建築系ラジオ: 検索結果

「バーネット・ニューマン」と一致するもの


2010年最後を飾るコンテンツは、建築系ラジオ年末アンケート企画第3弾です。多くの方から回答をいただき、ついにこの企画も三回目となりました。今回は建築系ラジオを盛り上げてくれた建築女子のメンバーと、建築系ラジオのコアメンバー・パートナー・スタッフと、建築系ラジオを陰で支えている人たちをメインに、今年一年の建築系ラジオを振り返ります。(大木翔太)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b):上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その3)

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大西麻貴香野あゆみ上篠美里植松千明島矢愛子近藤洋輔彦坂尚嘉川勝真一榎本真希南後由和平山善雄倉方俊輔(順不同)
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大西麻貴(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 テン年代の建築を考える(全体討議・第7回)
前田紀貞さんの愛のある叱咤激励に、建築への気持ちを新たにしました。

第2位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
本や、書店に興味があるので、普段聞くことの出来ない話ばかりでとてもおもしろかったです。

第3位 信州大学 鍋田莉江さんと東京カテドラルでデート
カテドラルに入った瞬間、音と共に空間を感じられたのが素晴らしい。

第4位 南泰裕のアーキソフィア(シリーズ)
丁寧で、わかりやすくて、考えさせられます。南さんの声も好きです。

第5位 声に出して読みたい建築論(シリーズ)
大学での勉強会を思い出しました。参加する学生が、予習をしてからのぞむともっと面白くなると思います。


大西麻貴(おおにし・まき)
1983年愛知県生まれ。2006年京都大学工学部卒業。2008年東京大学大学院建築学専攻修了。同年より同大学院博士課程藤井明研究室所属。大西麻貴+百田有希共同主宰。作品=「夢の中の洞窟」(MOT×Bloomberg PUBLIC 'SPACE'  PROJECT 2009) http://oaharchi.exblog.jp/

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香野あゆみ(建築系ラジオスタッフ)


第1位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
私は直接この収録現場で皆さんのお話を聞くことができました。深いところまで話題は進み、盛り上がりました。皆さんの本に対しての愛情をとても感じることができたと思います。私は単純に何故本を読むのかと考えたときに、知識を増やすためだとか、非現実の世界に飛び込むためだとか、人それぞれ違うと思いますが、私は寝る前に本を読むことですぐに眠れるなどといったリラックス効果も生まれてくるのではないかと思います。そのためにはやっぱり私は電子書籍よりも紙で読みたいな等色々考えさせられました。本を読む時間をもっと大切にしていきたいと思います。

第2位 「失敗」をめぐって (全3回)
人は失敗を繰り返して成長していくもの。そうわかってはいるものの、やっぱり失敗して人に迷惑をかけてしまったら、本当に落ち込みます。これを聞くとそんな悩みをみんなで共有している気がしてきて、ちょっと安心しちゃったりします。

第3位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点
隣の大学ではどんなことをやっているのだろうと気になることがよくあります。自分の大学にはない面白そうな課題や授業のことを聞くと、ますます自分も頑張らなくてはと喝が入ります。大学の垣根を越えてお互いが感化される場を作り、また全国の離れた学生たちを繋げてくれる建築系ラジオはとても大きな存在だと思います。

第4位 韓国の建築と日本建築の相対化を考える

第5位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
日本を飛び出して建築を見に行くことはなかなかできません。また、留学したい!願望の強い方はついついこのコンテンツを聞いてしまうのではないでしょうか。なかなか触れる機会のない海外の大学で行われている教育方法のことを聞くと、世界は広い...と思わず言ってしまいそうになります。留学して活躍している方のお話を聞き、もっと世界を知りたい、もっと世界を体験してみたいと思いました。


香野あゆみ(こうの・あゆみ)
1989年福岡県生まれ。北九州市立大学建築デザイン学科所属。知らない人としゃべるのが好き。イタリアが好き。

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上篠美里(建築系ラジオスタッフ)


第1位 建築系ラジオカードコンペをめぐる討議(全3回)

第2位 書物の現在と未来[5/7]──幅允孝「空間を本で演出する意味とは?」(全体討議・全7回)

第3位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第4位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)

第5位 ノルウェー人留学生Jostein君へのインタビュー



上條美里(かみじょう・みさと)
1989年福岡生まれ。北九州市立大学国際環境工学部建築デザイン学科所属。夕方とフラミンゴが好きです。

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植松千明(建築女子・knot! メンバー)

いつも楽しく建築系ラジオを聞かせていただいています。また、何回か出演させていただき、本当にありがとうございます。建築系ラジオを通して、さまざまな人と出会え、とてもすてきな経験をたくさんさせていただきました。地方で学んでいる私にとって建築系ラジオは、情報源でもあり、モチベーションを保つためのツールです。身近に学生団体を主催している方や建築を学ぶ女の子が少ないので、学生団体や女の子たちのコメントは、とても励みになりました。これからも、さまざまな企画を楽しみにしています。建築以外の多くの方に聞いていただけたらなと思います。今回、気になっている何点かについてコメントをさせていただきました。

第1位 学生時代にやっておくべきこと(全体討議・全5回・r4
非常に参考になる収録でした。就職活動をするか、大学院の進学をするかという問題は一度考える問題です。この収録はとても心に響くものがありました。何度か聞いてしまったくらいです。なかなか、地方にいると進路の情報も少ない中、このような経験談を聞けるという場があることがものすごく助かりました。これからも、このような企画を楽しみにしています!

第2位  土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)

「土木と建築」
私事になってしまうのですが、私自身、土木と建築とが一緒の学科に所属をしています。ですが、土木のことはほとんどなにもわかりません。しかし、この夏に八潮ワークショップという、5大学で共同設計を行うWSに参加し、公園の基本設計を行いました。参加校のなかの土木学科の茨木大の寺内研究室がいます。設計を行っている際の扱うスケールや視点が建築学科の学生とは違っていて、とても新鮮でした。そのような経験があったので、土木系ラジオにとても興味を持ちました。また、寺内研究室の方から、土木系の学科では意匠論の研究に対して、まだまだ理解が少ないという話を聞いたことがあります。都市において、「ものを創る」といった点で同じものである両者が、改めて互いを理解する事でこのような企画で、少しでも建築、土木両者の穴埋めを期待したいという話も伺いました。両者の接点や差異、またはさまざまな可能性を知る機会ができたのを私自身嬉しく思いました。これからもコラボ企画を期待したいです。

第3位  自由と拘束、自律と他律をめぐって(信州大学設計製図講評会にて)

坂牛先生の収録1「自由と拘束、自律と他律をめぐって」
我がボスの収録を外すわけにはいきません!信州大学は、坂牛先生がいらっしゃってから、先生を筆頭に意匠設計の土壌をつくりあげてきました。意匠設計の勉強する土壌がほとんどないところから、代々の先輩たちが築き上げて来た環境の中で勉強をしています。なので、信州大学は、2年生からM2のみんながとても仲がいいです。その様子と坂牛先生が私たちの個性をのばしてくれる教育が信州大学講評会の収録から伺えると思います。私の自慢の学校の様子をぜひこれからはいる後輩たちをはじめ、意匠研が少ない学校の人たちなど、多くの人に聞いていただけたらと思います!これからも、多くの学校の様子を紹介していただきたいです!また、この収録をきっかけに信州大学の全体のモチベーションはとてもあがったと感じています。建築系ラジオのみなさんには、本当に感謝をしています。ありがとうございました。

第4位  スタッフ討議──大学間の差異と共通点

スタッフ特集「学校間の差異と共通点」
何気ないスタッフの会話が、新鮮でいいなと感じました。学生の活動の収録を聞くたびにとてもモチベーションがあがります。他大学との交流する機会が増え、気軽に他大学のことを知ることができるようになった今、自分の大学の良さやアイデンティティーを改めて考えるいい機会なのではないかと感じました。また、収録でも述べられている共通点がなにかの原動力になればいいなと思いました。

第5位  twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)


第6位  坂牛卓インタヴュー 建築の規則を超えてr4

坂牛先生の収録2「建築の規則を超えて」
坂牛先生の著書、『建築の規則』は、信州大学のデザイン論の教科書でもあり、私の一番好きな建築の本です。建築の規則を読んでからまたこの収録を聞くと、とても新鮮に感じると思います。ぜひ、信州大学の意匠設計を育て上げている先生の話を多くの方に聞いていただきたいです!本の出版を記念しての収録や本にまつわる回の配信は、いつも非常に楽しみにしています。やはり、著者の生の声が聞けるというのは、建築系ラジオの一つの魅力であると感じています。

第7位  建築家をあきらめろ!建築学科卒、だけど仕事は建築以外。(全体討議・全6回)


