世界の新しい美術館と皇居美術館 [3/5] - 建築系ラジオ
収録日時:2010年9月5日
収録場所:マキイマサルファインアーツ/東京都台東区浅草橋
収録時間:25分06秒
ファイル形式:MP3形式
ファイルサイズ:11.8MB
PLAY 出演者:暮沢剛巳+天内大樹+彦坂尚嘉+五十嵐太郎

彦坂さんが「皇居美術館・空想」の背景を語ります。今回の収録の前に西部邁氏や峯村敏明氏とお話しになったことが前提になっています。現代が出版革命にも比すべき「識字革命」であり、産業構造が大きく転換しており、その余波は美術館にも「指定管理者制度」として襲いかかっているにもかかわらず、報道はそのことに触れず、一般にも広く気付かれていないことへの危機意識から、誰でも気付く変革の象徴として構想された皇居美術館。歴史や国家の表象として建築を考え、その中身として「誰も見ていない」という日本の美術の蓄積を揃える、という「空想」です。世界経済、中国経済の話は「鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン」(北京国家体育場の設計と建設を描いた映画)の話に流れ、「ベスト・キッド」(原題:The Karate Kid)の話題が五十嵐さんから出ます。椹木野衣氏のような「リセット」、タブラ・ラサ(磨かれた石版)への白紙還元を批判しつつ、日本の何を蓄積として保存するのか、何を維持するのかという問題に触れます。

・出演者プロフィール
暮沢剛巳(くれさわ・たけみ)
1966年、青森県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。東京工科大学デザイン学部准教授。美術、建築、デザインに関する執筆活動を行っている。著書に『美術館はどこへ――ミュージアムの過去・現在・未来』(廣済堂出版)、『現代美術を知るクリティカルワーズ』(編著、フィルムアート社)、『風景という虚構』(ブリュッケ)、訳書に『実践カルチュラル・スタディーズ』(大修館書店)、『ドゥルーズの哲学』『パステルカラーの罠――ジェンダーのデザイン史』(共訳、法政大学出版局)など。

(2010年9月17日公開)

連載紹介

「建築大好き」というヒコ(美術家)とアマナイ(美学者)のコーナーです。2人の年齢差が34歳、隔世遺伝的な関係の2人が美術・美学の角度から、ひと味違う建築鑑賞の討論をします。もちろん建築家も必見の面白い美術展も取り上げて、わかりやすく、鋭く、ナイーブに迫ります。
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