瀬戸内国際芸術祭2010・総括 [2/2]──祭とシステム/前衛性をいかに担保すべきか? - 建築系ラジオ
収録日時:2010年10月23日
収録場所:香川県小豆島
収録時間:31分24秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:14.7MB
PLAY 出演者:五十嵐太郎+谷村仰仕+吉岡佑樹+北川啓介+彦坂尚嘉+糸崎公朗+中川晋介

五十嵐──こういうアートイベントは祭りの機能を持っているけど、従来のお祭りは完全に地域共同体に根づいていて行われていたので、そこまでアートイベントが地域につながるかどうかわからない。そういう未来があるかもしれないけど、今は明らかにベネッセとかサポートして成立しているけどそこまではなかなか繋がらないですよね。一方で別の未来の選択としてシステムとしてのアートイベントもまた人がいっぱいくるというのはかつての万博みたいに日本各地で地方博を70・80・90年代でも形骸化しても続けていって、それを広告代理店がしきって、はっきりいってクオリティーはどんどん低くなっていて、こういうアートイベントのシステムのコピーは簡単ですけど、そのクオリティーだとか志のコピーは一番大変なところですね。

多くの人が訪れている瀬戸内国際芸術祭。このようなお祭りは今後も継続していくのならその継続性として地域に根づいた芸術になるのか、それともその土地でなく別の組織が指揮し形骸化したシステムになるのか、どちらだろうか。波紋が広がるような大衆みんながわかる芸術に疑問を感じながら、この芸術祭をもとに芸術・建築の面から芸術祭の前衛性を考える。(南谷江美)

・出演者プロフィール
谷村仰仕(たにむら・たかし)
1975年生まれ。広島国際大学建築学科講師。博士(学術)。2000年 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科造形工学博士前期課程終了。2003年 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科機能科学専攻博士課程後期課程修了。2003年より、広島国際大学社会環境科学部建築創造学科助手。2007年から現職。建築数人会、社宅研(社宅街研究会)メンバー。

糸崎公朗(いとざき・きみお)
美術家。1965年長野県生まれ。東京造形大学卒業。写真家・美術家。「非人称芸術」のコンセプトのもと、「フォトモ」「ツギラマ」などの独自の写真技法による作品を制作。展覧会やワークショップのほか、出版や雑誌執筆など幅広い活動を行なう。主な個展に「"FOTOMO x CITY" Multi-Perspective Sx Editions」(香港藝術中心)、「金沢をブリコラージュする。」(金沢21世紀美術館)。主な受賞にコニカフォト・プレミオ2000年度大賞、19回東川賞新人作家賞など。主な著書に『フォトモの物件』『東京昆虫デジワイド』(共にアートン新社)など。
(2010年11月 4日公開)

連載紹介

建築にまつわる、様々なテーマに関する討議です。コアメンバーが集まる全体討議とは別に、個々のメンバーで収録した討議を集めたコーナーです。
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