第8位  声のオープンハウス 1 隈研吾建築都市設計事務所《下関市川棚温泉交流センター》 r4

「想像する楽しさ」 声だけのオープンハウス
一般の方って、どこかで建築家の建てた家って奇抜でどこか住みづらいみたいなイメージを持っているのではないでしょうか。でも、現役の建築家がどのようなことを考えて家を建てているのか。建築系ラジオのよさは、生の声を聞きながら自分で想像できることではないでしょうか。想像してみて、実際に見てみる。そのときに、今まで想像もしなかった建築との新たな出会いがあるのではないかな、と思います。私自身がしたいというのもありますが、多くの方に、そんな出会いをしていただけたらいいなと思いました。

第9位 建築家になる方法(シリーズ・Lab


第10位 カリスマ建築ガールズ(シリーズ・Lab



植松千明(うえまつ・ちあき)
信州大学工学部社会開発工学科建築コース坂牛研究室4年。建築女子、knot!所属。趣味:美術館巡り、映画鑑賞。

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島矢愛子(建築女子メンバー)

まず、選んだ理由として、普段から建築以外にそれを取りまく分野/出来事との繫がりが気になっていてそのような観点から選びました。

第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
Twitter上で自らをメディア化し、自身の建築論「批判的工学主義」や「超線形プロセス論」用いた建築教育を展開していく藤村龍至氏。この収録を聞くまでは藤村さんがいかなる人であり、いかなる建築論を提示しているのかよく分からず、謎の建築家でした。でも、実際に公開収録へ行き、藤村さんの提唱する建築論を聞いて共感した覚えがあります。

第2位  twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
身近な「twitter」に関しての公開収録のラジオです。タイトルは一見堅そうですが、twitter著名人による始めるきっかけやtwitterを通してのつながりなど。ほとんど個人の経験から語られているのでへんな理屈っぽさなしに聞く事が出来ました。

第3位  土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)
美術系、都市系に続き出来た土木系ラジオ。土木も他の系と同様に、建築との関係を切っても切れないと思う中で、実際に土木の実情は全く聞いた事がなくすごく新鮮でした。西村さんが前向きに「土木」を変えようとしている熱い語り口が印象に残ります。

第4位  「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
南洋堂のN+ギャラリーで行われた日本の学生が海外に留学した成果を展示する展覧会。すごく行きたいのに行けなかった展示ですが、海外からスカイプによる作品説明が行われたりと、ラジオを聞くだけでも展示を見るだけでは分からない主催者側や出展者の意図を垣間見る事が出来ました。

第5位  Archi-TV2010総括──26時間を振り返って(全3回)
Archi-TV2010には私自身レビュアーとして参加させて頂きました。私はArchi-TVに元々抱いていた疑問があり、今年のArchi-TVを体験してもこの疑問は払拭されないままでした。この収録で運営側の学生と話してみてArchi-TVに対してどのような事を考えて企画を進めていったのかが明らかになりました。


島矢愛子(しまや・あいこ)
1987年生まれ。日本大学理工学部建築学科4年。Archi-TV2010 RealTimeReview!!!レビュアー。twitterアカウント @aiko0412

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近藤洋輔(建築系ラジオスタッフ)


第1位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
はじめて生で見た討論なので印象がとても強い。コアメンバーも多く参加し、討論もかなり白熱していて、それぞれの性格が表れているような気がする。また、その後も「松田達展」として発展していくことで高いレベルの建築論が語られている。

第2位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
出演者は、西村浩さん、山崎亮さん、コアメンバーの倉方俊輔さんの3人と比較的少ないのだが、話は次々と発展していく。内容はランドスケープの話題が中心で、地元の人がどう感じるか、何を求めているかなど建築の根源的な目的と、受け入れられた時の喜びを思い起こさせてくれる。

第3位 南研究室・建築デザインレビュー(シリーズ)
学生必見のコンテンツである。私もラジオを聞きながら雑誌を見ている。ついパラパラと見過ごしてしまう記事にもスポットライトが当てられていて新しい発見がある。a+u2月号のアフリカのMMA Architectの回が印象的だ。

第4位 ヴェネツィア・ビエンナーレ─おすすめの展示は?
収録したファイルを現地から送信し、直後に配信した。建築系ラジオのパワーと可能性を再発見する回であった。

第5位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
こんな話は他で聞くことができない。まさにもう一つの建築資料集成で、内容が濃くてレアなコンテンツであった。

私にとっての建築系ラジオ
─建築系ラジオスタッフ以前─
建築系ラジオを聞きはじめたのは2010年6月頃であった。以前から知ってはいたが聞いていなかった。それを聞き始めるようになったのは、建築について知りたいという欲求と、同世代の建築学生はどういう活動をしているのだろうという不安がきっかけである。そうして私はリスナーになった。私にとって建築系ラジオは小説のようなものであった。日々配信されるコンテンツを聞いていくうちに「登場人物」が増えていく。建築系ラジオではツアーが開催されており、そこでの収録も配信されている。私からしたら小説の中の「できごと」であり、物語は重層化されていき、聞いていてわくわくした。そうして建築系ラジオに魅了されて暇さえあれば聞くという状況が続いた。そんな中、衝撃を受けるできごとがおこる。建築系ラジオコアメンバー山田幸司氏の訃報である。配信を聞き進めるにつれて、話し振りなどからその人の性格を推察することができた。会ったり、話したことの無い音声の中の人物であったとしても、とてもさびしい思いをしたことを覚えている。また、不思議な感じがした。自分が聞いたのは配信後かなり時間がたっていたのに、リアルタイムで起こっている事のようにさえ感じられた。中心人物を亡くした後も建築系ラジオは続いていく。

─建築系ラジオスタッフになって─
新しくできた建築系ラジオポータルサイトでスタッフ募集の告知を見かける。私は2日間くらい迷った末メールを送った。これは自分にとってかなり大きな行動であったと振り返ることができる。その直後、松田達さんの展覧会があり、その後の飲み会にも参加した。そこで見る建築系ラジオメンバーの討論はかなり迫力があって感動した。その後、ミーティングや、建築ツアーなどに参加するようになり、私にとって建築系ラジオはライフワークになっている。


近藤洋輔(こんどう・ようすけ)
1990年愛知県生まれ。静岡文化芸術大学空間造形学科所属。趣味は食事、知らない街を散歩すること。

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彦坂尚嘉(建築系ラジオパートナー)


第1位 上村松園展(東京国立近代美術館)建築系美術ラジオ・第3回)
国立近代美術館の上村松園展を見て、藤原えりみさん、糸崎公朗さんらを交えての座談会で、非常にすぐれた美術批評になっていた座談会。評価の高い上村松園を、多角的に論じて、非常に新鮮な収録でした。

第2位  45B:建築系美術ラジオ「新春の集い」建築系美術ラジオ・全4回・Lab
2006年と2008年に開かれた彦坂さんと南さんによる「建築と美術のあいだ」展に併せて開かれたシンポジウム記録を、とりあえずは出版するつもりでゲラまで作成した白濱雅也さん。現在この原稿が(株)彩流社から出版されることになって、編集がはじまっています。その原稿をもちよって、まだ出版社が決まらない段階で開催されて編集会議です。出版の本質をめぐって、本質的な話が展開している良い座談会でした。

第3位 高橋堅さんの「BRASS CLINIC」を訪れる建築系美術ラジオ
『新建築』2010年3月号「リノヴェーション」特集に掲載された「BRASS CLINIC」を設計者の高橋堅さんにご案内いただいて、浦安の病院を見学した放送。真鍮と漆喰塗りの壁、12mm厚のガラス板とモルタルの床で構成された病院です。きれいな建築で、鑑賞構造をもった建築をろんじていて、良い収録になっています。

第4位 バーネット・ニューマン展(川村記念美術館)建築系美術ラジオ・第3回)
バーネットニューマンの美術展を見て直後に論じ合った番組で、批評番組としてすぐれていました。参加してくれた若い人たちの批評眼が新鮮で面白かったです。

第5位 35A:建築系ラジオ緊急謝罪会見「『こたつ問題』欠席裁判」 Lab
こたつ問題そのものが、よくも悪くも今日の建築界のイメージコンペの問題を切り出して、スリリングな展開になった重要な番組シリーズでした。批判もありましたが建築系ラジオの存在と威力をしました良い番組と言えると思います。この放送が伏線になって山田幸司さんの死につながったともいえる、第一期建築系ラジオの頂点だと思います。


彦坂尚嘉(ひこさか・なおよし)
946年東京生まれ。美術家、美術史批評家、ギャラリスト。1970年多摩美術大学絵画科油彩中退。文化庁在外研修員としてペンシルバニア大学大学院に留学。現在、立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。第1回リスボン建築トリエンナーレ出品。著書=『反覆/新興芸術の位相』(田畑書店、1974)、『彦坂尚嘉のエクリチュール』(三和書籍、2008年)、共著=『リノベーションの現場』(彰国社、2005年)、『空想・皇居美術館』(朝日新聞社出版、2010年出版予定)

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川勝真一(建築系ラジオパートナー)


第1位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第2位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」(全2回)

