建築系ラジオ: 検索結果

「ヨコハマアパートメント」と一致するもの

建築系ラジオクロニクル



黎明期

2007年

11 11.22-11.27 五十嵐太郎がキュレーターであった「第1回リスボン建築トリエンナーレ帰国展」の中で,南泰裕+国士舘大学南研究室と北川啓介+名古屋工業大学北川研究室を中心とした「最小限建築/最大限生活」というワークショップのゲストクリティークとして山田幸司と松田達が呼ばれる.初期のコアメンバー4人がはじめて顔をあわせた,建築系ラジオにとって重要な出会いとなる.
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/413.html
http://blog.livedoor.jp/koji_yamada_arc/archives/51115599.html
http://www.kenchiku.co.jp/interview/matuda/index.html

2008年

1 1.5-1.7 新年会を兼ねた静岡建築ツアーを行う.山田幸司さんが、それぞれ皆さんの源氏名をつけ,建築系ラジオのコンセプトである,地方への巡業ツアーの萌芽があった.参加メンバーは,五十嵐太郎,南泰裕,山田幸司,北川啓介,松田達,暮沢剛巳さん,新堀学さん,彦坂尚嘉さん,北川さんが教えられている大学の学生12人.


第1期

2008年

2 2.6 国士舘大学スカイラウンジにて,全体討議「学生時代にやっておくべきこと」を収録.2009.3.2から「r4」で配信開始.http://10plus1.jp/radio/2009/03/gakusei-01.php
5 5.30-6.1 NPOにっぽんmuseum企画,山陰建築ツアー(企画:木下知威さん+天内大樹さん)山田幸司,五十嵐太郎,南泰裕の初期コアメンバーが参加.夜な夜な酒を飲み,二日酔いで三徳山三仏寺投入堂を見学するという危険なことも.帰京時の出雲市から岡山までの特急でも酒盛り,車内販売がなかったので参加者全員が途中駅でダッシュして売店でビールを購入した.
6 6.14 マキイマサル「美術と建築のあいだII」トークセッション@INAX銀座ショールーム打ち上げの席上で,音声配信としてラジオを展開するアイディアが話し合われる.コアメンバーが既存の出版メディア/出版から出発したメディアではない展開の可能性を具体化しようとし始めた.
7 7.26 初の全体討議を大同工業大学(現 大同大学)山田研究室にて収録.パイロット版第2回(2008.8.15)で配信した.
山田幸司の第1回「説教するダイハード・ポストモダン」を収録.2008.8.22にパイロット版として公開.
8 8.8 槻橋修さんが『建築ノート』最新号北京特集を語る番組を収録.平松剛さんの『磯崎新の都庁』レビュー,幻の「カリスマ女子学生」3本を松田達のホームページでパイロット公開.
8.10 新宿サザンタワーのカフェにて第0回「南泰裕のアーキソフィア」を収録,2008.9.5からコーナーの配信を開始.
8.15 ヴェネツィアから一時帰国中の石上純也さんに,ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示の状況をインタビュー.
8.22 南洋堂N+ギャラリーにて,全体討議「建築メディアはどうなっているのか? 」を収録.2008.8.26からパイロット版として配信.
9 9.18 広島女学院大学にて全体討議「広島建築論」を収録.2008.9.26にパイロット版として配信.
第1回「研究者紹介コーナー」を収録.2008.10.6から配信開始.
10 10.3 「カリスマ建築ガールズ」コーナーがパイロット版で復活.
10.20 南洋堂N+ギャラリーにて,全体討議「徹底討議、コンペを考える 」を収録.2008.11.4から配信開始.
11 11.26 10+1 web site上にて建築系ラジオr4が始まる.
12 12.3 建築系ラジオが,第1部と第2部の2部構成となる.
・建築系ラジオ r4(第1部)→10+1 web site内
・建築系ラジオ 2部(第2部)→http://radio.tatsumatsuda.com/
12.7 モンスーンカフェ代官山にて,全体討議「建築国際展とは何か」を収録.2008.12から「r4」で配信開始.
http://10plus1.jp/radio/2008/12/kokusai-1.php
北川コンテンツの未公開ファイルについて.配信討議を行う.
12.18 建築家インタヴューシリーズ第1回を収録.山本理顕さんへのインタビューを行う.

2009年

1 1.11 建築系ラジオ新年会で「検閲とクオリティ・コントロールをめぐって」が討論される.初の視聴者プレゼントが出る.
2 2 美術系ラジオ(当時)収録開始(東京国立近代美術館にて).4月から公開.
3 3.5 建築系ラジオ第2部(当時)にて,都市系ラジオの初回を収録する。2009.3.20に配信した.
3.26-30 台湾建築ツアーを開催.
4 4.17 都市系ラジオ企画討議を開催.
5 5.8-5.9 椙山女学園大学星が丘キャンパスにて「建築を語る」のレクチャーが行われる.8日には愛知・岐阜建築ツアーが開催され,9日には建築書をめぐる収録も行われた.2009.6から「r4」で配信開始.
http://10plus1.jp/radio/2009/06/archbook1.php
6 6.1 南洋堂書店にて,緊急討議「レム・コールハースの現在」を収録.(『ユリイカ』レム・コールハース特集)2009.6から「r4」で配信開始.
8 8.9-12 越後妻有トリエンナーレ『大地の芸術祭』の中の名品名作を求めて巡るツアーを開催.
8.13 渋谷のアップリンク内カフェ「タベラ」にて,全体討議「東京論」を収録.2009.8.27から「r4」で配信開始.
http://10plus1.jp/radio/2009/08/1.php
8.15 グレン・マーカット氏へのインタビューを行う.10+1 web site より英語で配信.
9 9.28 第4回カルチベートトークにて,通称「こたつ問題」を決着させるための討議を行う.Twitterによる実況+会場外からのコメント,ustreamやstickamによる映像配信も加わった,複合メディア的実験イベントとなる.ustreamで,862人を記録した.
http://artscape.jp/report/review/1209421_1735.html
10 10.18 セシル・バルモンド氏へのインタビューを行う.10+1 web site より英語で配信.
10.25-29 第1回 沖縄建築ツアーを開催.最新の現代建築から隠れた名品まで,幅広く沖縄建築をめぐる.
10.27 韓国語版カリスマ建築ガールズを収録.後に建築系ラジオ初の韓国語ヴァージョンとして配信.
11 11.19 北川啓介の「無批判的行動主義」を収録.2010.6.2から配信開始.
11.20 山田さん不慮の事故により亡くなる.22日告別式

