の数字が入っているとか・・・ひねくれていますか・・・?)テレビや一般のラジオでは編集が入りますので、無意識でも事実が間違って伝わってしまうことは否定できないです。

松田さんの言葉から「実験」という言葉がでましたね。実験という言葉がもつイメージから良くない印象を持ってしまった人は多いかもしれません。でも、社会に出ると、人は常に評価されています。パブリックな場で発言したり、提示すると、他人の目に触れる限り、当たり前に批評されます。会社にいても、給料と見合う働きができているかと監視されています。家でお父さんをしていても、いっしょによく遊んでくれる楽しいお父さんかどうか、子供達から批評されています。たぶん・・・。つまり、結果は後からついてくるんです。

テレビゲームをするように、失敗したらやり直して、成功の経歴だけを書き込んでいくことは、人生においてできません。失敗の経歴も沢山書き込んでこそ人生だと思います。何事も無く成功している人なんていないと思うんです。事前にシナリオを伝えて欲しいというような希望は、彼女達のためにならないのです。

僕が担当させていただいているコーナーは、建築系ラジオで配信されたコンテンツに対する感想なので、配信あってのコーナーです。そう、相対的に存在できるコーナーなんですね。石川さんの発言は、建築系ラジオに対して、やはり相対的なものです。でも、強い主張力がありますので、ネガティブな反応に対して責任がとれていないと思うならば、対抗するサイトを立ち上げてみるのも面白いのではないでしょうか。新しいムーブメントが起こる可能性もあります。

五十嵐さんは、新しい人を発掘したいだけだと思うんです。石川さんが権力を感じているという現在の五十嵐さんも、学生時代から新しい視点を模索し続けて活動されてきた結果、五十嵐さんの文章なり発言に共感したり、驚いたりすることが積み重なって、多くの人が五十嵐さんはすごい!という風になったのだと思います。活動を続けている結果がそうなったということです。それが石川さんには結果だけが現れた脅威=権力のようなものに見えるというだけではないでしょうか。石川さんが発言されたことに共感される人達がどんどん増えて大きな力を持ってくると、それが新しい脅威になります。それは、石川さんが恐れている権力と違わないでしょう。松田さんが言う「数の多数性を味方につける」と得られる権力ですね。

それに、五十嵐さん自身が自分は権力がないとおっしゃっていたのは、ある一人の個人の設計や活動を代わりにやってあげることはできないということです。どんなに五十嵐さんがフォローしようと、どんなに期待の星を持ち上げたとしても、建築を考えて実現するのは建築家自身ですので、それを他人がどうこうすることは不可能です。つまり、建築家の人生を他人が代わりに歩んであげることはできないという意味ではないでしょうか。

すみません。長々と偉そうな事を言って。
でも、石川さんは感情をコントロールできるようになれば、面白い人だと思います。今後のご活躍を期待しております。失礼しました。

・関連項目
51A:建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]
(2010年7月19日公開)

連載紹介

建築系ラジオのリスナーによる感想コーナーです。 気になってるけど、まだ聞いていないコンテンツの概要を知りたい場合に参考でどうぞ。感想文のリクエストがあれば、お答えいたします(笑)。
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