第3位 藤原徹平×西村浩「下関市川棚温泉交流センターのプロセスから」(全5回)

第4位 せんだいスクール・オブ・デザイン06──小野田泰明先生インタビュー「都市のコンベンション機能」



川勝真一(かわかつ・しんいち)
1983年生まれ。建築家、リサーチャー、RAD代表。京都工芸繊維大学大学院建築設計学専攻修了。2007年に建築的領域の可能性をリサーチするプロジェクトRAD(Research for Architectural Domain)設立。また2008年にプロジェクトスペースradlab.を設立。2009年より、レクチャープログラム「QueryCruise」、建築ギャラリー「rep」などを企画、運営。

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榎本真希(建築系ラジオスタッフ)


第1位 カリスマガールと建築デート(シリーズ)

第2位 南研究室・建築デザインレビュー(シリーズ)

第3位 建築系ラジオカードコンペをめぐる討議(全3回)




榎本真希(えのもと・まき)
1989年新潟県柏崎市生まれ。長岡造形大学建築・環境デザイン学科/建築コース所属。常に研究室にこもっています。構造について研究中。

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南後由和(建築系ラジオパートナー)


 * 編集部注記:南後由和さんから、下記は特に順位なしで、配信順に挙げてある旨の連絡頂きましたので、当初第1位から第5位の表記だったものを、箇条書き表示に変更してあります。どうぞご了承下さい。 

「状態としての建築──際の操作性」(『Review House Vol.2』所収)レビュー
『JA』70号(「風景の解像力──30代建築家のオムニバス」)および同誌の連動企画である展覧会(INAX:GINZA、2008年6月28日〜7月5日)についての拙稿レビューを取り上げていただいたので。この場をお借りして、簡単にリプライさせていただきます。『JA』誌上における8名の建築家の選定意図など、メディアの編集の恣意性を看過すべきでないという点、また東京芸大出身の4名のみに焦点を当ててゼロ年代の建築家の傾向を代理表象させてしまっている点への五十嵐太郎さんらからの指摘と批判はごもっともで、それらの前提条件の操作について言及すべきでした。裏話的な言い訳をさせてもらうと、『Review House』はインディペンデントな雑誌で、「編集部と書き手のやり取りに時間をかけ」るところが特色のひとつです(『Review House』HPより)。初稿では8名全員の建築家についてレビューを書いていたのですが、見開き2ページという分量ということで、1名の建築家につき一言紹介する程度の広く浅い内容になっていました。そこで、対象とする建築家や切り口を絞ってほしいという依頼を編集部から受けました。そのため、芸大出身の若手建築家の台頭が近年の特徴のひとつだという点に着目し、乱暴であることは承知のうえで、4名に絞ったという経緯があります。また、以前はあまり書いたり議論したことがない建築家の仕事について言及してみたいという思いもありました。『JA』の編集意図や恣意性について触れるべきだと思いつつも、自分のレビューに同様の問題があることを自覚していたので難しかったというわけです。及ばなかった点は他にもあると思いますが、いずれにせよ、建築専門誌ではない媒体での拙稿に注目していただき、ありがとうございました。レビューがさらにレビューされ、とても勉強になりました。

ウィリアム・ケントリッジ展
東京国立近代美術館の展覧会を見てとてもよかったので、建築系ラジオの方々がどう思われたかの感想が気になりました。ご近所の井戸端会議に遠隔から聞き耳を立てているような感じがして面白いです。

植田実氏も語る。建築メディアは本当に信用できるのか?われわれは何を拠り所に建築を考えるべきなのか?
建築ジャーナリズムを牽引されてきた編集のプロである植田さんが建築系ラジオという新たなメディアにどのような感想を持たれるのかに注目しました。学生など若手の書き手にも開かれた『都市住宅』の編集をされていた植田さんと、多くの学生スタッフが関わっている建築系ラジオには共鳴するところがあるのではないかと感じました。

藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全7回)
シンポジウムなどではなかなか見ることができない舌戦が見物、いや聴き物。藤村龍至さんとは批判的工学主義についてともに議論してきたので、同席できなかったのが悔やまれます。

U-30 Under30 Architects exhibition 出展者インタビューr4・シリーズ)[1][2][3]
残念ながら展覧会に行くことができなかったので、様子を垣間見たいなと。30歳以下の関西を中心とする若手建築家の「生の声」を速報する、これも全国各地で展開する建築系ラジオならではの魅力だと思います。


南後由和(なんご・よしかず)
1979年大阪府生まれ。社会学、都市・建築論。東京大学大学院学際情報学府博士課程を経て、同大学院情報学環助教。桑沢デザイン研究所、駒澤大学、法政大学、早稲田大学非常勤講師。共著書=『都市空間の地理学』(ミネルヴァ書房、2006年)『路上のエスノグラフィ』(せりか書房、2007年)Atelier Bow-Wow: Behaviorology(Rizzoli、2010)など。論文=「コンスタントのニューバビロン×建築界(1)(2)」「有名性と『界』の形成──建築家の事例分析に向けて」など。

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平山善雄(建築系ラジオスタッフ)


第1位 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab

第2位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)

第3位 建築系フォーラム2010「地方建築家のロールモデルを考える」(全2回)

第4位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編

第5位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデートシリーズ


温度の伝染するラジオ
ふらっと参加した建築系フォーラム2010(広島国際大学Scale主催)にて、松田達さん、北川啓介さんとはじめてお会いし、そのまま朝までご一緒させていただきスタッフになることになったのが約一年前。その場で収録も行われ、オープンで熱気を帯びたラジオの雰囲気にすっかり感化されたのでした。毎日配信されるコンテンツは、抽象的な議論から、具体性を伴った実務的な話題、さらには癒し系コンテンツまで多岐に渡り、欲張りな建築胃袋を満たし、一筋縄ではいかない日々の設計活動へのガソリンを注いでくれます。ランキングでは、1.笑いたいとき、2・3.まじめに建築について考えたいとき、4.建築的未知の領域に踏み込みたいとき、5.建築を案内する男の振る舞いについて学びたいとき(笑)という印象に残った4つのラジオ欲によって選出してみました。


平山善雄(ひらやま・よしお)
1983年広島生まれ。2008年九州大学大学院竹下研究室卒。東京でのアトリエ事務所勤務を経て、現在福岡の設計事務所勤務。趣味、ウェブ上を徘徊して最新MP3を漁り、懐の許す限り本を買い、お酒を飲みたい。

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倉方俊輔(建築系ラジオコアメンバー)

遠巻きに聴いていた建築系ラジオに、ぐっと参加させていただいた2010年でした。同時に4月から、福岡県北九州市の小倉にある西日本工業大学に赴任しました。そんなこともあって東京とか、東京以外のこととか、メディアの可能性とか、あれこれ考えた1年でしたね。コアメンバーとして加わるにあたって、自分なりに「建築系ラジオ」って何だろうと考えました。そして、それは「今まで現れていなかった声を顕在化させる」ことではないかと。その前に、前提としては、建築系ラジオって、「共通認識」や「使命」と遠いところにあるのが面白いところだと思うんですよ。「共通認識」を強要するピラミッド型の組織でもないし、「使命」を持って何かを遂行するマニフェスト型でもない。だからこそ、それぞれが自由に、好きなことで動いて、強度のあるコンテンツも生まれる。全体として、社会に貢献していなくもない。そうした現象を可能にしている最少の共通認識と、結果としての最大の使命が「今まで現れていなかった声を顕在化させる」ことではないかと自分は捉えています。もちろん「今まで現れていなかった」というのは、目指すべき可能性の極であって、「現れにくかった」と言った方が適当かもしれませんが、実はそうしたことはけっこう多いはずです。例えば・・・耳通りの良い建前ではない《本音》、堅苦しい語りではないけど時に真実を突く《冗談》、なんだかんだ言ってメディアが集中している東京ではない《東京以外》、見られる容体ではなく(でありながら)行動する主体としての《女子》、名前を知っている大学の卒業であれば全体から見たら少数派の「エリート」です!ということで《エリート以外》・・・実はマジョリティなのに小さくさせられている声って、周りにたくさんあると思うんですよね。インターネット等の発達で、誰でも発信できるようにはなった。でも、相変わらず、そうした区分のほとんどは続いているように見えます。社会ってそういうものだし、だから良い所もあるんですけど・・ただ言えるのは、新たなメディア装置が生まれたからと言って、そうした状況がオートマティックに変革するわけではないということでしょう。その点、建築系ラジオには志がある。いや、違うな。志なんか無いや(笑)。コアメンバーからして、みんな適当だし、そもそもの始まりからして、酒飲み話を放送したら楽しいんじゃないかと五十嵐さんと山田さんが意気投合したということだし、建築系ラジオの理念とは何だなんて話は、した試しがない。でも、上に述べたような性格というのは共通しているように見受けられるのです。そして、コアメンバーもスタッフも、それぞれが思いを抱いて、勝手に貢献する熱意を持っている。だから、私も新たな声を、このメディアを使って、できるだけ流せたらと。自分とは異なる視点や情報に接すること、息抜きになること、自分が一人ではないと思えること、それは各人が次の建築を生み出す基盤にもなると信じるからです。