2010年

1 1.14 「聴けば読んだ気になる建築ブックレビュー」を収録,2010.4.30 ポータルサイトで配信開始.
1.18 南洋堂書店 N+ギャラリーにて,全体討議「第二期始動へ向けて」を収録.2010.1「r4」で配信.現コアメンバーの倉方俊輔も参加した.
2 2.4 「南研究室・建築デザインレビュー」を収録,2010.4.27 ポータルサイトで配信開始.
2.14 「建築系美術ラジオ」を収録,2010.4.29 ポータルサイトで配信開始.
2.15 建築系ラジオ第2部のサイト名称を,「建築系ラジオLab.」に変更.
2.18 「カリスマガールと建築デート」を収録,2010.4.27 ポータルサイトで配信開始.
初の「声のオープンハウス」コーナーを収録.2010.6「r4」で配信開始.
2.24 「「建築」を超えろ!」を収録,2010.5.2 ポータルサイトで配信開始.
3 3.14 建築サロンTENZO(典座)にて,全体討議「テン年代の建築を考える」を収録.2010.4.27からポータルサイトで配信開始.建築系ラジオ新体制として大西麻貴さんコアメンバーとして登場,前田紀貞さん登場.
http://architectural-radio.net/archives/100427-2158.html


第2期

2010年

4 4.18 ヨコハマアパートメントにて,全体討議「twitterの現在をめぐって」を収録.2010.6.15からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/100615-3315.html
4.18 初の「スタッフコンテンツ」コーナーを収録.2010.6.24 ポータルサイトで配信開始.
4.27 建築系ラジオ ポータルサイトオープン!.
4.28 「武智仁志のラヂオは友」コーナーを配信開始.
6 6.20 するところ にて,全体討議「藤村龍至の批判的工学主義を問う!」を収録.2010.6.23からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/100623-3327.html
8 8.4-6 建築系ラジオ韓国ツアーを開催.
9 9.3 南洋堂書店にて,全体討議「書物の現在と未来」を収録.2010.9.7からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/100907-3771.html
9.10 五十嵐淳さんのCAAKレクチャーから「レクチャー」コーナーが始まる.2010.10.1 ポータルサイトで配信開始.
9.22 初の「せんだいスクール・オブ・デザイン」コーナーを収録.2010.9.24 ポータルサイトで配信開始.
10 10.10-10.11 ナチュラル・エリップスにて建築系ラジオ合宿を行う.10日にスタッフ有志による「建築系ラジオカードコンペ」を開催,初の「声に出して読みたい建築論」コーナーを収録した.11日には「土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議」を行った.「土木系ラジオ」の最初の収録となる記念すべきコンテンツ.
http://architectural-radio.net/archives/101019-3829.html
10.22-24 建築系ラジオ 瀬戸内国際芸術祭ツアーを開催.
10.31 名古屋市中川区舟戸町 岡谷鋼機・第三倉庫にて,全体討議「中川運河キャナルアートにおける産業遺産活用」を収録.2010.11.16 ポータルサイトで配信.
http://architectural-radio.net/archives/101116-4126.html
全体討議「ダンボール茶室から考える建築とアートの可能性」を収録.2010.11.20 ポータルサイトで配信.
http://architectural-radio.net/archives/101120-4141.html
12 12.2 「花房佑衣の先読み建築系ラジオ」コーナーを配信開始.
12.19 代官山セドナ催事場にて,全体討議「建築家をあきらめろ!」を収録.2010.12.21からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/101221-4187.html
「建築系ラジオアンケート」コーナーを配信開始.

2011年

1 1.2-1.16 横浜のハウスクエアにて段ボール茶室の展示会があり,最終日には「茶室空間の可能性」と題したシンポジウムを行う.
http://kohoku.keizai.biz/headline/149/
1.19 マキイマサル・ファインアーツにて行われた画像建築展に参加.全体討議「画像建築展シンポジウム」を収録.2011.2.2からポータルサイトで配信開始.コアメンバーとパートナーからの参加は,五十嵐太郎,南泰裕,北川啓介,松田達,大西麻貴,彦坂尚嘉さん.
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110114_420076.html
2 2.5-7 第2弾 沖縄建築ツアーを開催.沖縄の現状と歴史を知るため,平和と文化について学習.
2.19-20 広島市をめぐる建築系ラジオツアーを開催.普段見られない建築を訪れ,公開セミナーも開催.
2.25-26 福岡県北九州市をめぐる建築系ラジオツアーを開催.九州・中国地域の学生たちとも交流.
3 3.6 「SDL2011 卒業設計日本一決定戦を考える」を収録する.
3.7 SDL2011と並行して,建築系ラジオの収録をせんだいメディアテークにて行う.
3.10 南洋堂書店4階N+ギャラリーにて,全体討議「建築系文学フリマ」を収録.2011.6.1からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/110601-7204.html
3.15 三軒茶屋某所にて,全体討議「東日本大震災を、現在進行形で考える」を収録.2011.3.17からポータルサイトで配信開始.
http://architectural-radio.net/archives/110317-5540.html
3.28 五十嵐研究室メンバーの震災体験を収録する.2011.3.29-30 ポータルサイトで配信開始.
4 4.16-17 原広司さん設計の神奈川県愛甲郡清川村にある国民宿舎《丹沢ホーム》で建築系ラジオ春合宿2011を行う.誰でも参加できるメインイベント「予選落ちなし、必ず講評が受けられる建築系ラジオ〜設計・論文発表会」を開催する.
5 5.9-13 オーストリアのウィーン工科大学の建築設計製図スタジオでのオーストリア/日本の国際建築学生ワークショップを行う.
8 8.6-11.6 横浜市中区新港2-5の新港ピアで開催中の,新・港村の村民として建築系ラジオも参加。様々なイベントを通して,新しいなにかが起こる予感がしています.2011.11.6まで開催中.
http://shinminatomura.com/
新・港村における建築系ラジオブース イベントカレンダー
8.15-8.17 建築系ラジオ 宮城・福島ツアーを開催する.被災地に建築と美術に関わるものに何をすることが可能かを情報交換.


第3期

2011年

  
9 9.1 建築系ラジオ ポータルサイトをほんの少しリニューアル.
9.2 「新・港村 小さな未来都市」コーナーを配信開始.



前回様々な方々にご協力をいただき実現した、様々な方々にこの一年で印象に残った建築系ラジオのイベントやコンテンツを選んでいただく、アンケート企画の第2回です。前回は、多くの方に共通して選ばれるものから、個人から強い思い入れを受けているものまで、いろいろなコンテンツやイベントが挙げられました。今回もポータルサイト、Lab、r4と、さまざまな発信元から、多様なコンテンツが挙げられています。さて、今回は建築系ラジオに対する、回答者の方々のどのような感想や想いに触れることができるのでしょうか。(関口達也)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b):上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その2)

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南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
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南泰裕(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第2位 豊田高専SD研究部インタビュー──高専ってどんなところ?
第3位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
第4位 金壽根《空間社屋》を訪れる──金壽根の活動と韓国初の建築雑誌『空間』をめぐって
第5位 伊東豊雄インタビュー「現代建築の向かう先」
第6位 テン年代の建築を考える(全体討議・第7回)

コメント
自身が担当しているコーナー(アーキソフィア、南研究室・建築デザインレビュー)を除き、建築系ラジオならではの収録を選んだ。
建築系ラジオは、生放送ではないものの、大幅な編集を行わない準ライブ的な収録をベースとしている。だから、公開収録はいつもどこかしら、予期せぬハプニング性を帯びている。それが参加する人たちにとっての醍醐味となり、リスナーにもわくわくした感じを与え、生きた建築活動の現在をダイレクトに伝えている。1の北川さんのラブホテルデート編や、6の前田紀貞さんとの「テン年代の建築を考える」は、そうしたハプニング性がもっとも良く表現されているものの一つ。特に、北川さんのラブホテルデート編は、まるで推理小説を読み進めていくかのような、スリリングな臨場感があり、聴いている者をドキドキさせ続ける。この収録は、北川さんの詳細なリサーチにより、渋谷・円山町の生成過程自体が詳しく解説されており、優れたアーバン・エスノグラフィにもなっている。これらの収録自体が、チャンス・オペレーション的な偶発性による、ひとつのアート作品のようにすら、感じ取られる。
2は、こうしたラジオ活動がなければ、まず接点がなかったであろう、工業高等専門学校のみなさんとの対話が、新鮮。
3は、書物への応援番組をやってみようとの趣旨から企画されたもので、ブックディレクターの幅さんや、ジュンク堂書店員の阪根さんの出演が、ユニークな点を提供して下さった。今後のメディアの行方を占う、興味深い収録となった。
4は、通常では入ることができない貴重な建築作品の内部を、実際に体験・解説していただいたもの。海外編の建築紹介としても、貴重な記録。
5は、トップ・アーキテクトの伊東豊雄さんの、生の声。懇親会の流れで、快くラジオ収録を引き受けて下さった伊東さんに感謝。現在もなお、建築への熱い情熱を持ち続けている伊東さんの志が、聴く人の体に沁み渡ってくる。


南泰裕(みなみ・やすひろ)
1967年生まれ。建築家。アトリエ・アンプレックス主宰、国士舘大学理工学部准教授。作品=《PARK HOUSE》《南洋堂ルーフラウンジ》《spin-off》など。著書=『住居はいかに可能か』『ブリコラージュの伝言』『トラヴァース』など
http://bricoleurs.exblog.jp/
http://park16.wakwak.com/~prospector/

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平塚桂(ぽむ企画)


第1位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
第2位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・第6回)
第3位 瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって
第4位 ソウルの都市と建築をめぐって(建築系ラジオ韓国ツアー第1日目を終えて)
第5位 ヴェネツィア・ビエンナーレ──おすすめの展示は?

「西村浩×山崎亮 「自走力のデザインメソッド」」は、西村浩さん、山崎亮さん、倉方俊輔さんというおそろしく頭の回転がはやく話しのテンポがよく似た三者がグルーヴする強烈なコンテンツだった。建築系ラジオは、魅力的な場所をつかって公開収録を行うのも特徴。「建築系twitterオフ会」を収録したヨコハマアパートメントは集合と離散、開放と閉鎖のバランスが抜群によい場所で、コンビニのおやつを食べながら大学のサークル会議のような雰囲気でズルッと話をして、観客もズルッとまわりの階段や椅子に座って、場の力を借りてのおしゃべりを楽しませてもらった。
個人的には、「瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって」のような、即時性が高く臨場感が感じられるツアーもののコンテンツが好きだ。タイムラグはわずか3日ほど。"感動"から"戸惑い"までテキストでは伝わりにくい生声が伝わってくる。登場するのはコアメンバーから学生さんまで。「建築系ラジオ韓国ツアー」の場合、なんと旅行代理店の方もコメントを寄せていた。この誰もが参加できるスタイルは、通常の収録の場合は冗長さを招く可能性もあるのだが、旅の場合はキャンプファイヤーを囲んでがやがやと話しているような様子がイメージできて面白い。私が参加した「ヴェネツィア・ビエンナーレ ― おすすめの展示は?」の場合、収録会場はビエンナーレ会場にあるカフェだった。五十嵐太郎さんと謝宗哲さんにたまたま会場でお会いして、ランチをご一緒しているときにゲリラ的に収録されたものだった。まだ金獅子賞もわからない時点での、直感的なおすすめを話しているのだから思えばけっこう貴重だ。


平塚桂(ひらつか・かつら)
1998年京都大学工学部建築学科卒業、2001年同大学院工学研究科環境地球工学専攻修了。建築ライター/ぽむ企画
twitterアカウント @pomukatsura

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宮内美紀(建築系ラジオスタッフ)