第1位 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」Lab
とにかく面白い。スター建築家事務所の光と影をさらっと笑いで包み込む。この1年間、ここに山田さんがいてくれたらと思うことは、一度や二度ではありませんでした。ほんとは世間に満ちあふれているのに現れない声を引き出せる、山田幸司という人間が希有な才能の持ち主だったことを改めて思わされます。

第2位 カリスマガールと建築デート(シリーズ)
解放すべき声は、まず自分の中にあるのでは?ということで、山田さんの「カリスマガール」の言葉を引き継いで企ててたのが「建築デート」のコーナー。しかし、やってみたら、心理的にたいへん。次に何を言われるか分からない、ということがこれほど緊張するものとは。0.数秒の間やイントネーションのほうが、雄弁に語ったりしますから。でも、そういう活字外の情報(しかも気をとられる視覚情報が無いので余計に)が、建築系ラジオの面白さだったりしますよね。全体討議の会で特に思います。あと、収録の時には気づかなかった周囲の音から、場の雰囲気が感じ取れて一興です。この出たとこ勝負に付き合ってくれている女子に感謝!女の子の方が勇気あると思う。見習わなくては。
 
第3位 DESIGINING2010展公式トークイベント「TRANSMISSION/トランスミッション」(全4回)
井手健一郎さんらが毎年福岡で開催しているデザインイベント「DESIGING」のトークイベントに参加したので、当日に思い立って収録させてもらいました。井手健一郎さん、末光弘和さん、平瀬有人さん、藤村龍至さん、藤原徹平さん、加藤孝司さんというメンバーが福岡・大名に集結。福岡県に赴任して早々の4月末だったので、思い出深いです。観衆の皆さんの雰囲気がとても良くて、こういう場が東京以外で持てること、それに皆が触れられるのが現在だなあと。「せんだいスクール・オブ・デザイン」のシリーズも勉強になるレクチャーで、今後さらに期待されます。

第4位 建築系ラジオ忘年会withスタッフ──2010年の建築系ラジオを振り返る(全2回)
各地のスタッフの協力無しに、今年の建築系ラジオはありえませんでした。さまざまな大学から集まっていること、東京以外が目立つ(というか他のメディアが東京に偏りすぎている)こと、女子の活躍が特徴で、これも時代を映しているのでしょう。建築系ラジオのスタッフの躍進は2010年の大きな出来事です。2011年にはますます大きな役割を果たすに違いない。楽しみ。

第5位 土木系ラジオ+建築系ラジオ合同全体討議 (全体討議・全5回)
シリーズ「建築」を超えろ!で山崎亮さん、藤原徹平さんと対話された西村浩さんらが、新たに「土木系ラジオ」をスタートさせました。発足を記念した建築系ラジオとのディスカッション。今まで現れていなかった声を顕在化させる。そんな静かな変革は土木の分野にも拡がっているようです。


倉方俊輔(くらかた・しゅんすけ)
1971年生まれ。建築史家。西日本工業大学デザイン学部建築学科准教授。著書=『吉阪隆正とル・コルビュジエ』(王国社)、共著=『東京建築ガイドマップ―明治大正昭和』(エクスナレッジ)、『吉阪隆正の迷宮』(TOTO出版)、『伊東忠太を知っていますか』(王国社)など
http://kntkyk.blog24.fc2.com/
http://twitter.com/kurakata

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<回答者一覧>(その3)

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大西麻貴香野あゆみ上篠美里植松千明島矢愛子近藤洋輔彦坂尚嘉川勝真一榎本真希後由和平山善雄倉方俊輔(順不同)
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アンケートの第三回目の回答公開、いかがでしたでしょうか。「このコンテンツはこういった見方もあるのか」、「このコンテンツはよく聞いていなかった。もう一度聞いてみよう」などなど、新しい発見があるのが、このアンケートの面白さだと思います。皆さんもお気に入りのコンテンツを探してみてください。では、次回もお楽しみに。そして、よいお年を。来年も建築系ラジオをよろしくお願いします。



前回様々な方々にご協力をいただき実現した、様々な方々にこの一年で印象に残った建築系ラジオのイベントやコンテンツを選んでいただく、アンケート企画の第2回です。前回は、多くの方に共通して選ばれるものから、個人から強い思い入れを受けているものまで、いろいろなコンテンツやイベントが挙げられました。今回もポータルサイト、Lab、r4と、さまざまな発信元から、多様なコンテンツが挙げられています。さて、今回は建築系ラジオに対する、回答者の方々のどのような感想や想いに触れることができるのでしょうか。(関口達也)

<質問>
(a):2010年に建築系ラジオのコンテンツとして配信された音声ファイル(ポータルサイト、Labr4)やツアー、イベントなどから、最も印象に残ったものを、ベスト5(もしくはベスト10)として挙げて下さい。
(b):上記に関連する文章を自由に記述して下さい。

<回答者一覧>(その2)

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南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
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南泰裕(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第2位 豊田高専SD研究部インタビュー──高専ってどんなところ?
第3位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
第4位 金壽根《空間社屋》を訪れる──金壽根の活動と韓国初の建築雑誌『空間』をめぐって
第5位 伊東豊雄インタビュー「現代建築の向かう先」
第6位 テン年代の建築を考える(全体討議・第7回)

コメント
自身が担当しているコーナー(アーキソフィア、南研究室・建築デザインレビュー)を除き、建築系ラジオならではの収録を選んだ。
建築系ラジオは、生放送ではないものの、大幅な編集を行わない準ライブ的な収録をベースとしている。だから、公開収録はいつもどこかしら、予期せぬハプニング性を帯びている。それが参加する人たちにとっての醍醐味となり、リスナーにもわくわくした感じを与え、生きた建築活動の現在をダイレクトに伝えている。1の北川さんのラブホテルデート編や、6の前田紀貞さんとの「テン年代の建築を考える」は、そうしたハプニング性がもっとも良く表現されているものの一つ。特に、北川さんのラブホテルデート編は、まるで推理小説を読み進めていくかのような、スリリングな臨場感があり、聴いている者をドキドキさせ続ける。この収録は、北川さんの詳細なリサーチにより、渋谷・円山町の生成過程自体が詳しく解説されており、優れたアーバン・エスノグラフィにもなっている。これらの収録自体が、チャンス・オペレーション的な偶発性による、ひとつのアート作品のようにすら、感じ取られる。
2は、こうしたラジオ活動がなければ、まず接点がなかったであろう、工業高等専門学校のみなさんとの対話が、新鮮。
3は、書物への応援番組をやってみようとの趣旨から企画されたもので、ブックディレクターの幅さんや、ジュンク堂書店員の阪根さんの出演が、ユニークな点を提供して下さった。今後のメディアの行方を占う、興味深い収録となった。
4は、通常では入ることができない貴重な建築作品の内部を、実際に体験・解説していただいたもの。海外編の建築紹介としても、貴重な記録。
5は、トップ・アーキテクトの伊東豊雄さんの、生の声。懇親会の流れで、快くラジオ収録を引き受けて下さった伊東さんに感謝。現在もなお、建築への熱い情熱を持ち続けている伊東さんの志が、聴く人の体に沁み渡ってくる。


南泰裕(みなみ・やすひろ)
1967年生まれ。建築家。アトリエ・アンプレックス主宰、国士舘大学理工学部准教授。作品=《PARK HOUSE》《南洋堂ルーフラウンジ》《spin-off》など。著書=『住居はいかに可能か』『ブリコラージュの伝言』『トラヴァース』など
http://bricoleurs.exblog.jp/
http://park16.wakwak.com/~prospector/

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平塚桂(ぽむ企画)


第1位 西村浩×山崎亮「自走力のデザインメソッド」(全4回)
第2位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・第6回)
第3位 瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって
第4位 ソウルの都市と建築をめぐって(建築系ラジオ韓国ツアー第1日目を終えて)
第5位 ヴェネツィア・ビエンナーレ──おすすめの展示は?