以下5つは「地方」MAT fukuokaを終えて語られるエピソード東京のイメージ──ぼくたちの東京論)、「学生同士の想いの共有」東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー ──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編「学生団体へのインタビュー」建築新人戦2010スタッフインタビュー東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」 )という観点から選びました。地方の多くの建築学生が、建築系ラジオを通して他大学の建築学生の考えや想いに触れているという側面からもこの二つの観点は学生にとって建築系ラジオを象徴するものではないかと考えました。

第1位 MAT fukuokaを終えて語られるエピソード
私が住んでいる福岡で行われたイベントに関する回です。建築の文化を、社会や市民の方々に広く発信しているイベントです。私自身、MAT fukuokaの学生スタッフとして参加したのですが、親子連れの方々や建築関係者ではない方など、様々な分野から多くの方が参加されていて感動的な体験でした。そしてこのイベントで実際にあった、心が熱くなるようなエピソードが語られた回となっており心に残っています。

第2位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
この回で一番印象的だったのは、東京の距離感を、地図や実際の都市のかたちではなく鉄道の乗り換えや路線図・所要時間で認識しているという話題です。確かに、地下鉄が張り巡らされた都市で人々は、場所から場所へ空間をワープ移動するような感じ方をしています。また、「どこからが東京でどこまでが東京であるか」ということもはっきり示せず、イメージでしかとらえられないという議論も興味深いものでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
タイトルは、過激ではありますが...予告編を聴いてこのイベントは現在の私の学年(学部3年)にぴったりだと思いました。進路を考え始めた学部生にとって、建築家になりたい人もそうでない人も、このイベントを通して新しい可能性を発見できるのではないかと思います。

第4位 学生団体へのインタビュー
建築新人戦2010スタッフインタビュー
東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー
建築系ラジオでは、様々な建築学生団体へのインタビューの回が数多くあります。建築系ラジオを通して活発な学生団体の様子やその特徴などを知ることができ、刺激になりました。さらに、建築系ラジオでは全国各地数多くの学生団体へのインタビューが配信されているので、様々な団体を比較して個性をつかむことが可能であり、それぞれの団体への理解が深まると感じています。

第5位 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」Lab
まず私自身が建築を学んでいる学生であるので、とても興味のあるテーマでした。「女子」ならでは、「建築」ならではの悩みについて、ガールズトークが炸裂します。設計などの課題に向き合う生活は女子にとっては、お肌の悩みなど特に大変なことのような気がします。しかしその一方で、他大学の人たちはどんな工夫をして徹夜での作業を乗り切っているのか等々、興味津々でした。多くの方々が同じ思いを抱いているということに触れ自分自身のやる気に繋がったような気がします。


宮内美紀(みやうち・みき)
1989年生まれ。九州大学芸術工学部環境設計学科所属。趣味は旅行とカメラ、水玉模様を集めること。

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白濱雅也(深川ラボディレクター)


第1位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
     松田達展(全3回)
      (都市建築へ、松田達展)
第2位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
       (批判的工学主義を問う)
第3位 キッチュとアートをめぐって(全2回)
第4位 バーネット・ニューマン展(川村記念美術館)(全3回)
第5位 上村松園展(東京国立近代美術館)(全3回)
       (上村松園)

1、2は松田達さんの展示をした縁もあり、ギャラリーで放送していたため何度も聴くことができ、刺激的であった。松田達さんや藤村龍至さんのそれぞれのビジョン、スタンス、成果などの差異が美術家にも当てはまる部分が多く非常に面白い。
美術と建築は隣り合う領域でありながらいろいろな面で異なり、また昨今はお互いの領域に侵犯する傾向も見られ、両者の共通項と差異を見ることは、自分自身の立ち位置を見直すという意味では有効であると思う。社会性と個人性とのバランスが異なる点が、建築と美術の大きな違いのひとつであると思う。一般社会の人が思う芸術家は、個人性だけにこだわって作品を作っているように思われているだろうが、実はそれだけではただの落ちこぼれや引きこもりに過ぎないのであって、美術家には美術家の社会性というものはあるし、そういう両面持った人が優れた作家と言えるだろう。これは建築家でも同じだとは思うが建築家の場合は社会性が優れていれば、少なくとも職業人としては認められるだろう。
松田達さんは非常に美術家に近い個人性を強く持ちつつ、その視線の先にはロマンティックとも言える社会的な夢を描いていて、一方の藤村さんは事業家的な視線で夢などは考えもせず冷徹に現実を捉え、その改変をうかがっている。その両者の際立ちをリアルな弁舌で聴く快感はなかなかのものであった。
その個人性をあらわにするリアルタイム感や局所感は、社会性を帯びざるを得ない一般的なラジオではなかなか見られないことで、ポッドキャストラジオならではの良さだろうと思う。


白濱雅也(しらはま・まさや)
1961年生まれ。1988年多摩美術大学美術学部デザイン科卒業。1990年頃より制作を始め、ネオポップやイラスト系具象絵画の先駆けとなる。その後既存の童話のイメージをリミックスしネガティブに変節する絵画や立体作品を制作。主な個展にギャラリーNWハウス、ギャラリー那由他、アートフォーラム谷中、マキイマサルファインアーツ、ギャラリー二葉奥の院、Caelum Gallery他。現在実験的スペース「深川ラボ」運営。

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藤澤卓也(大同大学 元山田幸司研究室)


わたしは山田幸司研究室に所属していたということで、今回、2010年の配信コンテンツの中から選ぶのではなく、あえて山田さんの出演しているラジオの中からBest5を選ぶという形をとらせて頂きました。ご了承下さい。

第1位 12A: カリスマ建築ガールズ 第3回「広島女学院大学 折口麻美さん」シリーズLab
第2位 48C: 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab
第3位 37C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第2部-外国放浪編)Lab
第4位 19C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第1部)Lab
第5位 28C: みちのくシリーズ「山田幸司への10の質問」シリーズLab

5~4位は山田さんの建築人生や生き方、そして悩みなどを、自身の言葉で聞く事の出来る貴重な収録です。そして1位は学生に厳しい一言。建築に対しての熱い思いも聞け、学生と会話する山田さんが生き生きしていました。また、普段から「パラパラポコポコ系はいけない」や「ハイテクをやってみろ」などと言っていた山田さんの事を思い出しました。なによりも山田さんの人柄がよく出ていると思い選ばせて頂きました。


藤澤卓也(ふじさわ・たくや)
1987年岐阜県生まれ。2009/4~2010/3大同大学工学部建築専攻山田研究室。2010/4~大同大学大学大学院工学研究科宇野享研究室所属。

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花房佑衣(建築系ラジオスタッフ)


第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
私が初めて足を運んだ建築系ラジオの公開収録であり、かつ、初めて聴いた建築系ラジオのコンテンツがこの「藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)」でした。そういった意味で、個人的にとても思い出深いコンテンツです。ずばっと物云う永山祐子さん、素敵です。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
とても興味深いコンテンツでした。歴史や空間やその他ラブホテルのあれこれについて、知らないことだらけでとても面白かったです。聴いて学んだことをそのまま友人に話したくなるような、そしてさらに自分でもいろいろ調べたくなるような、そんな魅力的なコンテンツでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編(全5回)
東京仕事百貨は以前から興味があり、よくホームページをのぞいていました。代表の中村健太さんのお話、大変面白かったです。「○○になりたい」と固執せずに、学んだことを活かして専門分野とは別の分野で働くこと、その可能性について考えさせられる内容で、視野が広がったように思います。

第4位 Archi-TV2010 総括──26時間を振り返って(全3回)
こちらも、私自身がArchi-TV2010にスタッフとして携わったことから、思い入れのあるコンテンツです。(収録には参加していないのですが。)同じ年代の建築学生の皆さんが、どんなことを考えているのかを知ることができて、すごく刺激になるコンテンツでした。

第5位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデートシリーズ
倉方さんの建築デートシリーズが好きです。建築を専門的に学んだことのない私でも、頭に「?」が浮かぶような難しい話がなく、純粋に楽しめるコンテンツでした。特に座・高円寺でデート編は、私自身が高円寺に住んでいるということもあり、お気に入りです。ゆるゆるふわふわした雰囲気が心地良いです。


花房佑衣(はなふさ・ゆい)
1987年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部所属。趣味、妄想、ぶらりひとり旅。建築ライターを目指してます。



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守行良晃(建築結社YSSK主宰)


第1位 YSSK TIME SPECIAL「トップ会談」
意外に、というかやはりこれが1位です。2010年1発目にして、建築系ラジオ様とYSSK TIME初の本格コラボ。番組内容はYSSK TIME側に主導権を与えていただきました。コアメンバーのパーソナリティを掘り起こす試みは興味深く、一定程度成果をあげられたという自負があります。3位に選んでいる番組と内容自体は全く同じですが、オープニング曲が違います。

第2位 44C: 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」(前半)Lab・全2回)
本当の1位です。理屈抜きに面白い。幸運にも収録現場に居合わせて、頬が痛くなるほど笑わせていただきました。伝説とか奇跡とか化学反応とか言葉にすると陳腐ですが、確かに伝説だし奇跡だし化学反応が起こっています。

第3位 43A: 建築系ラジオ新春企画「YSSK TIMEとの合同収録」Lab
第1位のコメントをご参照ください。

第4位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問Lab
大西麻貴さんといえば建築結社YSSKとは同世代で、卒業設計日本一決定戦以来頭ひとつ抜け出ている印象があります。コアメンバーとしての露出はまだ比較的少ないようですが、大西さんのご活躍を期待しています。

第5位 51A: 建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]Lab
twitterとUstreamと、新しいメディアをクロスオーバーしながら展開した一連の事件(?)の発端となった番組ですね。新たなスターの誕生を予感させました。が、その後の展開は尻すぼみで番組後半もお蔵入りということで、本来ならば第5位ですがランク外の次点とさせていただきます。

2011年も建築結社YSSKは建築系ラジオを応援しています。


守行良晃(もりゆき・よしあき)
1982年生まれ。京都の建築デブ。建築結社YSSK主宰。公認ぽむ企画チルドレン。建築設計事務所勤務。2007年建築結社YSSK結成。建築系ポッドキャスト「YSSK TIME」配信を中心に活動中。http://yssk.seesaa.net/

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大木翔太(建築系ラジオスタッフ)


第1位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
建築家、諦めました。

第2位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
ただ文字を規則正しく並べただけの魔法の道具。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
見たことのない景色がいっぱいある。

第4位 「失敗」をめぐって
(全3回)
    インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと(全3回)
死ぬまでにあと何回失敗できるか

第5位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
こうして建築系ラジオと関われているのもtwitterのお陰だったりするのです。


大木翔太(おおき・しょうた)
1987年群馬県生まれ。高校中退。その後入学した専門学校で建築の魅力を知り、2010年足利工業大学建築学科3年次編入。本と猫が好き。でも一番好きなのは自分。

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伊東一馬(建築系ラジオスタッフ)


第1位 書物の現在と未来 (全体討議・全7回)
第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第3位 失敗をめぐって(全3回)
第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点

第1位 書物の現在と未来
電子書籍が普及していく中で「本」の魅力を再考するいい機会になりました。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
一般のラブホテルというビルディングタイプの特徴に加え、円山町におけるラブホテルを多面的に、非常に分かりやすく解説しているコンテンツでした。

第3位 失敗をめぐって
自分自身、失敗をよくするので、聴いていて興味深かったです。人の失敗談を聞くことは、成功した話を聞くことより何倍も楽しくて惹かれます。

第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
東京がさまざまなイメージを持たれているということを知ることができました。この類のコンテンツでは結論をださないことは重要だと思います。この回はどこからが東京かということを話していましたが、違う内容で話しても面白いだろうし、「東京出身者からみた地方」などの違うタイプで内容があっても面白いと思います。潜在性の高いコンテンツだと思いました。

第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点
自分の感じていることがコンテンツになったという感じで非常に共感できました。


伊東一馬(いとう・かずま)
1989年愛知県生まれ愛知県在住。中部大学工学部建築学科3年。私物の中でパソコンの次に高額な物は眼鏡。趣味:サッカー/フットサル

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長門亮(建築系ラジオスタッフ)