「西村浩×山崎亮 「自走力のデザインメソッド」」は、西村浩さん、山崎亮さん、倉方俊輔さんというおそろしく頭の回転がはやく話しのテンポがよく似た三者がグルーヴする強烈なコンテンツだった。建築系ラジオは、魅力的な場所をつかって公開収録を行うのも特徴。「建築系twitterオフ会」を収録したヨコハマアパートメントは集合と離散、開放と閉鎖のバランスが抜群によい場所で、コンビニのおやつを食べながら大学のサークル会議のような雰囲気でズルッと話をして、観客もズルッとまわりの階段や椅子に座って、場の力を借りてのおしゃべりを楽しませてもらった。
個人的には、「瀬戸内国際芸術祭2010──犬島、直島の建築とアート作品をめぐって」のような、即時性が高く臨場感が感じられるツアーもののコンテンツが好きだ。タイムラグはわずか3日ほど。"感動"から"戸惑い"までテキストでは伝わりにくい生声が伝わってくる。登場するのはコアメンバーから学生さんまで。「建築系ラジオ韓国ツアー」の場合、なんと旅行代理店の方もコメントを寄せていた。この誰もが参加できるスタイルは、通常の収録の場合は冗長さを招く可能性もあるのだが、旅の場合はキャンプファイヤーを囲んでがやがやと話しているような様子がイメージできて面白い。私が参加した「ヴェネツィア・ビエンナーレ ― おすすめの展示は?」の場合、収録会場はビエンナーレ会場にあるカフェだった。五十嵐太郎さんと謝宗哲さんにたまたま会場でお会いして、ランチをご一緒しているときにゲリラ的に収録されたものだった。まだ金獅子賞もわからない時点での、直感的なおすすめを話しているのだから思えばけっこう貴重だ。


平塚桂(ひらつか・かつら)
1998年京都大学工学部建築学科卒業、2001年同大学院工学研究科環境地球工学専攻修了。建築ライター/ぽむ企画
twitterアカウント @pomukatsura

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宮内美紀(建築系ラジオスタッフ)


以下5つは「地方」MAT fukuokaを終えて語られるエピソード東京のイメージ──ぼくたちの東京論)、「学生同士の想いの共有」東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー ──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編「学生団体へのインタビュー」建築新人戦2010スタッフインタビュー東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」 )という観点から選びました。地方の多くの建築学生が、建築系ラジオを通して他大学の建築学生の考えや想いに触れているという側面からもこの二つの観点は学生にとって建築系ラジオを象徴するものではないかと考えました。

第1位 MAT fukuokaを終えて語られるエピソード
私が住んでいる福岡で行われたイベントに関する回です。建築の文化を、社会や市民の方々に広く発信しているイベントです。私自身、MAT fukuokaの学生スタッフとして参加したのですが、親子連れの方々や建築関係者ではない方など、様々な分野から多くの方が参加されていて感動的な体験でした。そしてこのイベントで実際にあった、心が熱くなるようなエピソードが語られた回となっており心に残っています。

第2位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
この回で一番印象的だったのは、東京の距離感を、地図や実際の都市のかたちではなく鉄道の乗り換えや路線図・所要時間で認識しているという話題です。確かに、地下鉄が張り巡らされた都市で人々は、場所から場所へ空間をワープ移動するような感じ方をしています。また、「どこからが東京でどこまでが東京であるか」ということもはっきり示せず、イメージでしかとらえられないという議論も興味深いものでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
タイトルは、過激ではありますが...予告編を聴いてこのイベントは現在の私の学年(学部3年)にぴったりだと思いました。進路を考え始めた学部生にとって、建築家になりたい人もそうでない人も、このイベントを通して新しい可能性を発見できるのではないかと思います。

第4位 学生団体へのインタビュー
建築新人戦2010スタッフインタビュー
東北工業大学建築学科・デザイン工学科有志団体colorsインタビュー
建築系ラジオでは、様々な建築学生団体へのインタビューの回が数多くあります。建築系ラジオを通して活発な学生団体の様子やその特徴などを知ることができ、刺激になりました。さらに、建築系ラジオでは全国各地数多くの学生団体へのインタビューが配信されているので、様々な団体を比較して個性をつかむことが可能であり、それぞれの団体への理解が深まると感じています。

第5位 建築女子ガールズトーク「おしゃれと建築」Lab
まず私自身が建築を学んでいる学生であるので、とても興味のあるテーマでした。「女子」ならでは、「建築」ならではの悩みについて、ガールズトークが炸裂します。設計などの課題に向き合う生活は女子にとっては、お肌の悩みなど特に大変なことのような気がします。しかしその一方で、他大学の人たちはどんな工夫をして徹夜での作業を乗り切っているのか等々、興味津々でした。多くの方々が同じ思いを抱いているということに触れ自分自身のやる気に繋がったような気がします。


宮内美紀(みやうち・みき)
1989年生まれ。九州大学芸術工学部環境設計学科所属。趣味は旅行とカメラ、水玉模様を集めること。

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白濱雅也(深川ラボディレクター)


第1位 都市建築へ(中庭をめぐって)(全3回)
     松田達展(全3回)
      (都市建築へ、松田達展)
第2位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
       (批判的工学主義を問う)
第3位 キッチュとアートをめぐって(全2回)
第4位 バーネット・ニューマン展(川村記念美術館)(全3回)
第5位 上村松園展(東京国立近代美術館)(全3回)
       (上村松園)

1、2は松田達さんの展示をした縁もあり、ギャラリーで放送していたため何度も聴くことができ、刺激的であった。松田達さんや藤村龍至さんのそれぞれのビジョン、スタンス、成果などの差異が美術家にも当てはまる部分が多く非常に面白い。
美術と建築は隣り合う領域でありながらいろいろな面で異なり、また昨今はお互いの領域に侵犯する傾向も見られ、両者の共通項と差異を見ることは、自分自身の立ち位置を見直すという意味では有効であると思う。社会性と個人性とのバランスが異なる点が、建築と美術の大きな違いのひとつであると思う。一般社会の人が思う芸術家は、個人性だけにこだわって作品を作っているように思われているだろうが、実はそれだけではただの落ちこぼれや引きこもりに過ぎないのであって、美術家には美術家の社会性というものはあるし、そういう両面持った人が優れた作家と言えるだろう。これは建築家でも同じだとは思うが建築家の場合は社会性が優れていれば、少なくとも職業人としては認められるだろう。
松田達さんは非常に美術家に近い個人性を強く持ちつつ、その視線の先にはロマンティックとも言える社会的な夢を描いていて、一方の藤村さんは事業家的な視線で夢などは考えもせず冷徹に現実を捉え、その改変をうかがっている。その両者の際立ちをリアルな弁舌で聴く快感はなかなかのものであった。
その個人性をあらわにするリアルタイム感や局所感は、社会性を帯びざるを得ない一般的なラジオではなかなか見られないことで、ポッドキャストラジオならではの良さだろうと思う。


白濱雅也(しらはま・まさや)
1961年生まれ。1988年多摩美術大学美術学部デザイン科卒業。1990年頃より制作を始め、ネオポップやイラスト系具象絵画の先駆けとなる。その後既存の童話のイメージをリミックスしネガティブに変節する絵画や立体作品を制作。主な個展にギャラリーNWハウス、ギャラリー那由他、アートフォーラム谷中、マキイマサルファインアーツ、ギャラリー二葉奥の院、Caelum Gallery他。現在実験的スペース「深川ラボ」運営。

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藤澤卓也(大同大学 元山田幸司研究室)


わたしは山田幸司研究室に所属していたということで、今回、2010年の配信コンテンツの中から選ぶのではなく、あえて山田さんの出演しているラジオの中からBest5を選ぶという形をとらせて頂きました。ご了承下さい。

第1位 12A: カリスマ建築ガールズ 第3回「広島女学院大学 折口麻美さん」シリーズLab
第2位 48C: 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab
第3位 37C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第2部-外国放浪編)Lab
第4位 19C: 山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第1部)Lab
第5位 28C: みちのくシリーズ「山田幸司への10の質問」シリーズLab

5~4位は山田さんの建築人生や生き方、そして悩みなどを、自身の言葉で聞く事の出来る貴重な収録です。そして1位は学生に厳しい一言。建築に対しての熱い思いも聞け、学生と会話する山田さんが生き生きしていました。また、普段から「パラパラポコポコ系はいけない」や「ハイテクをやってみろ」などと言っていた山田さんの事を思い出しました。なによりも山田さんの人柄がよく出ていると思い選ばせて頂きました。


藤澤卓也(ふじさわ・たくや)
1987年岐阜県生まれ。2009/4~2010/3大同大学工学部建築専攻山田研究室。2010/4~大同大学大学大学院工学研究科宇野享研究室所属。

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花房佑衣(建築系ラジオスタッフ)


第1位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)(全体討議・全5回)
私が初めて足を運んだ建築系ラジオの公開収録であり、かつ、初めて聴いた建築系ラジオのコンテンツがこの「藤村龍至の批判的工学主義を問う!(藤村龍至vs松田達)」でした。そういった意味で、個人的にとても思い出深いコンテンツです。ずばっと物云う永山祐子さん、素敵です。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
とても興味深いコンテンツでした。歴史や空間やその他ラブホテルのあれこれについて、知らないことだらけでとても面白かったです。聴いて学んだことをそのまま友人に話したくなるような、そしてさらに自分でもいろいろ調べたくなるような、そんな魅力的なコンテンツでした。

第3位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編(全5回)
東京仕事百貨は以前から興味があり、よくホームページをのぞいていました。代表の中村健太さんのお話、大変面白かったです。「○○になりたい」と固執せずに、学んだことを活かして専門分野とは別の分野で働くこと、その可能性について考えさせられる内容で、視野が広がったように思います。

第4位 Archi-TV2010 総括──26時間を振り返って(全3回)
こちらも、私自身がArchi-TV2010にスタッフとして携わったことから、思い入れのあるコンテンツです。(収録には参加していないのですが。)同じ年代の建築学生の皆さんが、どんなことを考えているのかを知ることができて、すごく刺激になるコンテンツでした。

第5位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデートシリーズ
倉方さんの建築デートシリーズが好きです。建築を専門的に学んだことのない私でも、頭に「?」が浮かぶような難しい話がなく、純粋に楽しめるコンテンツでした。特に座・高円寺でデート編は、私自身が高円寺に住んでいるということもあり、お気に入りです。ゆるゆるふわふわした雰囲気が心地良いです。


花房佑衣(はなふさ・ゆい)
1987年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部所属。趣味、妄想、ぶらりひとり旅。建築ライターを目指してます。



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守行良晃(建築結社YSSK主宰)


第1位 YSSK TIME SPECIAL「トップ会談」
意外に、というかやはりこれが1位です。2010年1発目にして、建築系ラジオ様とYSSK TIME初の本格コラボ。番組内容はYSSK TIME側に主導権を与えていただきました。コアメンバーのパーソナリティを掘り起こす試みは興味深く、一定程度成果をあげられたという自負があります。3位に選んでいる番組と内容自体は全く同じですが、オープニング曲が違います。

第2位 44C: 伝説のトーク「梅林克 x 山田幸司」(前半)Lab・全2回)
本当の1位です。理屈抜きに面白い。幸運にも収録現場に居合わせて、頬が痛くなるほど笑わせていただきました。伝説とか奇跡とか化学反応とか言葉にすると陳腐ですが、確かに伝説だし奇跡だし化学反応が起こっています。

第3位 43A: 建築系ラジオ新春企画「YSSK TIMEとの合同収録」Lab
第1位のコメントをご参照ください。

第4位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問Lab
大西麻貴さんといえば建築結社YSSKとは同世代で、卒業設計日本一決定戦以来頭ひとつ抜け出ている印象があります。コアメンバーとしての露出はまだ比較的少ないようですが、大西さんのご活躍を期待しています。

第5位 51A: 建築女子批判?石川翔平が大いに吠える![1/2]Lab
twitterとUstreamと、新しいメディアをクロスオーバーしながら展開した一連の事件(?)の発端となった番組ですね。新たなスターの誕生を予感させました。が、その後の展開は尻すぼみで番組後半もお蔵入りということで、本来ならば第5位ですがランク外の次点とさせていただきます。

2011年も建築結社YSSKは建築系ラジオを応援しています。


守行良晃(もりゆき・よしあき)
1982年生まれ。京都の建築デブ。建築結社YSSK主宰。公認ぽむ企画チルドレン。建築設計事務所勤務。2007年建築結社YSSK結成。建築系ポッドキャスト「YSSK TIME」配信を中心に活動中。http://yssk.seesaa.net/

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大木翔太(建築系ラジオスタッフ)


第1位 東京仕事百貨代表・中村健太インタビュー──「建築家をあきらめろ!(仮)」イベント予告編
建築家、諦めました。

第2位 書物の現在と未来(全体討議・第7回)
ただ文字を規則正しく並べただけの魔法の道具。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
見たことのない景色がいっぱいある。

第4位 「失敗」をめぐって
(全3回)
    インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと(全3回)
死ぬまでにあと何回失敗できるか

第5位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
こうして建築系ラジオと関われているのもtwitterのお陰だったりするのです。


大木翔太(おおき・しょうた)
1987年群馬県生まれ。高校中退。その後入学した専門学校で建築の魅力を知り、2010年足利工業大学建築学科3年次編入。本と猫が好き。でも一番好きなのは自分。

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伊東一馬(建築系ラジオスタッフ)


第1位 書物の現在と未来 (全体討議・全7回)
第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
第3位 失敗をめぐって(全3回)
第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点

第1位 書物の現在と未来
電子書籍が普及していく中で「本」の魅力を再考するいい機会になりました。

第2位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成!円山町ラブホテルデート編
一般のラブホテルというビルディングタイプの特徴に加え、円山町におけるラブホテルを多面的に、非常に分かりやすく解説しているコンテンツでした。

第3位 失敗をめぐって
自分自身、失敗をよくするので、聴いていて興味深かったです。人の失敗談を聞くことは、成功した話を聞くことより何倍も楽しくて惹かれます。

第4位 東京のイメージ──ぼくたちの東京論
東京がさまざまなイメージを持たれているということを知ることができました。この類のコンテンツでは結論をださないことは重要だと思います。この回はどこからが東京かということを話していましたが、違う内容で話しても面白いだろうし、「東京出身者からみた地方」などの違うタイプで内容があっても面白いと思います。潜在性の高いコンテンツだと思いました。

第5位 スタッフ討議──大学間の差異と共通点
自分の感じていることがコンテンツになったという感じで非常に共感できました。


伊東一馬(いとう・かずま)
1989年愛知県生まれ愛知県在住。中部大学工学部建築学科3年。私物の中でパソコンの次に高額な物は眼鏡。趣味:サッカー/フットサル

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長門亮(建築系ラジオスタッフ)


第1位 瀬戸内国際芸術祭2010── 豊島美術館をめぐって (全2回)
私も瀬戸内国際芸術祭に行き、この豊島美術館を見てきたこともあり、この配信を楽しみにしていました。五十嵐さん、彦坂さん、北川さんなどの解説を聞き、自分で感じた事と聞き合わせながら、さらに読み取れなかったことなどを解説や感想から聞く事が出来たので、大変勉強になりました。さらこの収録では、豊島美術館にとどまらず、安藤さんとの比較、妹島さんとの差異などの解説も聞く事が出来ました。個人的に瀬戸内国際芸術祭の収録は全体的に好きな配信だったのですが、豊島美術館に収まらず、このツアーの要素がつまった収録になっていた気がしたので、選ばせて頂きました。

第2位 テン年代の建築を考える(全7回)
これは、前田紀貞さんのBar「TENZO」で収録されたものです。前田さんや、前田紀貞建築塾の学生の言葉がひしひしと伝わって来るのを感じました。音声だけでも、その場の雰囲気が伝わってきて、配信されている時期に大学の学生の間で、話題になっていました。

第3位 北川啓介のもうひとつの建築設計資料集成──円山町ラブホテルデート編
建築系ラジオの新しい収録方法だなと思い、選ばせて頂きました。建築系ラジオ版「ブラタモリ」のような、実際に歩きながら、フィールドワークをしながら収録を行うという新しい形の収録がとても印象的でした。音声のみの情報しかないのに、わかりやすい説明で、聞いていてもすごくその場の情景が伝わってきました。内容も、北川先生がわかりやすく解説してくださるので、聞きやすいコンテンツでした。

第4位 twitterの現在をめぐって(建築系twitterオフ会)(全体討議・全6回)
この収録は、たくさんの人が集まった収録でした。収録後の懇親会でもたくさんの人が集まり、学生を交えながらの収録が行われ、本当に飲みながら収録しているということをこの時に確認して、配信できるかできないかのギリギリの話(時にはNGになることも)が繰り広げられていました。でもそれが建築系ラジオの醍醐味でもあるし、私自身もこういった時にこそ、1人1人の本音や深い話ができるのだなと実感しました。

第5位 南研究室・建築デザインレビュー (シリーズ)
これは、私が所属する南研究室の活動の一つとして、建築雑誌の中から毎月1作品から3作品ずつ取り上げて、南先生と研究室の学生がレビューをするというコーナーで、建築系ラジオの連載のなかでも唯一、毎週配信するというコーナーです。そしてリスナーの方から、「いつも雑誌片手にこのコンテンツを聞いて勉強しています。」という話を聞いた時、ものすごくやりがいを感じたのを覚えています。南研の学生は勿論、他大学の知らない学生も一緒に勉強できるコーナーになっているんだなと実感しました。これは、コンテンツ単位ではなく、連載単位で印象に残っている配信です。


長門亮(ながと・りょう)
1989年生まれ。国士舘大学南泰裕研究室所属。趣味、ガラクタ集め。

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長江健太(TETSUSON2011代表)


まず、最初に私は全てのアーカイブを聞いている訳ではない事をお伝えします。見出しの面白さや興味のみで選んで視聴しているので、少し偏った意見になっているかもしれませんので、ご了承ください。

第1位 TETSUSON2011実行委員会インタビュー
選考理由は、自分たちにインタビューして頂いたからです。印象に残っていたという意味で圧倒的に一番だったのでベスト1に選ばせて いただきました。

第2位 交通から都市と建築を考える(第5回カルチベートトーク)(全4回)
「交通から都市を考える 」という視点に興味をもちました。なんとなく興味をもって聞いたのですが、移動という概念を「なるほど」と納得しながらメモをとりつつ、講義を聞いている気分でした。ありがとうございます。