第1位 瀬戸内国際芸術祭2010── 豊島美術館をめぐって (全2回)
私も瀬戸内国際芸術祭に行き、この豊島美術館を見てきたこともあり、この配信を楽しみにしていました。五十嵐さん、彦坂さん、北川さんなどの解説を聞き、自分で感じた事と聞き合わせながら、さらに読み取れなかったことなどを解説や感想から聞く事が出来たので、大変勉強になりました。さらこの収録では、豊島美術館にとどまらず、安藤さんとの比較、妹島さんとの差異などの解説も聞く事が出来ました。個人的に瀬戸内国際芸術祭の収録は全体的に好きな配信だったのですが、豊島美術館に収まらず、このツアーの要素がつまった収録になっていた気がしたので、選ばせて頂きました。

第2位 テン年代の建築を考える(全7回)
これは、前田紀貞さんのBar「TENZO」で収録されたものです。前田さんや、前田紀貞建築塾の学生の言葉がひしひしと伝わって来るのを感じました。音声だけでも、その場の雰囲気が伝わってきて、配信されている時期に大学の学生の間で、話題になっていました。

第3位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成──円山町ラブホテルデート編
建築系ラジオの新しい収録方法だなと思い、選ばせて頂きました。建築系ラジオ版「ブラタモリ」のような、実際に歩きながら、フィールドワークをしながら収録を行うという新しい形の収録がとても印象的でした。音声のみの情報しかないのに、わかりやすい説明で、聞いていてもすごくその場の情景が伝わってきました。内容も、北川先生がわかりやすく解説してくださるので、聞きやすいコンテンツでした。

第4位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
この収録は、たくさんの人が集まった収録でした。収録後の懇親会でもたくさんの人が集まり、学生を交えながらの収録が行われ、本当に飲みながら収録しているということをこの時に確認して、配信できるかできないかのギリギリの話(時にはNGになることも)が繰り広げられていました。でもそれが建築系ラジオの醍醐味でもあるし、私自身もこういった時にこそ、1人1人の本音や深い話ができるのだなと実感しました。

第5位 南研究室・建築デザインレビュー (シリーズ)
これは、私が所属する南研究室の活動の一つとして、建築雑誌の中から毎月1作品から3作品ずつ取り上げて、南先生と研究室の学生がレビューをするというコーナーで、建築系ラジオの連載のなかでも唯一、毎週配信するというコーナーです。そしてリスナーの方から、「いつも雑誌片手にこのコンテンツを聞いて勉強しています。」という話を聞いた時、ものすごくやりがいを感じたのを覚えています。南研の学生は勿論、他大学の知らない学生も一緒に勉強できるコーナーになっているんだなと実感しました。これは、コンテンツ単位ではなく、連載単位で印象に残っている配信です。


長門亮(ながと・りょう)
1989年生まれ。国士舘大学南泰裕研究室所属。趣味、ガラクタ集め。

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長江健太(TETSUSON2011代表)


まず、最初に私は全てのアーカイブを聞いている訳ではない事をお伝えします。見出しの面白さや興味のみで選んで視聴しているので、少し偏った意見になっているかもしれませんので、ご了承ください。

第1位 TETSUSON2011実行委員会インタビュー
選考理由は、自分たちにインタビューして頂いたからです。印象に残っていたという意味で圧倒的に一番だったのでベスト1に選ばせて いただきました。

第2位 交通から都市と建築を考える(第5回カルチベートトーク)(全4回)
「交通から都市を考える 」という視点に興味をもちました。なんとなく興味をもって聞いたのですが、移動という概念を「なるほど」と納得しながらメモをとりつつ、講義を聞いている気分でした。ありがとうございます。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
実際に展示会を観に行って、海外と日本の建築学科 の違いをうっすらと感じていたのですが、インタビューの内容を聞いてみて、両者の違いにある背景がわかりました。

第4位 インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと (全2回)
自分がインターンシップやオープンデスクを経験した事がないので、実際に参加した学生の話を聞ける機会が得られた事 が貴重でした。

第5位 作品から語るアートとデザインの違い
自分の持っているもやもやとした考えが少し明快になったかと思います。アートとデザインの違い、アーティストと職人の違いなどありがちな視点ですが、面白い話でした。




長江健太(ながえ・けんた)
1989年愛知県生まれ。千葉大学工学部建築学科在籍。TETSUSON2011代表。

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北川啓介(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab)(*1)
第2位 伊東豊雄「消費の海に浸らずして新しい建築はない」(1989)を読む(*2)
第3位 Interview with an Architecture student from Norway(*3)
第4位 五十嵐淳CAAKレクチャー(全3回)(*4)
第5位 テン年代の建築を考えるシリーズ(全体討議・全7回)(*5)
第6位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問(*6)
第7位 2010年3月号デザインレビュー(住宅特集)(*7)
第8位 東京理科大学建築教育論(全3回)(*8)
第9位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデート(シリーズ)(*9)
     奈良女子大学 伊井裕子さんと大阪デート(シリーズ)(*9)
第10位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(全5回)(*10)

「2010年の建築系ラジオをふりかえって」
建築系ラジオ第三期コアメンバー 北川啓介

建築、もしくは、建築することを伝達するには、建築物自体を通して理念や思想を伝える方法以外にも、様々なものがあります。現場での図面、撮影された写真、別途制作された模型、書籍や雑誌での文章、建築家によるスケッチ、コンピュータを活用したCG、別の空間での展覧会、来場者が集まる講演会やシンポジウム、まちづくりなどの打合せ、ネット上のブログ、他者との日常的な会話、小説や映画といった表現など、パッと思いつくだけでも、法学や経済学や商学や理学や医学といった他の分野と比べても多様な手段を施している。しかも、建築分野の人のみならず一般の人の生活の中にも大きな役割として浸透しています。
例えば、今年話題になった水木しげるさんや手塚治虫さんのマンガでも、マンガ喫茶で手にする少女マンガでも、シーンやストーリーを伝達する上での建築の寄与は計り知れないほど大きなものです。私がニューヨークで建築設計に従事していた約10年前は、欧米の建築学生の7、8人に1人がディズニーやハリウッドに代表される映画業界に進み、映画内で設定した建築や都市の様式の表現に今も従事しています。映画や小説の表現においても、建築に関わる、ローマやルネッサンスやバロックやロココなどの時代ごとの建築様式もそうですし、人々の実生活の空間を捉える眼や知見がなければ、SF映画でもファンタジー映画でも一般の人を魅了する表現にはなりえることはないのです。