第3位 「Japanese Junction 2010」展レヴュー(全5回)
実際に展示会を観に行って、海外と日本の建築学科 の違いをうっすらと感じていたのですが、インタビューの内容を聞いてみて、両者の違いにある背景がわかりました。

第4位 インターンシップ・オープンデスクで考えたこと、感じたこと (全2回)
自分がインターンシップやオープンデスクを経験した事がないので、実際に参加した学生の話を聞ける機会が得られた事 が貴重でした。

第5位 作品から語るアートとデザインの違い
自分の持っているもやもやとした考えが少し明快になったかと思います。アートとデザインの違い、アーティストと職人の違いなどありがちな視点ですが、面白い話でした。




長江健太(ながえ・けんた)
1989年愛知県生まれ。千葉大学工学部建築学科在籍。TETSUSON2011代表。

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北川啓介(建築系ラジオコアメンバー)


第1位 村上兄ィの建築系人生相談「山田幸司」Lab)(*1)
第2位 伊東豊雄「消費の海に浸らずして新しい建築はない」(1989)を読む(*2)
第3位 Interview with an Architecture student from Norway(*3)
第4位 五十嵐淳CAAKレクチャー(全3回)(*4)
第5位 テン年代の建築を考えるシリーズ(全体討議・全7回)(*5)
第6位 新コアメンバー大西麻貴さんへの10の質問(*6)
第7位 2010年3月号デザインレビュー(住宅特集)(*7)
第8位 東京理科大学建築教育論(全3回)(*8)
第9位 首都大学東京 高橋千尋さんと座・高円寺でデート(シリーズ)(*9)
     奈良女子大学 伊井裕子さんと大阪デート(シリーズ)(*9)
第10位 藤村龍至の批判的工学主義を問う!(全5回)(*10)

「2010年の建築系ラジオをふりかえって」
建築系ラジオ第三期コアメンバー 北川啓介

建築、もしくは、建築することを伝達するには、建築物自体を通して理念や思想を伝える方法以外にも、様々なものがあります。現場での図面、撮影された写真、別途制作された模型、書籍や雑誌での文章、建築家によるスケッチ、コンピュータを活用したCG、別の空間での展覧会、来場者が集まる講演会やシンポジウム、まちづくりなどの打合せ、ネット上のブログ、他者との日常的な会話、小説や映画といった表現など、パッと思いつくだけでも、法学や経済学や商学や理学や医学といった他の分野と比べても多様な手段を施している。しかも、建築分野の人のみならず一般の人の生活の中にも大きな役割として浸透しています。
例えば、今年話題になった水木しげるさんや手塚治虫さんのマンガでも、マンガ喫茶で手にする少女マンガでも、シーンやストーリーを伝達する上での建築の寄与は計り知れないほど大きなものです。私がニューヨークで建築設計に従事していた約10年前は、欧米の建築学生の7、8人に1人がディズニーやハリウッドに代表される映画業界に進み、映画内で設定した建築や都市の様式の表現に今も従事しています。映画や小説の表現においても、建築に関わる、ローマやルネッサンスやバロックやロココなどの時代ごとの建築様式もそうですし、人々の実生活の空間を捉える眼や知見がなければ、SF映画でもファンタジー映画でも一般の人を魅了する表現にはなりえることはないのです。

いわば、建築を学んだ人や建築に関わる人と接していていつも感じるのですが、建築家や建築士や職人さんといった「職種」というよりも、建築的に思考する・構築する「職能」そのものが、建築分野の人がパッと想像する以上に、一般社会へ関係していっているのです。
建築系ラジオは、建築、もしくは、建築することを、「語り」としてそのまま伝達し続けています。年配の方から若手の方までの多様な建築の専門家へのインタビューから、蔵書として手にすることも手間がかかってしまう名著の朗読、建築学生の熱い想い、街を仲良く歩く中の会話、違う考えの専門家同士によるディスカッション、建築の境域に関わる人からのメッセージなど、この一年で、そのコーナーやコンテンツは、まとめることができないほど多様になりました。
前述のように、あまりに建築、もしくは、建築することが、一般社会や日常生活に大きく関係していますので、建築の全体像を捉えようと、ついつい、既にあった建築への切り口に頼ってしまうのは仕方のないことではあります。しかし、ひとりひとりのリスナーが、オリジナリティ、アイデンティティをもって建築に接する際、ひとりひとりが互いに感性を触発しつつ、積極的に行動し実践していくことがとても大切なことです。
建築系ラジオの2010年に関わらせていただいた中で、まずは、建築系ラジオ総体としての考えや動きよりも、建築系ラジオに関係してくださった数多くのとても多様な方々による、あたかもスペインのサッカーのような、ひとりひとりの想いを活かして活動ができたことに、未来に向かう大きな一年であったという認識と共に、全ての方々に繰り返し感謝します。
そうした中で、今回は、ベスト、というよりも、私が聞いている中で、新しい境地に踏み出していると実感したいくつかをご紹介します。

まず、2010年3月24日、こうした境地を切り開かれてきた建築系ラジオ初代コアメンバーの山田幸司さんが登場する最後に残ったコンテンツ(*1)が配信されました。建築に関わる設計活動や教育活動においても、巨匠建築家とも若手建築家とも初学生とも誰とでも隔てなく語り合うことで建築を探求していく、いわゆる山田式対話主義はこの建築系ラジオにおいて全国的に知りわたりました。慕って名古屋まで足を運ぶ人も多かったのですが、その探求の新しい方法論をこれ以降、目の当たりにできないことを念頭に拝聴することで、悲しいとか淋しいとかいう感情よりも、建築系ラジオの始動に際しての山田幸司さんのかけがえのない開拓活動に、再度、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。お亡くなりになられてからしばらく、山田幸司さんの収録済みの音声が流れる度に、まだ日本のどこかで元気にお話しされている気にもなりました。そして、最後に残ったこのコンテンツを聴き終えるとき、建築系ラジオから、建築、もしくは、建築することに向かう多大な意義を具体的に感じ、それが2010年の建築系ラジオの活動の上で最も体が沸き立った瞬間でもあり、まさにそのとき感じたことが、このテキストの冒頭に述べたことです。
今から21年前の伊東豊雄さんの文章を、その頃に生まれた若き建築学生が朗読し、当時学生であったコアメンバーも交じって振り返ります。そのスタイル(*2)は、今の伊東豊雄さんの建築の意義を拡げて認識できるという点よりも、収録に登場した当事者のみならずそれを聴いたリスナーも自身の体験してきた時代と照らし合わせて想いを巡らせられ、建築系ラジオならではの醍醐味と感じ、若い気持ちを保つ上で、必聴です。
女子学生スタッフの松岡舞さんによるノルウェーからの男子留学生へのインタビュー(*3)は、国籍と性別は異なるけど、建築に関わる内容で意思が伝わった際の松岡舞さんの、それまで英語で会話していたのに、その意思が伝わった瞬間の、英語とも日本語とも違う擬声語にも似た、若い建築学生のきたる未来いっぱいの初々しさをも含んだ、頷いてるというよりも寄り添っているのかとも想像させる、「ふぅぅんっ♡」の数秒は、自分自身の学部生時代を思い出しつつ、若い建築学生のこれから何が起きる分からない無限の可能性を実感でき、思い出すだけで今でも体に電流が走ります。
五十嵐淳さんが自作を語り質疑に答えるレクチャー(*4)は、丁寧に言葉を選びながら語りつつも、難解な建築の専門用語というよりも、私たちをはじめ、一般の人々も日常生活で使用している言葉を組み立てて、あたかも、新しい文法を構築していくかのような語りに、五十嵐淳さんの建築物を仕立てていくその方法論と極めて関係が強いと感じました。漢字を礎にしつつその原理原則を読み解きつつ、必要に応じて平仮名や片仮名を織り交ぜて独自な日本語が誕生していった過程に似ていて、語りのみであるからこそ、五十嵐淳さんの建築設計論のオリジナリティが際立っていて、興味深く感じました。
テン年代の建築を考えるシリーズ(*5)は、正月明けに配信があった、大西麻貴さんへの10の質問(*6)と対比して聴くと興味深いです。10の質問の方では、ひとりの若い女性の姿がそのまま表現されています。合コンに例えると、まだ自己紹介を終えたばかりの男性陣と女性がお互いに少々の照れを見せながら話し合っている素朴な探り合いが続く序盤戦という感じで聴けて、時折、プスっと笑えて面白いのですが、テン年代の方では、あたかも合コンでちょっと前に争った恋敵に会ったかのようで、建築系ラジオを流しているパソコンも必死に脂汗を堪えているかのような討議でした。複数の違ったコンテンツが対比を為したからこそ大西麻貴さんのこだわりが強調されて認識できたという点で、非常に興味深かったです。
椎名英三さんによる聖居のデザインレビュー(*7)は、レビューしていること自体を椎名英三さんご自身には事前にお伝えしていなかったにも関わらず、配信後、椎名英三さんご本人からの御礼のメールがきっかけでその後もご本人との予想もしなかった交流が続いているという点で、建築系ラジオからの1本の配信が、その後、予想もしない様々な相乗効果を引き起こす好例として記しておきます。情報を伝達することのみに終始しない化学反応を起こすかのような建築系ラジオだからこそ、と実感しました。
東京理科大学建築教育論のシリーズ(*8)では、学生の皆さんが、自分を取り巻く環境と同時に自分自身をもしっかり批評し、後半、自分自身がどう関わっていくかを含めてしっかりと理想の教育論を展開していた点を高く評価したいことと併せて、一方で、MCを担当した松田達さんが、しっかりとその影武者、いや、間違えました、聞き手、もしくは、裏方として、彼らの語りを丁寧に引き出していたことが印象に残っています。学生の皆さんも松田達さんもイキイキ、ノビノビとしていて、一見、ネガティブな感じで終始しそうな内容にも関わらず、意外にも、最後まで心地よく聴くことができました。これまでの経験を生かして、松田達さん自身が大きなハードルをひとつ超えていると感じました。
カリスマガールと建築デート(*9)では、倉方俊輔さんが女性にアプローチする内容になると、倉方俊輔さんの声に#がかかり半音上がることの発見と、更に、だいたい時を同じくして、女性の声が少し大きくなり、ボイスレコーダーを掴む倉方俊輔さんの手が少しずつ女性に近づいていっていることを想像させ、音声ファイルの波形データとでもいうのでしょうか、そうした単純な音声信号から、建築におけるひとつの大切な概念である距離の遠近までもが伝わってきて、建築や空間って、本当にいろいろな分野と関係しているのだと体感しました。
藤村龍至さんをお招きして開催した公開収録(*10)は、私が企画を担当した最初の公開イベントでした。特に後半の討議の時間にて、藤村龍至さんご自身から、約10年前からの建築に向かう学部生時代から大学院生の時代や留学していた時代といった黎明期から、建築家や教育者として精力的に活動されている萌芽期とでもいうのでしょうか、現在に至るまでの、その年月での建築への思考の変遷を、数多くの成功と失敗を含む試行錯誤の上で築いてきたということを、語り言葉として率直に掘り下げてお話しいただけたことは、今でも必聴と言われ続けているコンテンツになり得ていることが示しているとともに、また、シークレットゲストとして登場してくださった上、ピンクのナースコスプレを着こなしてくださった永山祐子さんへも改めて感謝します。