いわば、建築を学んだ人や建築に関わる人と接していていつも感じるのですが、建築家や建築士や職人さんといった「職種」というよりも、建築的に思考する・構築する「職能」そのものが、建築分野の人がパッと想像する以上に、一般社会へ関係していっているのです。
建築系ラジオは、建築、もしくは、建築することを、「語り」としてそのまま伝達し続けています。年配の方から若手の方までの多様な建築の専門家へのインタビューから、蔵書として手にすることも手間がかかってしまう名著の朗読、建築学生の熱い想い、街を仲良く歩く中の会話、違う考えの専門家同士によるディスカッション、建築の境域に関わる人からのメッセージなど、この一年で、そのコーナーやコンテンツは、まとめることができないほど多様になりました。
前述のように、あまりに建築、もしくは、建築することが、一般社会や日常生活に大きく関係していますので、建築の全体像を捉えようと、ついつい、既にあった建築への切り口に頼ってしまうのは仕方のないことではあります。しかし、ひとりひとりのリスナーが、オリジナリティ、アイデンティティをもって建築に接する際、ひとりひとりが互いに感性を触発しつつ、積極的に行動し実践していくことがとても大切なことです。
建築系ラジオの2010年に関わらせていただいた中で、まずは、建築系ラジオ総体としての考えや動きよりも、建築系ラジオに関係してくださった数多くのとても多様な方々による、あたかもスペインのサッカーのような、ひとりひとりの想いを活かして活動ができたことに、未来に向かう大きな一年であったという認識と共に、全ての方々に繰り返し感謝します。
そうした中で、今回は、ベスト、というよりも、私が聞いている中で、新しい境地に踏み出していると実感したいくつかをご紹介します。

まず、2010年3月24日、こうした境地を切り開かれてきた建築系ラジオ初代コアメンバーの山田幸司さんが登場する最後に残ったコンテンツ(*1)が配信されました。建築に関わる設計活動や教育活動においても、巨匠建築家とも若手建築家とも初学生とも誰とでも隔てなく語り合うことで建築を探求していく、いわゆる山田式対話主義はこの建築系ラジオにおいて全国的に知りわたりました。慕って名古屋まで足を運ぶ人も多かったのですが、その探求の新しい方法論をこれ以降、目の当たりにできないことを念頭に拝聴することで、悲しいとか淋しいとかいう感情よりも、建築系ラジオの始動に際しての山田幸司さんのかけがえのない開拓活動に、再度、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。お亡くなりになられてからしばらく、山田幸司さんの収録済みの音声が流れる度に、まだ日本のどこかで元気にお話しされている気にもなりました。そして、最後に残ったこのコンテンツを聴き終えるとき、建築系ラジオから、建築、もしくは、建築することに向かう多大な意義を具体的に感じ、それが2010年の建築系ラジオの活動の上で最も体が沸き立った瞬間でもあり、まさにそのとき感じたことが、このテキストの冒頭に述べたことです。
今から21年前の伊東豊雄さんの文章を、その頃に生まれた若き建築学生が朗読し、当時学生であったコアメンバーも交じって振り返ります。そのスタイル(*2)は、今の伊東豊雄さんの建築の意義を拡げて認識できるという点よりも、収録に登場した当事者のみならずそれを聴いたリスナーも自身の体験してきた時代と照らし合わせて想いを巡らせられ、建築系ラジオならではの醍醐味と感じ、若い気持ちを保つ上で、必聴です。
女子学生スタッフの松岡舞さんによるノルウェーからの男子留学生へのインタビュー(*3)は、国籍と性別は異なるけど、建築に関わる内容で意思が伝わった際の松岡舞さんの、それまで英語で会話していたのに、その意思が伝わった瞬間の、英語とも日本語とも違う擬声語にも似た、若い建築学生のきたる未来いっぱいの初々しさをも含んだ、頷いてるというよりも寄り添っているのかとも想像させる、「ふぅぅんっ♡」の数秒は、自分自身の学部生時代を思い出しつつ、若い建築学生のこれから何が起きる分からない無限の可能性を実感でき、思い出すだけで今でも体に電流が走ります。
五十嵐淳さんが自作を語り質疑に答えるレクチャー(*4)は、丁寧に言葉を選びながら語りつつも、難解な建築の専門用語というよりも、私たちをはじめ、一般の人々も日常生活で使用している言葉を組み立てて、あたかも、新しい文法を構築していくかのような語りに、五十嵐淳さんの建築物を仕立てていくその方法論と極めて関係が強いと感じました。漢字を礎にしつつその原理原則を読み解きつつ、必要に応じて平仮名や片仮名を織り交ぜて独自な日本語が誕生していった過程に似ていて、語りのみであるからこそ、五十嵐淳さんの建築設計論のオリジナリティが際立っていて、興味深く感じました。
テン年代の建築を考えるシリーズ(*5)は、正月明けに配信があった、大西麻貴さんへの10の質問(*6)と対比して聴くと興味深いです。10の質問の方では、ひとりの若い女性の姿がそのまま表現されています。合コンに例えると、まだ自己紹介を終えたばかりの男性陣と女性がお互いに少々の照れを見せながら話し合っている素朴な探り合いが続く序盤戦という感じで聴けて、時折、プスっと笑えて面白いのですが、テン年代の方では、あたかも合コンでちょっと前に争った恋敵に会ったかのようで、建築系ラジオを流しているパソコンも必死に脂汗を堪えているかのような討議でした。複数の違ったコンテンツが対比を為したからこそ大西麻貴さんのこだわりが強調されて認識できたという点で、非常に興味深かったです。
椎名英三さんによる聖居のデザインレビュー(*7)は、レビューしていること自体を椎名英三さんご自身には事前にお伝えしていなかったにも関わらず、配信後、椎名英三さんご本人からの御礼のメールがきっかけでその後もご本人との予想もしなかった交流が続いているという点で、建築系ラジオからの1本の配信が、その後、予想もしない様々な相乗効果を引き起こす好例として記しておきます。情報を伝達することのみに終始しない化学反応を起こすかのような建築系ラジオだからこそ、と実感しました。
東京理科大学建築教育論のシリーズ(*8)では、学生の皆さんが、自分を取り巻く環境と同時に自分自身をもしっかり批評し、後半、自分自身がどう関わっていくかを含めてしっかりと理想の教育論を展開していた点を高く評価したいことと併せて、一方で、MCを担当した松田達さんが、しっかりとその影武者、いや、間違えました、聞き手、もしくは、裏方として、彼らの語りを丁寧に引き出していたことが印象に残っています。学生の皆さんも松田達さんもイキイキ、ノビノビとしていて、一見、ネガティブな感じで終始しそうな内容にも関わらず、意外にも、最後まで心地よく聴くことができました。これまでの経験を生かして、松田達さん自身が大きなハードルをひとつ超えていると感じました。
カリスマガールと建築デート(*9)では、倉方俊輔さんが女性にアプローチする内容になると、倉方俊輔さんの声に#がかかり半音上がることの発見と、更に、だいたい時を同じくして、女性の声が少し大きくなり、ボイスレコーダーを掴む倉方俊輔さんの手が少しずつ女性に近づいていっていることを想像させ、音声ファイルの波形データとでもいうのでしょうか、そうした単純な音声信号から、建築におけるひとつの大切な概念である距離の遠近までもが伝わってきて、建築や空間って、本当にいろいろな分野と関係しているのだと体感しました。
藤村龍至さんをお招きして開催した公開収録(*10)は、私が企画を担当した最初の公開イベントでした。特に後半の討議の時間にて、藤村龍至さんご自身から、約10年前からの建築に向かう学部生時代から大学院生の時代や留学していた時代といった黎明期から、建築家や教育者として精力的に活動されている萌芽期とでもいうのでしょうか、現在に至るまでの、その年月での建築への思考の変遷を、数多くの成功と失敗を含む試行錯誤の上で築いてきたということを、語り言葉として率直に掘り下げてお話しいただけたことは、今でも必聴と言われ続けているコンテンツになり得ていることが示しているとともに、また、シークレットゲストとして登場してくださった上、ピンクのナースコスプレを着こなしてくださった永山祐子さんへも改めて感謝します。

2011年の建築系ラジオが、これからも実験的な試行錯誤と繰り返しつつ、化学反応を引き起こしつつ、新しい境地を切り開いていくことができればと願うとともに、いつも建築系ラジオを聴いてくださっている数多くの皆さん、そして、いつも建築系ラジオを支えてくださっている数多くのスタッフの皆さんにも、繰り返し感謝します。

以上。


北川啓介(きたがわ・けいすけ)
1974年3月26日名古屋市内の和菓子屋生まれ。建築家、研究者。専門は、建築設計計画、建築意匠、現代建築、都市計画、情報空間論、サブカル論、ナゴヤ論。1996年国立名古屋工業大学工学部卒業。1999年ライザー+ウメモト事務所など。2001年同大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。同大学大学院助手、講師、助教授を経て、現在、国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科准教授、名工大ラジオ局長。論文=『映画の中の都市と建築』、『和菓子と建築』など。報文=『マンガ喫茶白書 社会問題に先行するひとり一畳の聖域』(日本建築学会建築雑誌、2008年4月号)、『もうひとつの建築設計資料集成』(日本建築学会建築雑誌、2009年12月号)など。著書=『ハイパーサーフェスのデザインと技術』(彰国社、2005年)など。受賞=日本建築学会東海賞、名古屋市都市景観賞など。



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<回答者一覧>(その2)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
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さてさて、アンケートの第二回目の回答公開、皆様の回答からもそれぞれの建築系ラジオへの聞き方があるのだな、と再認識しています。自分に興味を持っていただいた回は是非聞いてみてください!まずはそこから!では、次回もぜひお楽しみに。


収録日時:2010年4月18日
収録場所:ヨコハマアパートメント/横浜市西区
収録時間:18分09秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:8.31MB
PLAY 出演者:平塚桂+石川翔平+栗生えりな+彦坂尚嘉+山崎亮+建築系ラジオコアメンバー

最近注目されているコミュニケーションツール twitter の、活用法と可能性をめぐる討議です。twitterオフ会として、文字ではなく音声で、新たなコミュニケーションの方法や意義、また建築との関係性を探ります。140字でつながる世界とは...? ON Design設計のヨコハマアパートメントでの、2時間10分に及ぶ公開収録分を、これから全6回にわたって配信します。シリーズの第1回目では、参加者のみなさんそれぞれの、twitterを始めた時期やきっかけが語られます。使い始めてから使い慣れるまでの、twitterに対する認識や使い方の変化、自分に課していらっしゃるルールなどが聞き所です。(R. Nagakubo + R. Hirata)

・出演者プロフィール
平塚桂(ひらつか・かつら)
1998年京都大学工学部建築学科卒業、2001年同大学院工学研究科環境地球工学専攻修了。建築ライター/ぽむ企画。twitterアカウント @pomukatsura

石川翔平(いしかわ・しょうへい)
1982年愛知生まれ。2006年東京工業大学建築学科卒業、2007-2008年スイス連邦工科大学留学、2010年東京工業大学大学院建築学専攻修士課程修了。現在、建設会社勤務。twitterアカウント @siskw

栗生えりな(くりゅう・えりな)
1988年生まれ。東京大学工学部建築学科4年。twitterアカウント @ryu_t

建築系ラジオパートナー
彦坂尚嘉 @hikosaka
山崎亮 @yamazakiryo

建築系ラジオコアメンバー
五十嵐太郎 @taroigarashi
南泰裕 @minamilab
倉方俊輔 @kurakata
北川啓介 @kitalab
松田達 @tatsumatsuda
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