2011年の建築系ラジオが、これからも実験的な試行錯誤と繰り返しつつ、化学反応を引き起こしつつ、新しい境地を切り開いていくことができればと願うとともに、いつも建築系ラジオを聴いてくださっている数多くの皆さん、そして、いつも建築系ラジオを支えてくださっている数多くのスタッフの皆さんにも、繰り返し感謝します。

以上。


北川啓介(きたがわ・けいすけ)
1974年3月26日名古屋市内の和菓子屋生まれ。建築家、研究者。専門は、建築設計計画、建築意匠、現代建築、都市計画、情報空間論、サブカル論、ナゴヤ論。1996年国立名古屋工業大学工学部卒業。1999年ライザー+ウメモト事務所など。2001年同大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。同大学大学院助手、講師、助教授を経て、現在、国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科准教授、名工大ラジオ局長。論文=『映画の中の都市と建築』、『和菓子と建築』など。報文=『マンガ喫茶白書 社会問題に先行するひとり一畳の聖域』(日本建築学会建築雑誌、2008年4月号)、『もうひとつの建築設計資料集成』(日本建築学会建築雑誌、2009年12月号)など。著書=『ハイパーサーフェスのデザインと技術』(彰国社、2005年)など。受賞=日本建築学会東海賞、名古屋市都市景観賞など。



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<回答者一覧>(その2)

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南泰裕平塚桂宮内美紀白濱雅也藤澤卓也花房祐衣守行良晃大木翔太伊東一馬長門亮長江健太北川啓介(順不同)
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さてさて、アンケートの第二回目の回答公開、皆様の回答からもそれぞれの建築系ラジオへの聞き方があるのだな、と再認識しています。自分に興味を持っていただいた回は是非聞いてみてください!まずはそこから!では、次回もぜひお楽しみに。


収録日時:2010年9月18日
収録場所:川村記念美術館内レストラン
収録時間:22分12秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:10.4MB
PLAY 出演者:栃原比比奈+江藤靖子+彦坂尚嘉+天内大樹

川村記念美術館での「バーネット・ニューマン展」(開催中~10.12.12まで)の批評の最終回です。冒頭では、バーネット・ニューマンの彫刻作品について語られます。相変わらず彦坂さんからは厳しいコメントが続出です。本シリーズを聞いて頂ければ、作品の解説だけでなく、バーネット・ニューマンの人物像がわかります。遅咲きで、苦労人だったバーネット・ニューマン。この番組を聴いてから作品を鑑賞すると、また違った見方ができるかもしれません。番組の最後では川村記念美術館の建物や環境にも触れられています。(編集部)

・出演者プロフィール
栃原比比奈(とちはら・ひいな)
1977年生まれ。2001年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。2000年より中野区の知的障害者施設のスタッフとして、ダウン症や自閉症、重度の知的障害者などが絵を描くプロセスと作品を研究。2001年よりサンエックス(株)勤務、2004年退社。2010年彦坂尚嘉アトリエ(気体分子アトリエ展)、ギャラリー山口にて個展。

江藤靖子(えとう・やすこ)
東北芸術工科大学美術科日本画コース4年。

・関連項目
川村記念美術館バーネット・ニューマン展
収録日時:2010年9月18日
収録場所:川村記念美術館内レストラン
収録時間:15分08秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:7.1MB
PLAY 出演者:栃原比比奈+江藤靖子+彦坂尚嘉+天内大樹

川村記念美術館での「バーネット・ニューマン展」(開催中~10.12.12まで)の批評の続きです。引き続き、彦坂さんから、一見、ニューマンの作品はピエト・モンドリアンの作品に見られる、厳密な面分割のといったデザイン的要素があるようで、実際に鑑賞してみると実はデザイン的要素や画面の構築性といったものは見られないとの感想が。これについては、戦後アメリカ美術、特に、抽象表現主義というのは、同時代のマーク・ロスコにも見られるように、戦前のヨーロッパの抽象美術を通俗化を図ったもので、バーネット・ニューマンの作品も漏れなく当てはまっているという解説をして頂きます。また、話題は作品の「大きさ」へと再び戻りますが、作品の巨大化には、プロパガンダの要素がとても大きいという背景があり、明治以降に誕生した西洋画に対する日本画にも共通して作品が巨大化する傾向があったのでした。(編集部)

・出演者プロフィール
栃原比比奈(とちはら・ひいな)
1977年生まれ。2001年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。2000年より中野区の知的障害者施設のスタッフとして、ダウン症や自閉症、重度の知的障害者などが絵を描くプロセスと作品を研究。2001年よりサンエックス(株)勤務、2004年退社。2010年彦坂尚嘉アトリエ(気体分子アトリエ展)、ギャラリー山口にて個展。

江藤靖子(えとう・やすこ)
東北芸術工科大学美術科日本画コース4年。

・関連項目
川村記念美術館バーネット・ニューマン展
収録日時:2010年9月18日
収録場所:川村記念美術館内レストラン
収録時間:15分50秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:7.4MB
PLAY 出演者:栃原比比奈+江藤靖子+彦坂尚嘉+天内大樹

川村記念美術館での「バーネット・ニューマン展」(開催中~10.12.12まで)の批評です。作品を鑑賞後、それぞれの感想を述べてる中で、彦坂さんからは絵画作品の大きさについて言及がありました。それは絵画作品が大きくなるに従い、美術作品としての芸術性を維持することの困難さについてであり、建築についても同様の指摘がなされているように、作品の大きさは大きければ大きいほど良いというものではない、というものが、絵画作品にも該当しうるということでした。また、歴史的にも絵画は建築との一体化して壁画として巨大な作品を残していますが、やはり芸術性の高いものを見出すのは難しいという、美術家ならではの厳しい指摘が続々と展開します。(編集部)

・出演者プロフィール
栃原比比奈(とちはら・ひいな)
1977年生まれ。2001年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。2000年より中野区の知的障害者施設のスタッフとして、ダウン症や自閉症、重度の知的障害者などが絵を描くプロセスと作品を研究。2001年よりサンエックス(株)勤務、2004年退社。2010年彦坂尚嘉アトリエ(気体分子アトリエ展)、ギャラリー山口にて個展。

江藤靖子(えとう・やすこ)
東北芸術工科大学美術科日本画コース4年。

・関連項目
川村記念美術館バーネット・ニューマン展
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